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デザートの話が盛り上がっている間にも、夜もだいぶ更けてきた。楽しいパーティーもそろそろ終わりみたい。ちょっと寂しいけど皆をお見送りしなくちゃ。


「今日は、美味しい料理とデザートをありがとうな。大きくなったら一緒に酒も飲もうな」


そう言ってバッカス様が頭を撫でてくれる。


「それから、これは今日のお礼。俺からの加護」


上からオレンジに輝く光の粒が降ってきた。


「次は、私の加護ね。レイラちゃん、デザートとても美味しかったわ。今度は、一緒に食べに行きましょうね」


オンディーヌ様は、そう言うと抱き締めてくれる。青い膜のようなものに一瞬覆われると消えていった。ティターニア様は、私の両頬をてで包むと上から光る花が降ってきた。


「私からも加護をあげる。オンディーヌとデザートを食べに行くときは私も呼んでね」

「私からも加護を。とても料理が美味しかったよ。また、遊びに来るね」


バルドル様が膝をついて両手を握ってくれると光がフワッと溢れて消えた。


「レイラ、何かあったら俺の名を呼べ。アイテールより戦力は高いからな。俺からの加護だ」


アレス様が私の頭にキスをしてくれた。赤い光が体を包むと消えていった。


「えっと、みんなありがとう。また、遊びに来てね」


そう言うと、アイテール様が抱き上げて「良くできました」と頬っぺにキスをしてくれた。


「本当にアイテールが子煩悩になったのが見れたし、今日は楽しかったぞ。また来るな」


バッカス様がそう言うと、みんな手を振った後フッと消えた。


「はぁ、やっと帰ったな」


アイテール様が「疲れた?」と聞いてくるが、楽しかったから疲れは感じていない。


「とっても楽しかったの。あとね、狐族の領地へ行くのがとっても楽しみになった」

「アハハ。レイラは狐族の領地が気になってしかたがないんだな」


ディザも私の頭を撫でてくれる。


「【獣王国の世界樹】の世代交代まで、後3ヶ月くらいあるから。その前にギルドでお小遣いを稼がないとね」


フォッ。お小遣い稼ぎの事をすっかり忘れていた。ギルドに行ってまずは、登録しなくちゃね。


「その前に、ここのお片付けしないと…」


と、パーティー会場を見ると。小人さんがお皿を端からパッと消しているところだった。ベッドのシーツも数人がかりで外すとパッと消えた。


「片付けはブラウニー達がしてくれるよ。お仕事を取っちゃだめだ。それから、あまり見ちゃダメだよ」


アイテール様がそう言ってお家に入る。ディザがブラウニーについて説明を補足してくれる。


「レイラ、ブラウニー達にお仕事をしてもらったらお礼は牛乳を部屋の隅に置いておくんだよ。仕事姿は、見られたくないんだって」


妖精さんにもお約束があるんだね。でも、ホームパーティーの後片付けが無いなんて素敵システム。


「ブラウニーにお礼をレイラもしたいの。一緒にクッキーとお手紙置いてもいいかな」

「アハッ、きっとブラウニーが喜ぶよ」


何を想像したのか肩をプルプルさせて笑っているアイテール様は置いといて。ブラウニーへお手紙を書く。


ーーーーー

~ブラウニーへ~

きょうは

おかたづけしてくれてありがとう。

クッキーもいっしょにたべてね。  


レイラ

ーーーーー


ダイニングの隅に、牛乳とクッキーとお手紙をお盆に乗せて置く。


「さぁ、今日は早くお風呂に入って。もうお休み」


ディザとお風呂に入って、今日は寝ることにした。いつもよりだいぶ、遅い時間になってしまった。


「おやすみ、また明日来るね」


アイテール様がいつものようにおでこにキスをしてくれると、あっという間に眠ってしまった。



その日の夜中、ダイニングでブラウニー達が小躍りしていたのはまた別のお話…。

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