79 水餃子
窓の外に降る雨をボーと見て今日もお家でゴロゴロしている。
先日、オディロンさんの腕の再生を成功させてルミエールとお爺ちゃん先生に太鼓判をもらえた。アイテール様にも「良く頑張ったね」と誉めてもらって五歳児が鼻高々になっていたんだよね。
「ただし、魔力を大量に使っただろうから体調の様子見として少しお休みを取らないといけないね。お家でおとなしくしててね」
アイテール様にガッツリ釘を刺されてしまった結果、お家でゴロゴロしている。
「レイラ、暇そうだね」
ディザがクスクス笑いながら一緒に外を眺める。
「ひま……」
体調の様子見を始めて3日目、既にお家遊びに飽きてしまった。図書室の探険は早々に終わらせてしまったし、カネルの双子の息子ニッキとカシアとのかくれんぼも飽きてしまった。
『レイラ、夕飯に水餃子作るか?』
キッチンからウェスタがフワフワと飛んできた。
『暇なんだろ?水餃子を皮から作って食べるとうまいぞ』
なんと、皮から!しかも焼き餃子じゃなくて水餃子!
「作りたい!」
と言うわけで、ウェスタとディザと三人で水餃子を作ります。
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[水餃子の皮]ー30枚分
強力粉 3カップ
塩 小さじ1
水 1カップ
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『まずは、強力粉と塩、水を混ぜるぞ。10分から15分くらいかな』
強力粉に塩を混ぜて水を少しずつ入れながら混ぜていく。ある程度混ざるまでは木ベラや菜箸で混ぜた方がいいみたい。
『ある程度まとまってきたら、打ち粉をして捏ねる』
ダイニングテーブルにシートを敷いて打ち粉をすると、ディザと交代しながら頑張って捏ねる。
「はぁ、まだこねるの?」
小さな体で捏ねるには椅子の上に立って全身の体重をかけないといけないから息が切れてジワリと汗もかいてきた。
『もう一息だな、頑張れ』
ウェスタが様子を見ながら応援してくれる。
「レイラ、代わるよ」
ディザと交代して少し休む。また、少し身長の伸びたディザはグイグイと捏ねるのも余裕みたい。
『よし、そんなもんでいいかな。そしたら、ボールに戻して濡れ布巾をかけて1時間寝かせてあげよう』
「寝かせるとどうなるの?」
『水分が粉に行き渡ってツルツルになる』
膨らむ訳ではなかった。
『その間に水餃子の具材とタレを作るぞ』
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[水餃子の具材]ー30個分
豚挽き肉 200g
白菜(中) 1/8株
ニラ 1/2束
ネギ 白いところ1/3くらい
生姜すりおろし 小さじ2
醤油 大さじ1/2
酒 大さじ1
ごま油 大さじ1
片栗粉 大さじ1
砂糖 小さじ1
こしょう 少々
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『まずは、白菜をみじん切りにして塩-小さじ1(分量外)をふって良く混ぜる』
ディザと白菜を刻んでいくとボール(中)に山盛り白菜のみじん切りが出来上がった。
『よし、次にディザはネギのみじん切り。レイラは、ニラを1センチくらいに刻んで行こう』
ネギとニラの独特な香りが充満する。
「手が臭くなるね」
ディザがアハハと笑いながらネギのみじん切りを作る。
『混ぜ合わせるからこっちの大きなボールに入れてくれ』
ボール(大)にネギとニラを刻んで入れていく。
『調味料を計って入れるぞ。生姜はお好みで増やしてもいいし、少しニンニクのすりおろしを入れても良いだろう』
調味料を入れ終わったら白菜の様子を見る。
「半分くらいになっちゃった」
ボール(中)に山盛りあった白菜が半分くらいになっている。
『塩の浸透圧で水分が出たんだ。この水はしっかり絞ること。具材がベチャベチャになっちゃうからな』
ウェスタが風魔法でギュウっと水を絞るとかなりの量の水分が出てきた。
『後は、挽き肉を入れて手でしっかり捏ねる。手の熱で肉の油が溶けて味がしっかり染み込むようにな』
水餃子の具材が完成すると次は、タレを作る。
『今日は、醤油ダレと味噌ダレの2種類作る』
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[醤油ダレ]
醤油 大さじ2
豆板醤 小さじ1/2
酢 大さじ2
砂糖 大さじ1
ごま油 小さじ1
ラー油 少々
生姜の千切り(新生姜がおすすめ)
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[味噌ダレ]
味噌 大さじ1
豆板醤 小さじ1
唐辛子 小さじ1(韓国唐辛子がおすすめ)
ごま油 小さじ1
醤油 小さじ1
お酢 小さじ1
ニンニクすりおろし 小さじ2/1
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それぞれ、計量して混ぜていく。
『生姜のみじん切りは、食べるときに一緒に添えると旨いんだ』
つけダレも完成したところで皮の作成に入る。濡れ布巾を取るとツルツルな表面になったタネを打ち粉をしたシートの上に乗せて棒状に伸ばしていく。
『これを、切り分ける』
風魔法で均等に切り分けるとその上に軽く打ち粉をして丸くなるように両手で丸めていく。
『凄く、くっつきやすいから打ち粉を忘れないようにな』
丸めたタネを置くのにも打ち粉の上に必ず置く。これ、重要!すぐにシートに貼り付いてしまうからだ。(ラップの上でも凄く貼りつきます)
『丸めたら両手で押し潰して平たくする。そうしたら、粉をまぶした麺棒で回りを伸ばしていく』
回りだけ伸ばして真ん中はポコッと伸ばさずに残しておく。(空飛ぶ円盤的な形に成形する)
『包むときに、端が厚いと食感が固くなるからな』
直径10センチくらいに伸ばしたら打ち粉をしておく。(広い場所で作るときは重ねない方が良いです。少しするとくっつきます)
『よし、皮が出来たら包んでいくぞ。皮の真ん中にタネを乗せたら半分に折って天辺をキュッと押さえる。次に両サイドの皮をY字にしてキュッとくっつける。これで完成』
水餃子は、ヒダを作らないらしい。それから、手作りの皮なのでお水無しでくっつく。
(形は上から見ると >-< こんな感じに仕上げる)
水餃子を包むのに苦戦していたらルミエールが帰ってきたから手伝ってもらう。
「これは難しいですね。皮が柔らかい上に具材がはみ出ると皮がくっつかなくなります」
ルミエールも笑いながら苦戦している。具材が皮の端にくっついて皮がキュッと合わせられなくなったら打ち粉を少し振ってキュッとするとくっつく。
「出来たぁ!」
60個全部を包み終わる頃、ちょうどアイテール様とヴァンが帰ってきた。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
久しぶりに水餃子を作ったのでレシピで乗せてみました。
お家で水餃子、少し手間がかかりますがとても美味しいのでお試しください。




