311 「この話、面白いの?」モード
商業デビューする直前の頃かな。
当時の担当さんに「趣味で始めたのにプロになっちゃった人は、途中で苦しむよね」って言われた。
その時は「ふうん?」だったけど、今はすごくよくわかる。
書いているうちに(あ、これだと飽きられる)とか(恋愛が読みたい人はここで離脱しちゃう)とか思う。
かといって、無理くり甘いセリフとかシチュとかを入れ込んでも、「これだ!」っていう感じがしない。
悩んでいるうちに書き始める前の「このテーマで! こんな設定で!」っていう心の中の炎が小さくなっていく。
「これ、面白いの?」が始まる。毎回。必ず。
それでも心を折らずに書き続ける人が残るんだと思う。
新しい書き手は汲めども尽きない泉の水のように次々現れる。
毎年、「この人はモンスター?」と呆れるようなすごい人が登場する。
若い人たちが子育てしながら作品をバリバリ書いているのを見るともう、圧倒される。
そういうメンタルになると、新作を書きながら(これ、面白いの? 辛気臭くない?)モードになっていくわけで、現在弱気ですw
その話は現在28,802文字。最初の壁。次が60,000字くらいで壁が現れる。
60,000字くらいで悩んで止まった作品がいったいどのくらいあることか。数えるのも恐ろしいくらいある。
(また壁にぶつかるのかな)とか(いや! 最後まで書く!)とか思いながら毎日ジリジリと書いています。投稿し始めの頃はそんな迷いはなく、毎日「楽しい! 楽しい!」と書いては投稿してた。
1作を2週間とか3週間で完結させてた。書籍化作業などがなかったとはいえ、嘘みたい。
いつかちゃんと表に出して「この作品が11月中旬に愚痴をこぼしていた作品です」と言える日が来ますように。
軍人と姫様の話です。




