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探偵のオペラ【8】


 しばらくパイプ椅子に座って、受付にいた愛梨や陽葵、史也や風斗、他の名前の知らない劇団の団員が舞台に大道具などを運んでいるのを眺めていた。

 砂橋は待っているのが退屈だったのか、スマホを起動して少しだけ何やら操作をしていた。


「次のパスワードは何にするつもりだ?」

「何にしようかな」


 俺も暇だったため、砂橋に世間話を投げかけた。


「弾正は?次のスマホのパスワード、何にするの?」

「そうだな……一夜城関係の武将だな」

「ふーん……どうしようかなぁ。まだ決めてないや」


 お互い、実のない会話をしていると風斗が舞台のぎりぎりに立って、こちらに声をかけてきた。


「弾正先輩、砂橋先輩、お待たせしましたっす」

「もうリハーサル開始するの?」


 砂橋は風斗に質問しながらスマホの電源を切った。


「はい!今回の話は兄さんがオペラ座の怪人をイメージしながら考えたんです。原作とはちょっと違いますが、楽しんで見ていってください!」

「楽しみにしている。緊張せずに頑張ってくれ」

「ありがとうございます!」


 風斗は満面の笑みを浮かべて、上手側へと帰っていった。


「……弾正の知り合いにあそこまで素直な後輩がいたとはね」

「俺も何故懐かれているのか分からないでいる」


 どこからか「ブーッ」という音が観客席と舞台に響き渡り、照明が暗くなる。


 砂橋も俺と話を続けることもなく、舞台へときちんと目を向けていた。このまま静かに観劇してくれるだろうとほっとして、俺も舞台に目を剥けた。



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