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名もなき創作家たちの恋  作者: おじぃ
2007年4月上旬 里山公園で取材

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74/307

アニマルちゃんは人間の本質を見抜く

 ゆっくり存分に春風を浴びてティータイムを満喫したあと僕らは、公園内の散策を始めた。


 ローラー滑り台の乗り口から見下ろす黄緑の原っぱ、花壇に咲くパンジー、地べたに逞しく生きる蒲公英たんぽぽ


 花といえば、あと数週経つと浜辺では浜昼顔はまひるがおが咲くだろう。


 ここから海までは10キロもないけれど、こうも景色が違うものかと改めて思った。


 家族連れのために整備されたエリアから、茅ヶ崎元来の里山風景が広がる柳谷やなぎやとエリアへと坂を下って入る。途中、昨夏美空といっしょに猫と戯れた東屋が左手にあった。


 元気にしてるかな?


 美空も同じことを想っていたのか、歩きながら東屋をまじまじと見ていた。


「どうしたの真幸と美空ちゃん。東屋にインスピレーションを感じた?」


 友恵に問われたので、僕はあの日のことを話した。


「ねこ!? 会いたい! どこにいるにゃ!?」


 友恵、下ネタじゃないのに大興奮。


「友恵、ネコには目がないのよね~。ネコも友恵に懐くし」


 三郎が言った。


「ふんふん、みんないいこなんだね。アニマルちゃんは人間の本質を見抜くから、悪い人にはあんまり寄ってこないんだよ」


「それ聞いたことある! 私いいこだからね! 私とヤればいい子宝に恵まれるよ!」


 この中で心身ともに男は僕しかいない。友恵は誰に目配せしているわけではないけれど、僕へのメッセージとして受け取らざるを得ない。


「あー、うーん……」


 友恵なら養育費も申し分ないんだろうなぁ。


 って、僕はナニを考えてるんだ!


 いや、でも養育費は大事だぞ。もし将来そういう機会があったとして、安全日に避妊具を装着して営んだとしても子宝に恵まれる可能性はあるわけで。


 そのとき収入や資産が絶望的だとしたらこれはもう大変。


 責任、取ってよね?


 ごめんムリ。


 なんてことになりかねない。


 しかし日本人がハジメテを経験する年齢は一般的に16歳から18歳、だと思う。たぶん。


 まずいぞ、僕はモテないかもしれないけれど、無差別イーターの友恵はそこに突起物があればまたがりかねない。しょんぼり倒れていたら無理矢理起立させかねない。学校の休み時間やこのような出先で眠っている間に既成事実をつくりかねない。友恵なら、モテない僕にも可能性はある。


 あぁ、なんということだ。僕は知らぬ間に父となってしまうのか……。

 明けましておめでとうございます!


 本年もよろしくお願いいたします!

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