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規格外な魔力量で異世界成り上がり!  作者: あだち りる
第二章「滅びの魔女さんと!」
15/31

15「喧嘩!」

と、いかんかん。

俺のメインヒロインは既にガブリエルちゃんと決めているではないか。

俺はあんな優柔不断なハーレム主人公の様にはならないからな!


廻がそんな覚悟を決めていると、ネスとルナが姫様の前に行く。


「おぉ!ネスにルナ!

久し振りだねー!元気だった?」


と、あっけらかんとしている姫様。

そんな姫様に対して、ネスは姫様の右肩に腕をポンとのせ、ルナは左肩にのせる。

そして二人は息を思いっきり吸い、叫ぶ。


「「心配かけさせないでこのバカ姫ー!!」」


「うおうるさっ!」


姫様は耳を両手で抑える。

まぁ、そりゃこうなるよね。

と、廻は苦笑いを浮かべたのだった。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 ̄ ̄ ̄

客間に行き、ふかふかソファに、全員座る。

姫様は右にネス、左にルナに挟まれた形で真ん中に座る。

エリエルは右にガブリエルは左に、その目の前のソファに座る。

俺はと言うと、一人だけ誕生日席である。

そして姫様に、これまでの経緯を話した結果。


「ごめんちゃい☆」


こっちの世界って以外にテヘペロやる人多いんだなぁ…。


と、廻はそんな事を思いながら、ルナに胸ぐらを捕まれている姫様を見ていたのだった。


ネスとルナがやっと落ち着いた所で本題である。


「で、お師匠様はどんな話をしに来たの?」


そうそれ、俺も気になってた。


「そうでした、そうですね。

では、一つだけお願いしたい事があります」


エリエルは深呼吸を挟み、本題について語る。


「私の娘のガブリエルを、姫様の元へ預ける訳には行かないでしょうか?」


「「「ッ!?」」」


姫様以外の三人が面食らう。

だが、廻の顔には同時に笑みも浮かんでいる。

その理由は、考えるまでもなく、ガブリエルと一緒に暮らせると言う事実に歓喜しているのだ。


「いーよ!」


「「軽!?」」


そんな、三人に対して、姫様は笑みを浮かべて軽く返答、ネスとルナは再び驚愕。

何かこの二人のキャラぶれてきてないか?

何て言う事を思いながら俺は苦笑いを浮かべていると、ネスが突然立ち上がる。


「姫様!よくお考えください!

この人は、いや、人と呼んでいいかもわからない。

この『化物』が、どれ程危険なのか」


ネスは冷めた目でエリエルを見下す。


「別にそこまで言わなくても…」


と、廻がホローを入れようとした瞬間、それを遮るかの様にネスは言葉を廻に投げる。


「廻、君だって知らない訳じゃないだろ?

この『化物』がどんな事をしたのか。

この化物の物語が、どれ程の悲劇だったか。

この『化物』が、平々凡々と生きている事に僕は虫酸が走るよ…嫌ってくらいに」


ネスの顔には憎しみしかなかった。

拳を握り締め、歯を噛み締めている。

その瞳には、憎しみ、拒絶、全てを宿していた。

そのせいで、エリエルはとても辛そうにしていた。

今にでも泣きそうなくらいに。


そんな、ネスの言葉を聞き、エリエルの表情を見た廻は、立たずにはいられなかった。

理由は、とある一言にあった。


「ネス…お前今、なんつった?」


額にしわを寄せて廻は問う。


「聞こえなかったのかい?ならもう一度言うよ?

僕はね、この女が生きている事に虫酸が走るんだよ!!」


「ネスてめぇッ!!」


廻はネスの胸ぐらを掴もうとする。

だが「っ!」廻の右腕はネスに掴まれ、そのまま右に投げ、廻の体は一回転する。


「ガハッ!」


その衝撃で廻はむせる。


「廻、僕は君に危害を加えたくないんだ。

頼むから、こんな『化物』の味方をしないでくれ」


「くっ…ゴホっ…!」


廻はむせながらも姿勢を戻して顔を上げる。

廻は感じている、いつものネスと確実に違うと、あの心優しい少年の姿なんかではない、その姿は、殺意で埋め尽くされていた。

その行き先は言うまでもなく、エリエル。

だが、廻はそんな中でも、挫けなかった。


「何が『化物』だ…ッ!

俺は『化物』の味方何かしてねぇ…。

『人』の味方をしてんだよ…!」


「『人』…?

この『化物』がかい?」


「ここにそんなのはいねぇ!!

いるのは、優しい女の人だけだろ…?」


「ッ…!!」


エリエルは、ばっと顔を上げた。

その廻よ台詞に、顔を上げざるを得なかった。

その優しい言葉を言う少年に。


廻のその言葉を聞いて、ネスは、腹の底から込み上げてくる物があった。


「くっ…ハハハハハ!!

廻!君はこの『化物』を優しい女の人と思ってるのかい!?一度世界を滅ぼしたこいつを!」


ネスはエリエルを指差す。


「あぁそうだよ!!

お前こそ、聞いてなかったのか…?

その人は…エリエルさんは始めに何て言った?

この子の為だけに力を使うと決めている、って言ったんだよ…。

そんな人がさ…優しくない訳があるか…?

きっと、エリエルさんは後悔した。

世界を壊したせいでな…その間、エリエルさんは悩んだんだよ!

何十年…いや、何百年…それ以上かも知れない。

それだけの時間悩んでんだよ!

今のエリエルさんを見て俺はそう思ったよ。

じゃなきゃ、自分の子供を守る何て…言えねぇだろ…?」


廻は優しい笑みを浮かべて言った。

廻を見ていたエリエルは、泣いていた。

両手で顔を抑えて、押さえきれない涙を溢していた。

その姿を見ていたガブリエル。

先程まで、怒りの表情でネスを睨んでいたはずが、今は涙を溢している。

ネスは少しの動揺を見せる。


「ネス、その辺でいいんじゃない?」


ルナはフッと笑いながら言う。


「だね…まったく、廻には敵わないな。

もういいよ、僕からは言うことはない」


ネスはやれやれ、と笑みを浮かべる。


「じゃあ!」


廻は期待と同時にネスニに詰め寄る。


「あぁ、僕はガブリエルさんを住まわせることを認める。

それに、ガブリエルさんには何の罪もないしね」


ネスはソファにお尻を戻す。


「んん~!良かったな!」


廻はガブリエルの方へと視線を変えて、涙を浮かべて喜ぶ。


「はい…!」


廻を見て、ガブリエルは涙を拭いながらそう返事をした。


「ネスって、性格が悪いよね」


「ちょっと姫様!?」


「それは私も同感」


「姉さんまで…。

はいはい、どうせ僕は悪者ですよ」


そして、ガブリエルは城に住む事になった。


「あ!いいこと思い付いた!」


と、姫様は、ピコン!、と言う効果音が鳴った様な顔をする。


「いいこと?」


その言葉に疑問を重ねるのはルナ。


「どうせならお師匠様も一緒に住んじゃおうよ!」


「………」


客間に沈黙が訪れる。

そして…姫様以外全員が


「「「「「はいいいいいいいい!?」」」」」


叫んだ。

まぁ…色々話し合った結果、二人とも城に住む事になりましたとさ。

何かすごい展開だなおい…と、ツッコミをせずにはいられない廻であった。

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