ルード視点 クラウ襲撃に教会が噛んでいるのが判明しました
遅くなりました
俺がクラウを抱き留めたときはクラウは意識をなくしていた。
「クラウ!」
俺は再度クラウを揺すってみた。
幸いな事にクラウが目を開けてくれたのだ。
「ルード、助けに来てくれて、あ、ありがと」
でも、とても苦しそうだった。
息も荒い。
俺は必死にクラウを抱きしめたのだ。
「すまん。遅くなって! 間に合わなかった」
「ううん、ここに来れて良かった」
クラウは俺にこの学園に連れてきてくれたことの礼を言ってくれたんだけど、そんな事はどうでも良い!
早く元気になってくれ!
でも、クラウの息がどんどん荒くなってきて、目をゆっくりと閉じようとしてくれたのだ。
「おい、クラウ、しっかりしろ!」
俺は叫んでいた。
「ルード、お願い、も、一度、キスして」
クラウが言ってくれた。
俺はほおにキスしようと思って、場所を変えた。
クラウの唇に俺の唇を合わせたのだ。
なんかとても甘かった。
俺が感激したときだ。
クラウがゆっくりと目を閉じてくれたのだ。
「クラウ……」
俺は唖然とした。
嘘だ!
クラウが
クラウが死んだ!
俺は唖然とした。
何で俺がもっと早くクラウの所に行ってやれなかったんだろう!
何で……
そもそも、クラウが俺と違うクラスにいたのがいけなかったのだ。
同じクラスならずっと一緒にいられたはずだ。
それも俺が最初にクラウに勉強を教えなかったからだ。
俺が格好つけて、学園では俺に話しかけてくるなよとか言ったせいだ。
俺がちゃんと教えていたらクラウはクラス分けでEクラスなんか最低クラスにいなかったんだ。
俺が悪い。
俺が……
「クラウ!」
俺はクラウに泣き叫んで再度抱きしめたときだ。
「すうすう」
「ん?」
俺はクラウから音がしているのを感じた。
「すうすう」
「えっ」
この音は、寝息の音!
パリン
クラウに刺さっていたナイフが落ちた。
なんとナイフの刃の部分が無くなっていた。
「えっ?」
服の隙間からは俺のバラバラになったお守りが見えた。
どうやらお守りが呪いの剣からクラウを守ってくれたみたいだ。
俺は慌ててクラウの服を傷口から裂いて、体に傷がないかどうか調べようとしたのだ。
「ルードさん!」
しかし、俺の手は途中で止まった。
後ろから怒り狂ったアデライドの声が響いたんだけど。
「女性が気絶しているにもかかわらず、その服をまさぐるとはどういうことですか?」
アデライドの叱責が飛んできたが、
「違う! 俺はクラウの体が傷ついていないか確認しようとしてだな」
「そういうことは先生と看護師がやります」
氷のようなアデライドの声が響いた。
「ルード様、よろしいですか?」
アデライドの後ろから校医が顔を出してきた。
「いやしかし、校医も男性ではないか」
「神聖な医者になんて言うことを言うんですか。良いから直ちにルードさんら男性陣は外に出てください」
「しかし、クラウは襲われたところで」
俺は文句を言おうとしたが、
「女性の診察に男性は不要です」
そう言うと強引に俺はアデライドに外にたたき出されたのだ。
「そ、そんな」
「ルード諦めろ」
側近のカスパーが声をかけてきた。
「クラウを襲ったクラウの継母らはどうした?」
「騎士達が捕まえた」
「背後関係は」
「今調べているところだ」
「どうやってここに来たんだ。カッセルの奴らは何をしていた?」
「王宮に報告と確認のために騎士を向かわせた」
カスパーが言うのに俺は頷いた。
その後クラウは24時間くらい寝ていた。
医師が言うには体にはかすり傷くらいしかついていないということで、俺の与えたお守りはある程度しっかりと働いたのだ。俺は直ちにもっと強力なお守りを手配した。
俺はクラウの無事な顔を見たかったのだが、中々寝ているクラウの部屋には入れてもらえなかった。
婚約者だと言い張っても、結婚していない若い男が婚約者とはいえ寝ている淑女の寝室に入れるわけにはいかないとはっきりとアデライドに断られたのだ。
代わりに母の騎士のハイデマリーをクラウの護衛でつけることにした。
調べたところ、継母らはロメウス司祭に鉱山から連れ出されたらしい。
教会が噛んでいたのだ。それだけ教会の力が強いということだろうか?
呼び出された国王は慌てて監視体制を強化すると言って帰って行った。
当然、今回の件で教会にも捜索の手が入った。
大司教は逆らおうとしたが、今回の件は皇子の婚約者の殺人未遂に教会の司祭が噛んでいたのだ。
今までもいろいろ教会からみで胡散臭いことがあったのだ。
今回はそう簡単に許すわけはない。
父にも徹底的にやってほしいとお願いしたのだった。
ここまで読んでいただいてありがとうございます
続きは今夜です。
今週中に完結予定です。ここから山場です。
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山場です。
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