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何も知らずにルードの隣の寝室で寝ていました

ぎゃーーーー

また、ルードにほっぺにキスされてしまった。

ど、どういう事?


私は動揺しまくりで部屋に入ったのだ。

意味がわからない。

ほっぺにキスするってどういう意味なの?


私は置いてあった寝間着に着替えて、ベッドに入りながら考えた。


そもそも、私がルードの婚約者であるなんて今日初めて聞いた。

そんなこと、お母様も一言も言っていなかったし。

でも、ルードは知っていたっぽい。


でも、キスしてくるって、まあ、ほっぺだけれど、小さい時はふざけてやったことがあるような気もしたけど……

でも、今するか?

それも私は一応、貴族の令嬢なのだ。

普通は婚約者でも無い……いや、一応婚約者なのか? 婚約者ならほっぺへのキスくらい当たり前なのか?

前世ではそんな経験無いし、この世界でも知らない。まあ、私はまだ16歳だし。

それに待てよ、ルードとは又従兄弟みたいだから、貴族の親戚なら、普通にほっぺにキスくらいするんだろうか? 

欧米ではしそうな気もするけれど。

私は頭を抱えた。


とりあえず、その話はおいておこう。

それよりも私が帝国の皇子様の婚約者だったという点だ。


でも、もし私が帝国の皇子の婚約者だったのなら、もっと周りから、尊重されたはずなんだけど。

少なくても継母たちが知っていたのなら、虐待なんてされたわけないし、父も私にもっと注意を払ったはずだ。

変だ。

まあ、でも、ここは、むかつく、継母らの事はおいておいて、


そもそも私はオイシュタット男爵家の令嬢だ。

貴族だから親が結婚相手を決めるのは問題ない……

事もないけど、貴族だから仕方のない面もある。

当主はお母様だったから、お母様の決定がすべてだ。


でも、我が家は帝国から見れば辺境にある属国の男爵家だった。

宗主国である帝国の皇子様、それも皇太子様の嫡男、すなわち、未来の皇太子様であり皇帝陛下の相手に属国の男爵家の令嬢である私がなるなんて、普通は絶対にない。


そうだ。あり得るわけはないのだ。


判った。今日はエイプリルフールだ。そうに違いない。

四月一日ではないけれど、この世界では、そういう日に違いない。

皇帝陛下もエルザ様も私を皆で担がれたのだ。

今は亡き私の親や祖父母を懐かしんでされたに違いない。

明日になれば普通に戻るのだ。

私はそう思って寝ようとしたけれど……

眠れなかった。


お忙しい陛下や皇太子夫妻が属国の貴族令嬢の私のためにそこまでしてくれるわけはないのだ。

というか、ここは世界で一番高貴な貴人が住まわれる皇宮なんだけど、そこの客室に私はいる。

さっき少し見たら部屋がいっぱいあるんだけど……

私がここにいるところからしておかしい。

本来属国の貴族の令嬢がこんなところ来れるわけないし、来れても従業員部屋のはずだ。

それにさっきは至高の存在であるはずの両陛下と皇太子ご夫妻とお会いして、食事までご一緒したんだけど……ふつう、属国の貴族令嬢なら、お会いするのもままならないはずだ。


まあ、皇太子殿下はお会いするのは二回目だし、皇太子妃様とは更に何回かお会いしているけれど……


それもそうだけれど現実問題として、属国の男爵令嬢が未来の皇后になるなんて絶対にあり得ないと思う。なれても、絶対に魑魅魍魎の跋扈する帝国の社交界を生き残るのは無理だ。

そう、絶対に生きていける気がしない。

まあ、コンスとかポピーとかは助けてくれるとは思うけれど、今の学園でも、なかなか生きていくのは難しいのだ。もっとたくさんの帝国貴族のいるこの帝国の社交界で皇子妃としてやっていけるかというと絶対にやっていけない自信があった。


という事で、明日起きたらこの話は無かったことにしてもらおう。

ルードにキスされた事もあり、ルードの婚約者だったという事をいきなり聞かされた私の頭はパンパンになりすぎてもうそれ以上は考えられなかった。

私はそう思うことにして無理矢理寝たのだ。



翌朝、何故か私はライゼマン公爵家にいるはずのカトリナさんが私を起こしに来てくれた。

そもそもカトリナさんは元々公爵家の侍女でエルザ様が輿入れされる時についてきて皇宮の侍女になっていたのだとか。この前はエルザ様について公爵家に来ていただけだそうで、基本は皇宮侍女だそうだ。


「今日はこれにしましょう」

と言ってカトリナさんは青いシンプルなワンピースを私に着せてくれた。

今日はこれにするということは何着くらいあるのだろうか? 

聞くとまずいような気がしたので聞かなかったけれど。


そこにノックの音がしたので私はそちらの方を見ると、昨夜開けなかった扉だった。

なんか眉を上げてカトリナさんが鍵を開けて扉を開けてくれたんだけど。

「ルード様。この扉はご結婚なさるまでは開けないようにと申し上げましたよね」

「いや、カトリナ。今は君がいるからいいじゃ無いか」

カトリナさんに怒られつつルードが顔を出してくれた。


「えっ!」

私は一瞬固まってしまった。

昨夜ルードにキスされた事を思い出したのだ。

というか、カトリナさんが今気になることを言ったような気がしたんだけど。

何故鍵がかかっていたとはいえ、私の部屋の中からルードが顔を出せたんだろう?



「こちらの部屋って何があるんですか?」

私が聞くと

「こちらは主寝室になります」

カトリナさんが平然と言ってくれた。


「主寝室?」

「そうです。ルード様とクラウディア様がご結婚された後にお休みになられるお部屋です」

「ええええ! と言うとこの私の部屋ってひょっとして未来の皇子妃のお部屋だったんですか」

私が赤くなって聞くと

「さようでございます。エルザ様からはこれからクラウディア様がいらっしゃる時はこのお部屋を使うようにと言われております」

平然とカトリナさんは言ってくれたんだけど……


ええええ! 私、知らずに未来のルードの奥さんの部屋で休んでいたんだ。

私は完全に固まってしまった。


「大丈夫でございますよ。クラウディア様。ここの鍵は私が持っておりますから、ルード様は絶対に開けられませんから」

「いや、あの」

問題はそこでは無いでしょ!

私は大声で叫びたくなった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

未来の皇子妃に向けてまっしぐらのクラウの運命やいかに

今夜更新予定です。

続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾

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しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
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