番外編「事案発生」
やぁやぁ、作者のすとらいふデス。久しぶりのアルヴァリス更新デスよ。
今回は番外編、とある素敵紳士が描いてくれたマンガをもとにしているデス。
それではどうぞ!
爽やかな朝。ホワイトスワンにも早朝の日差しが差し込み、この時間特有のひんやりとした空気は目覚めには気持ちいい心地だ。
「〜♪」
厨房ではもう既にユウが朝食の準備を始めていた。あまり最近の音楽に詳しくない彼ではあったが、それでもネットやテレビ、学校のクラスメイトとの会話で流行の曲を耳にすることはあった。その中の、やけに耳に残っていたフレーズを口ずさみながら手際よく調理を進めていく。
「よし、特製卵焼きの出来上がりっと」
鮮やかな黄色に香ばしそうなきつね色が程よく差し込まれた卵焼き。見た目からもふんわりとしているのが分かる。
普通に焼いただけではここまでのフワフワとした食感は生み出せず、そこはユウの技術とちょっとしたひと手間の賜物である。そしてこの卵焼きはクレアの大好物の一品でもあった。
「さて……と。そろそろ皆を起こす時間かな。総員起こし、ってね。でもその前にコーヒー淹れておくか」
シフトにもよるが、調理担当となっているユウが大抵は一番早くに起床している。その為、彼が他の皆を起こすのがホワイトスワン内の習慣となっていたのだ。
「ふあぁ……あ。ムニャムニャ……ユウ、おはようデス。今日の朝ごはんは何デスか?」
「あ、おはようございます。今日は卵焼きですよ」
そこへ珍しく先生がやってきたようだ。いつもは理力甲冑・アルヴァリスの整備や何やら怪しい研究で夜遅くまで起きている彼女が、こんな朝早く食堂に現れるのは珍しい。そしてまた、いつものだらしない恰好でうろついているんだろう。そんな事を思いつつ、ユウがそちらへ視線を向けると――――
「ちょっ?! な、なんて恰好してるんですか! 先生!」
「んあ?」
そこに居たのは、寝ぼけ眼をこすりつつ、そして小柄な身体を包んでいるのは大きさが合っていないシワだらけのシャツを羽織っただけの先生だった。どう見てもそのシャツはユウのもので、当然、ダボダボな隙間からは艷やかな肌色がチラチラと見えてしまっている。
「そ、それにそのシャツ! それ僕のじゃないですか! どこに行ったのかと思ってたら先生がパクってたんですか?! っていうか前! 前を隠して!」
「まったく、いちいち男がそんな細かいこと気にするんじゃないデスよ……」
ところが先生は自身の格好に頓着してないのか、頭をポリポリと掻きながらユウの方へと近づいてくる。どうやら流石に下の方は履いているようだが、上の方は身につけていないらしい。
ぶっちゃけた話、先生は身体的な特徴として起伏に乏しいほうではあるが、薄い生地からでも分かる僅かな膨らみは女性らしさを主張していた。スラリとしたウエストは繊細さを醸し出しつつ、しかしながら適度な肉付きのそれはとても普段の彼女からは想像しにくい。
さりとてユウも健全な男の子、流石にそんなあられもない姿の先生を直視出来るほど彼は慣れてはいないのであった。
「ちょっ! 見えちゃう! 見えちゃうから!」
「なーにが見えるっていうんデス…………んんっ?! ああっ!!!」
その瞬間、半開きだっ先生の目がくわっ、と見開いた。ようやく自分がどれほど際どい恰好なのかを気付いてくれたと思ったのも束の間。先生はズビシとユウの手元を指差す。
「こらーユウー! コーヒーが溢れてるデスよ! そんなもんで床をびちゃびちゃにしてたらスワンが壊れちゃうじゃないデスかー!」
「ええっ、そっち?! それより大事なところが見……」
「私の作ったものより大事なもんなんて存在しねーデスよ!
いいから早く拭くデスー!」
「アッハイ!」
どう考えても優先順位がおかしいとは思いつつも、先生には逆らえないユウ。なるべくそちらの方を見ないようにしながら、床にこぼれた黒褐色の液体を拭き取るのだった。
「…………」
そして、そんな光景を鷹のような鋭い視線で見ていた人物が。
「…………」ムスー
その後、何故か異様に機嫌の悪いクレアをなだめるユウの姿が目撃されたという……。
どうだったデスか! なんかこう、すごくラブコメっぽい感じがするデス……!
このマンガを描いてくれたのは『ずおさん』デス!(https://twitter.com/zuo_san?s=09 @zuo_san)
いつもありがとデス! 貴重な先生のせくしーシーン! やったぜ!
個人的なポイントは「んんっ?!」となっている先生の表情デス。かわいい。そしてチラッと見えている嫉妬クレアもかわいい! もう全部好き!
ユウ君もウブい感じがするし、いつの間にかクソダサTシャツを先生にパクられてるのも彼らしくて良いデスね!
ずおさんイチオシのキャラ、先生を今後ともヨロシクお願いするデス!
それではまた合う日まで! デス!




