310 リアルソフィアちゃんの話
近所に小さな女の子がいて、うちまで80mくらいなので、たまに遊びに来ます。
「ネコたんいる?」って。
猫は室内で暮らしているのでいつでもいるのですが、毎回「ネコたんいる?」と聞くところが可愛い。
その子がソフィアちゃんのモデルで、いつも敷地の入り口まではママと来て、ママは家に帰り、女の子だけが猫と遊んで帰るんです。
帰りは私が女の子を家まで送っていくのですよ。
ところがある日、女の子だけが来たので慌ててママに電話したら「やだ!気づかないうちに出かけてた!」と。
うちと反対側に行けば交通量の多い道なのでうちに来てくれてよかったです。
「どうした? 一人でお外に出たらだめだよ」というと、「ママ、きやい。パパもきやい」と泣くのです。当時はラ行の発音がうまくできませんでした。
「そうかあ、きやいかあ」
「うん、きやい」
「パパもママも泣くよ?」
「なんで?」
「パパもママも〇〇ちゃんのことが大好きだから」
「ふうん」
このあたりで泣き止んで、猫に興味が移ってました。
茶猫はチラチラ姿を見せるけど子供には絶対に体を触らせません。
普段はツツンデレ(ツン多め)の白猫がこの子の相手をします。
ペットシッターさんには一度も姿を見せたことがない白猫で、「本当にいるんですか?」とまで言われる白猫なのに、小さな子に尻尾を握られようが無理くり抱っこされようが、怒らずに幼女の相手をする不思議。
茶猫はペットシッターさんにさんざん遊んでもらう子なのに、子供には絶対に触らせない不思議。
ご近所ソフィアちゃんはもうすぐ5歳になるのかな、いつの間にかオムツも取れたしラ行の発音も上手になっていました。
その子のママは私が小説を書いてるとは知らないので、我が子が『隠れ家』って小説のなかでめっちゃかわいいことになっていることを知りません。
犬型獣人にしちゃったから、この秘密は私が墓場までもっていくのです。
ゆとと先生が描いてくださるソフィアちゃんは、写真を見せたこともないのにどういうわけか雰囲気がその子にそっくりで。
コミックを見るたびに「似てる」とニヤニヤしてしまいます。




