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77 お勉強の日〔ルミエール〕

「あぁ、おまちしてましたよ」


【空の国】のギルドへ行くと、ジーノさんが出迎えてくれた。


「お久しぶりですね。レイラさん、特殊採取依頼いつもありがとうございます。本当に助かっているんですよ」


ジーノさんが膝をついて目線を合わせてくれる。


「それでですね、早速ランクが上がりましたのでギルドカードをお預かりしても良いですか?」

「え?もうランクが上がったの?」


ビックリする私をよそにジーノさんは、カードを預かると手続きを始めている。


「こちらになります」


ジーノさんが手続きが終了したカードを渡してくれる。


「えっ!シルバー?」


そう、カードの色がシルバーになっている。と言うことは、Fランクから一気にCランクに成ってしまったと言うことだ。


「まぁ、妥当なんじゃない?採取依頼と言ってもBランクやAランクの依頼も結構したからね」


ディザは「もう少し上がっているかと思った」と言っているし、ヴァンもそれに頷いている。


「もう少しでBランクになりそうですから、頑張って下さいね。あぁ、今日の回復魔法の練習でランクが上がるかもしれませんね」


ジーノさんにまで言われてしまうと多分そうなのだろう、と受け入れることにした。


「さて、先程ケガをして帰ってきた冒険者が医務室に居ますから。早速、練習に行きましょう」


ジーノさんに案内されて医務室に入ると男性の呻き声が聞こえてきた。


「グッ…イタッ…イダダダダ」

「表面の傷は大したことないが、バキバキに折れとるな」


覗いてみると冒険者のお兄さんを白衣を着たお爺ちゃん先生が診察していた。


「失礼します、フリオ先生。先程お願いしました回復魔法の練習をしたいと言うお嬢さんをお連れしましたよ」


こちらを振り向いたらお爺ちゃん先生はニッコリと笑うと頭を撫でてくれた。


「これはこれは、予想より大分幼いお嬢さんですなぁ。しかし…魔力は問題無いようだ」


ウンウンと頷くと自己紹介をしてくれた。


「ワシは、このギルドの医務室の室長をしているフリオじゃ。先程、ジーノから話は聞いておるよ。ワシもお嬢さんの練習に手を貸そう。ただし、1つ条件がある。オディロンの所へ行く時は、ワシも同席する」


オディロンさんの事も聞いているんだ。どうしたらいいんだろう?と考えていたらヴァンが頭をポンポンとして「大丈夫だ」って言ってくれた。


「私は、レイラって言います。フリオ先生、よろしくお願いします。」


頭を下げると「こちらこそ宜しくな」とお爺ちゃん先生が笑ってくれた。


「それじゃあ、早速だが。こやつの骨折から治療していこう。外側の怪我はかすり傷程度だが、骨は複雑骨折をしておる」


手招きされて先程、呻いていたお兄さんを見ると右の膝下辺りから酷く腫れていて紫色になっている。


「先ずは、骨折の具合を観察もしくは《パースペクティブ》で見る。では、やってみとくれ」


パースペクティブって透視で合ってたかな?ちょっと自信が無かったからルミエールに確認したら間違いなかった。


《透視》


あっ、骨が細かく折れている。どうしたらこんな折れ方をするんだろう?首を捻っていたらヴァンがお兄さんに聞いてくれた。


「あ~、Cランクの討伐に行っていたらラギアって言う魔獣が現れて尻尾で凪ぎ払われたんだよ」

「それは運がなかったな」


ヴァンの説明だと想定外の高ランクの魔獣と遭遇してしまって逃げる際にケガをしてしまったそうだ。


「えっと…回復魔法かけますね?」


お兄さんに許可を取るとビックリされてしまった。


「え?君が回復魔法かけるの?」

「おぉ、説明してなかったのう。彼女の練習に付き合うなら回復魔法の治療費は無料じゃ」


お爺ちゃん先生が説明すると「無料ならお願いします」と快諾してくれた。


「じゃあ、はじめます」


《透視…ヒール》


透視の魔法を発動して骨の状態を見ながらヒールをかけて少しずつ治していく。


「ふぅ…大丈夫だと思います」


ウッカリ止めていた息を吐き出してお爺ちゃん先生に報告すると「バッチリじゃ」と太鼓判を頂けた。


その後も腕をパックリ切ってしまったお兄さんや脳震盪で運ばれてきたお姉さん、胃潰瘍のおじさん等を治療した。


「ふむ、ある程度の怪我は大丈夫じゃろう。病人の時は先程のようにパースペクティブで透視をして悪いところを治療する。良く分からない時には相談に来なさい」


ヴァンに連絡を頼めば良いことになり、取り敢えず合格を頂くことが出来た。


「たまには練習に来るんじゃよ」


ニッコリ笑っているお爺ちゃんにお礼を言ってオディロンさんの所へ行くことにした。



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