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いつもお読みいただきありがとうございます。

今日は、2話一緒に投稿しています。

今夜は、アイテール様のお仕事が早く終わってみんなで夕飯を食べることが出来た。


夕飯のメニューは、トメトのシーフードリゾットとエビのカクテルサラダ、豚のバルサミコソース添え。デザートは、オレンジとハーブのゼリーだった。


私は、アイテール様やルミエールに今日の出来事をご飯を食べながら報告する。【空の国】で空に船が浮かんでいて驚いたこと。オディロンさんとジーノさんが良い人だったこと。属性測定の時、掌がくすぐったかったこと。それらを一生懸命伝えようとする私を皆が温かく見守っていてくれる。


今の生活がとても幸せ…。


ふと、心が温かくなった気がした。目を上げると皆の目が嬉しそうな気がした。


デザートまで食べて、みんなが紅茶を飲みながらリビングのソファで寛いでいるとアイテール様が高そうな宝石箱を取り出して中身を見せてくれた。


「レイラの初仕事のお祝いに腕輪をプレゼントしたいと思ってね、用意してみたんだ」


中には綺麗な細工がしてある腕輪が並べてあった。


「わぁ、綺麗」

「好きなものを選んでいいからね」


自分で買おうと思っていたから、そう言われると少し戸惑ってしまう。


「レイラ、こういうところはアイテール様に甘えてあげないとね」


ディザにコッソリ言われて改めて腕輪を見る。


大人っぽい綺麗なデザインとシンプルなデザインがあるが、私が気になったのはピンクゴールドの地金にセンターには瑠璃色の石と花や蝶が石であしらわれている可愛らしいデザインの腕輪だった。


「これが気になるの?レイラは、花と蝶が好きなんだね」


ディザに言われて気がついた。今日、買って貰った転送用のカゴにも花と蝶のデザインがしてあった。


「ほら、腕に嵌めてごらん」


アイテール様に言われて手を通してみると、手首の所でキュッとサイズが小さくなった。さすが魔道具、サイズもピッタリになるんだね。


「可愛い…」


まだ、細い手首に対してバランスの良い太さで尚且つ可愛らしい。これはもう、一目惚れと言うものだろう。


「良く似合っていますよ。魔石も小さい物が沢山ついている方が良いんじゃないですか」


ルミエールも誉めてくれる。隣でニコニコと見守ってくれていたアイテール様を見上げる。


「アイルパパ、私。これがいいな」


そう言うと、アイテール様は私を膝の上に乗せてうんうんと頷く。


「その腕輪は、可愛らしくてレイラに似合うんじゃないかな。と思って選んだんだ」

「パパ、ありがとう」


アイテール様に抱きついてお礼を言うとギュッと抱き締めて「どういたしまして」と言った後、私の腕輪を一度外した。


「じゃあ早速、腕輪に加護をつけようか」


皆がうんうんと頷いているけど、どういうこと?と首を傾げていたらヴァンが説明してくれた。


「子供が初めて腕輪を貰ったら、家族の皆がその腕輪に加護を与えるんだ。その為に子供用の腕輪には細かい魔石が沢山ついてるだろ」


確かに、細かい魔石が集まって花や蝶を形作っている。これら1つ1つに加護を付けられるんだって。


「じゃあ、私からは天空の加護を」


アイテール様が腕輪に加護を入れるとフワッと金色の光が溢れる。落ち着くとディザに腕輪を渡す。


「僕からは、世界樹の加護を」


ディザの加護の光は淡い緑色だった。次のヴァンは風と雷の加護を、ルミエールは、光と回復の加護を付けてくれた。


加護を与えられた魔石は、キラキラと光っていてとても綺麗だ。


「レイラ、真ん中の緑色の魔石はアイテムボックスとして使えるからね」


アイテール様にサラッと言われて驚いてしまう。自分の空間魔法を展開してアイテムボックスを作るより簡単だから皆、腕輪にその機能を付けているそうだ。


「ギルドカードと一緒で血を1滴垂らして個人登録をするんだよ」


ディザに言われて、ビクッとする。あの針でチクッとするの結構、痛いんだよね。


「大丈夫ですよ。今回は、私がいますからね」


そう言うと、ルミエールが私の側に膝をついて手を取る。


《アナスシージャ》


そう唱えると私の指を針でプスッと刺す。


「あれ?痛くない」


溢れてきた血を一滴、緑色の石に垂らす。パシィンと光って登録が終わったようだ。


《ヒール》


白い光が指の回りでフワフワして消えた。傷が無いか確認をしてルミエールがニッコリ笑った。


「痛くなかったでしょ。先に麻酔をかけて針を刺しましたからね」


なるほど、光魔法は麻酔や回復魔法が使えるんだね。今度、ルミエールにも魔法を教わっておこう。特にヒールって知っている魔法だから、呪文も《ヒール》がいいな《癒す》じゃ格好悪い。

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