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16話+ 「所謂TS病についての研究:身体と心理」より一部抜粋

フィンランド国立特殊医療センター(Suomen erikoislääketieteen keskus)次席研究員エロモ・アホカス(Elomo Ahokas)著/仲田 達夫(Nakada Tatsuo)訳


(図,表は元の論文を参照)


……以上の過去事例と宮沢氏の著書に示されている論述から,所謂TS病は魚類等の性転換とは似て非なるものであることが示される.


 次に,人体に対する影響,主に性ホルモンとの関連について述べる.前提として,一般的な女性の月経周期に対応する各種ホルモン量の推移をfigure.3.1に示す.尚,当該論文で取り扱うホルモンとは,テストステロン,ジヒドロテストステロン,デヒドロエピアンドロステロン,エストロゲン,ゲスターゲン(プロゲステロン),黄体形成ホルモン,卵胞刺激ホルモンを指す.


 ゲオルク・ヤンセン(Georg Janssen)著「自然発生的人体性転換の奇跡」[5],6章の内容よりTS症状の発生から性器の消滅・発現,若しくは胸部房体の膨張・収縮が明確なものとして扱われてきたが,TS症状発生時のホルモン量を測定して得られたデータ(figure.3.3)を見ると,脳や甲状腺もまた生物学的に考えても大規模な変質がなされていることが伺える.


 TS病罹患者の6割から7割が性転換後の初潮から1~2ヵ月の間に一般的な女性の分泌するホルモン量とほぼ同等の量になる(figure.3.2)が、それ以外の罹患者は異常な分泌量を示している(figure.3.4).特に異常な分泌量を示した罹患者のおよそ93%が全体的にホルモン量の過剰分泌が見られる(figure.3.5).残る7%ほどは殆ど分泌されなくなり,性指向も無くなりエイセクシャルであるような思考傾向が見られている(figure.3.6).尚,通常分泌と異常分泌の差異として,統計の全体量の中で有意誤差の範囲内を通常分泌,その外部を異常分泌量としている.第一部にも示している通り,有意水準αは0.05としており,過剰分泌を上位0.025,過少分泌を下位0.025の範囲の該当者としている.また,男性化した元女性については元のデータ,事例が少ないこともあり,省略する.


 特に過剰分泌者に至っては日常生活の中で起こり得る刺激(少し強めに肩を叩かれる等)によって分泌液が生成,分泌される可能性が示唆されている.これは単に強めの刺激によって自然分泌されるのかというとそういう訳でもなく,該当者の特に合致するホルモンを一定量以上の感知によって発生すると考えられる.合致するホルモンを分泌する者そのものの特徴に共通性こそなかったが,その多くは性的に魅力に感じる相手であることが付属資料2のアンケートによってよく示されており,今後の用研究課題として認識できる.余談だが,その相手のおよそ8割が一目惚れであったとの回答があった.


 生成される分泌液は主に汗,唾液,膣分泌液,バルトリン線液,スキーン線液,子宮頸管粘液が挙げられる.また,汗,唾液以外の分泌物の分泌時に関しては該当者が尿の催しと誤認する場合があり,正確な数値については改めて調査研究が必要であると考えられる.因みにスキーン線液に関してはスキーン線が消失状態にある人物からのスキーン線の再生成や液の分泌は見られなかった.


異常な分泌が行われる原因として,性転換後の脳への物理的な刺激,または強い性刺激,性転換時に変質する体質によるもの,先天的な事由などが考えられるが,現時点での詳細な分析にはいたっておらず,不明点は多い.


 これらは元から女性として生まれた女性の中でもホルモンの過剰分泌者の中でも特異な特徴であり,同様の症状を訴える女性は少ない.ただしこれはその症状を異常であると考えない者が多い可能性があることを考慮しなければならない.過少分泌者についてはそれほど多くの差異は見られなかった.


 今回の実験調査の中では取り扱わなかったが,性転換者の中,特に過剰分泌が確認されている人の中にはプロラクチン値が高い状態で維持される高プロラクチン血症であることが多い.これはホルモン分泌異常で変動するのか,その中で精神が抑うつ状態となり,抗うつ剤の投与によって起こるものであるのかは定かではない.ただ一つ言えるのは高プロラクチン血症が原因と見られる明確な生理不順は元から女性であった人と比べて明らかに少ないということである.これもまた研究課題として注目できる.


 本章に於いては身体の変化は勿論,主題とした項目は精神にまで影響を及ぼしやすく,元とは異なる性別の精神に近似していくのか,また違うものに変化していくのかが注目され,特にその作用については一昨年に発生したオハイオ州の州立高校の性転換者に対する集団性暴行事件(注3)などが……

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