表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/115

両陛下に真実の愛の本当のところを教えてもらいました

ええええ!

私はもうルードの婚約者になっているの?

私はルードを振り返った。


「いや、その……」

ルードが口を濁してくれた。

「そうだ。連れてくるまでにずいぶんかかったの」

皇帝陛下まで、おっしゃるんだけど。

そんなに前に決まっていたの?

私は全く知らないんだけど。


私はエルザ様を見た。

「まあ、仕方がありませんわ。決まった後、エレオノーレが亡くなったり色々ありましたから」

「えっ?」

その言葉は私にとって寝耳に水の話だったのだ。

「私とルード様の婚約の話はお母様が亡くなる前に決まっていたのですか?」

私は驚いて聞いた。

「まあ、クラウちゃんはやはり聞いていなかったのね。ルードには『早く話しておきなさいよ』って言っておいたのに」

エルザ様はルードにだから言わんことじゃないという顔をされた。


「えっ、ルードどういう事なの?」

私がルードに聞くと

「いや、申し訳ない。クラウが忙しそうにしていたから言いそびれた」

ルードが申し訳なさそうに言ってくるんだけど、


「この子ね。子供の頃、カッセルから帰ってきてから、あなたのことが大好きになっていたのよ」

エルザ様が言われたことが私には信じられなかった。だって、私にあんな風に意地悪ばかりしていたルードが私を好きだったなんて!


「まあ、男の子が好きな子をついいじめてしまうというのはよくある事じゃない」

エルザ様が言ってくれるんだけど……

「それで、この子が8歳の時に婚約者を決める段になって、あなた以外と婚約するつもりが無いって言い張って聞かなかったのよ」

「えっ!」

私は思わずルードを見た。

ルードは目を泳がしている。

なんか絶対に嘘くさい。


でも、陛下も皇后様も否定されないし、二人して頷いていらっしゃるんだけど……


「それで私とエーリックの間ではそうするしかないかということで、一応あなたのお母様の了承も取ったのよ」

「本当ですか?」

私は全く聞いていなかった。そんなことがあったら教えてほしかった。


「あなたにエレオノーレが教えなかったのは、その頃は丁度あなたのお祖母様が亡くなったところでドタバタしていたからではないのかしら。あなたがもう少し大きくなってから話すつもりだったみたいよ。でも、その後すぐにエレオノーレが流行病で亡くなったでしょ。だからあなたに話していなかったんだと思うわ」

エルザ様は説明してくれた。


「あのう、でも、私、当時は男爵家の令嬢で、ルード様の婚約者には到底身分が釣り合わなかったと思うのですが」

私は聞いてみた。


「まあ、元々その方の祖母のエデルガルトは、ライゼマン公爵家の出だ。いざとなればライゼマン公爵家の養子となれば問題はあるまい」

皇帝陛下がおっしゃるんですけど、

「でも、あの祖母は帝国を出奔したのですよね。陛下を振って」

私は思わず口が滑ってしまった。


「クラウちゃん!」

エルザ様に叱責されて

「申し訳ありません」

思わず私は両陛下に頭を下げた。


「いや、誤解しているようだが、エデルガルトの孫のクラウディア、儂とエデルガルトは婚約していたが、別に愛し合ってはいなかった。家のため婚約はしていたがな。

儂は伯爵家の出のこのツェツィーリアの方を好ましく思っていたし、エデルガルトはオイシュタットを愛していたのじゃ」

「「「えっ!」」」

私たち三人はその言葉に唖然とした。


「儂がツェツィーリアを愛してしまったのが早かったやもしれん」

「そうなのよ。それで、伯爵家の私と陛下が婚約できるように、エデルガルト様が一芝居打ってくださったのよ」

両陛下がなんかとんでもないことをさらりとおっしゃってくれたんだけど……


「じゃあ真実の愛というのは嘘なんですか?」

私が驚いて聞くと

「いや、エデルガルトは情熱的な女で、オイシュタットを愛していたのは事実だと思うぞ」

「本当に二人は仲良くしていたわ」

皇后陛下まで言われた。


「私たちはよく4人で遊びに行ったのよ」

「そうなんですか!」

エルザ様も驚いて聞いていた。

「周りを誤魔化すのはそれが一番だったからな」

「じゃあその時から、お義父様とお義母様は相思相愛で」

「そう、オイシュタット伯爵とエデルガルト様も愛し合っていたわ」

「じゃあそのまま結婚すれば良かったのではないのですか?」

驚きから立ち直ったルードが聞いてくれた。


「当時は儂の父もライゼマンの前当主も厳格な方での。到底許されるような状況には無かったのじゃ」

皇帝陛下はおっしゃられた。

「でも、お義父様。それではオイシュタット家の降爵は必要なかったのではないのですか?」

エルザ様が聞かれた。


「当然儂は反対した。でも、父と公爵が譲らなかったのだ」

「エデルガルト様には本当に申し訳ないことをしたわ」

「父が亡くなった後にエデルガルトとオイシュタットには元に戻すようにカッセル国王に話すと言ったのだ」

「でも、お二人とも、陛下が属国とはいえ他国の内政に関与するのは良くないとおっしゃられて」

「男爵の方が余計な社交が無くなってエデルガルトと一緒にいる時間が増えてこれはこれで楽しいとか抜かしておったのじゃ」

陛下が苦虫をかみつぶすような顔でおっしゃられた。


「私と陛下は分刻みのスケジュールに追われておちおち逢瀬も楽しめなくなったのに」

「本当にうらやましいと妬んだのじゃ」

二人して言ってくれるんだけど、それでもお二人はとても仲睦まじそうだった。


「それで、そのままにしておいたのだ。クラウディア嬢が継母に虐められているになんて思ってもいなかった。本当に申し訳なかった」

「本当にごめんなさいね。あなたは田舎でエデルガルト様のようにのびのび元気に過ごしていると思っていたのよ」

両陛下に頭を下げられるのはとても居心地が悪かった。


「いえ、そのような事は」

「まあそういうことだから、儂らの結婚できるようにしてくれたエデルガルトらの孫は儂らにとっても恩人の孫なのじゃ」

「だから、大船に乗ったつもりでお嫁に来てね。反対は一切させないから」

二人して言ってくれるんだけど……


ええええ!


私ってルードの婚約者に決まってしまったの?

というか私が8歳の時からルードの婚約者だったなんて今初めて聞いたんだけど……

私は頭の中が真っ白になっていた。



ここまで読んで頂いてありがとうございます

いきなりの真実を知らされて、驚くクラウ。

どう動く。

この続きは今夜です。


続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾


皆様の応援のおかげで私の小説の第三巻がコミックシーモア様から先行発売されました。

果たして、お義兄様の想いはエリーゼに通用するのか?

山場です。

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。【シーモア限定特典付き】』

二万字超の新規書下ろし、エリーゼとお義兄様の学園の幽霊竜退治のお話付きです。

シーモア限定SSはエリーゼの護衛騎士セドリックのお話です。

おだやか先生の素晴らしい表紙絵と共に楽しんでいただけたら嬉しいです

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


10センチ下にはその表紙絵と各リンク張ってます

よろしくお願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次のお話はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://book1.adouzi.eu.org/n0747ju/

私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n9991iq/


3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【10/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【11/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【11/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【10/19発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【10/19発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【8/26シーモア先行配信していたものは、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】

https://www.cmoa.jp/title/1101429725/

■【9/20発売アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【9/20発売楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/



このお話の前の話

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://book1.adouzi.eu.org/n6878ix/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ