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誰かに頭を撫でられてフッと目が覚めた。辺りは蝋燭が灯ってオレンジ色の世界だった。


「目が覚めたか。よく眠れたか?」


声のする方を見ると、アレス様が隣で寝そべってお酒を飲みながら頭を撫でている。


「うん。よく寝た」


そう言うと


「レイラ、起きたの。そろそろデザートにしようか」


反対側からアイテール様の声がして隣にはディザがカネルを呼んでいる姿も見える。


何故か、ベッドの上で皆が思い思いにお酒を飲んでいてゴロゴロしていたみたい。私を囲まなくてもいいと思うんだけど。


即席でベッドの真ん中にテーブル代わりの台を置いて、カネルがササッとデザートと紅茶を用意してくれた。私の両側にはオンディーヌ様とティターニア様が陣取って運ばれてくるデザートに歓声を上げている。


「やだ、このカップに入っているケーキ可愛いわ」

「ホント、可愛らしいわね」


私が作ったカップのトライフルケーキが気になるようだ。


「それ、レイラが作ったの」


そう言うと「えっ、凄い」と二人がケーキを食べて「美味しいわぁ」と喜んでいた。私もトライフルケーキを食べてみる。ベリー類が丁度いい酸味で美味しい。クリームチーズをヨーグルトにして柑橘系のフルーツで作っても美味しそう。


バッカス様やバルドル様も紅茶を飲みながらデザートを楽しんでいる。アイテール様とディザとアレス様は、デザートを食べてスイーツ男子よろしくデザート談義に花を咲かせている。


「レイラちゃんは、デザートでは何が好きなの?」


オンディーヌ様に聞かれて考える。


「アイスクリームやクレープも好きだけど、白玉あんみつとか桜餅とかも好き」


そう言うと、二人は目を輝かせて詰め寄ってきた。


「アイスクリームとクレープは聞いたこと有るけど、白玉あんみつと桜餅は聞いたことないわ」


なるほど、和菓子はあまり浸透していないのかな。


「前の世界の甘味なんだけど。狐族の領地にもないのかな?」


オンディーヌ様は、隣国だが狐族の領地には行ったことがないそうだ。


「私も狐族の領地は、行ったことがないわね」


ティターニア様も行ったことがないみたい。あまり有名じゃないのかな?と首をかしげていると、バルドル様が笑って声をかけてくれた。


「狐族の領地は、どちらかと言うと静養地だからオンディーヌやティターニアは行く機会が無かったんじゃないか?」

「バルドル様、もしかして温泉とかあるのかな?」


私が聞くと、ちょっとビックリして「あるよ」と答えてくれる。狐族の領地は、きっと温泉街で療養に行く人がメインなんだ。ますます、行きたくなった。


「レイラは、狐族の領地へ行くのをずっと楽しみにしているんだよ」


アイテール様が言うとバッカス様が


「へぇ、あそこは地酒も旨いらしいからな。俺も行こうかな」


と言い出した。地酒とは、日本酒か。もしくは、焼酎かな。


「土産は買ってくるから、今回は付いてくるな。世界樹の世代交代だから、他国の王族も来る。お前達が来たらホントに混乱が起きるぞ」


アイテール様が苦笑混じりにバッカス様に言うと「確かにな」と納得したようだ。オンディーヌ様とティターニア様も行きたかったようで「残念ね」と言っている。


「オンディーヌ様、ティターニア様。レイラもお土産買ってくるから楽しみにしててね。狐族の領地もよく見てくるから甘味処が見つかったら一緒に行ってくれる?」


首をちょっと傾げて聞くと二人が両側から抱きついてきた。


「もちろん、行くわ!」

「絶対、約束よ!」


と、言われてビックリした。お二人のお胸がキモチイイです。

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