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【書籍化】家族と移住した先で隠しキャラ拾いました  作者: 狭山ひびき
ラスボス☆ダ~リンは譲りません

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お見合いパーティーと乱入者 4

お気に入り登録、評価などありがとうございます!


 マリッジブルーどころか、それの未満も未満、お見合いパーティーブルーな、ふざけたことを言うお兄様はそのあと完全に家族に無視をされて。

 朝食を終えたわたしたちは、昼からはじまるお見合いパーティーの準備に取り掛かった。

 すでに使用人たちが庭にテーブルと椅子をセッティングしてくれていて、キッチンではパーティーに出す軽食などが着々と作られている。

 お餅をアピールするのだと言い出したお父様たちによって、昨日つかれたお餅を使った料理やお菓子もあった。

 うちの国の貴族は新年パーティーで食べたからおなじみだろうけど、国外から訪れる人の反応はどうだろうか。


 ……これはまた、新年パーティーのようにお餅アピールが必要かしら?


 なんて思いながら、キッチンに行ってつまみ食いさせてもらったのは内緒である。お餅はね、作り立て一番おいしいのよ。

 冷めたら美味しくないから、容器に一応保温の魔術もかけておくけど、やっぱり、作り立てよりは味は一段落ちる。ま、それでも美味しいけど!


 薄いグリーンのテーブルクロスが目に楽しい庭では、一足早くに手伝いに来てくれたアンネリーエがティーカップの数の確認をしてくれていた。

 今日のアンネリーエは、薄ピンクの華やかなドレスの上に、お見合いパーティー参加者ではないことを示すため、白いふりふりのエプロンを身に着けている。


「ありがとうね、アンネリーエ。お礼に、お兄様が作った『乾く君』の試作品を一つプレゼントするわ」

「それが何かはわかりませんけど、キール様が作ったものなら何でも貰って毎日拝みます」


 アンネリーエも徹底していると思う。


「拝まないで使って……」


 アンネリーエのお兄様へのファン心が天元突破して崇拝までしはじめている。怖いから戻ってきてほしい。このままなら宗教すら起こしそうだから。


「それにしても、今日のキール様はアンニュイで素敵ですね」

「パーティーがはじまれば、いつものキラキラ笑顔に戻るわよ」

「それもそれで素敵です」


 なんでもいいのか。

 わたしは、はあ、とため息をついて、テーブルの上に飾られている花を確認しに行った。

 うちの使用人たちはみんな優秀だから、花がしおれているなんてことはないでしょうけど、こういう最終確認もお仕事の一つなのである。

 主人一家からオッケーが出てはじめて使用人たちは安心するらしいからね。


「お嬢様、早く来てください。お化粧をはじめないと間に合いませんよ」


 わたしを探しに来たギーゼラが、こちらに駆けてきながら言う。

 今日は他国の方々も来るから、わたしは聖女として注目されるのだ。

 そのため、ギーゼラがきつさ二割減メイクを施すと息まいていた。


「わかったわ。アンネリーエ、ごめんね、ここ任せてもいいかしら? もうすぐお母様が来ると思うから……」

「お任せください!」


 アンネリーエに謝って、わたしはギーゼラに連れられて邸に戻る。


 今日は忙しい一日になりそうだった。




ブックマークや下の☆☆☆☆☆にて評価いただけると嬉しいですヾ(≧▽≦)ノ


今回ちょっと短めなので明日も投稿します!

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