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とっておきキャンバス⑧

雨のなか飛び出した世良を探して回るが翔馬達、そして――

それから俺達は孝輔のスマホに写し出された場所へと到着する。そして、すぐにスマホで照らしながら辺りを捜索し、声をかける


「世良ー!無事かー!?」


「世良ーっ!!」


「チビー出てきなさぁーい!!」


マップ上の川の真ん中辺り、青い点が点滅している場所へと行くため、俺は川へと足を入れた。雨もふっているためか、少し流れが早く感じる。それでも構わずに進み、声を大にして叫ぶ。


「世良ーッ!!」


と、その時だった


「ここだ、ここーッ!!」


俺が来た方、つまりリサや孝輔のいる方の少し先から声が聞こえる。


――生きてた。マジでほっとした…いや、本当に最悪な事を一瞬考えていたので、意外にも元気な声に胸を撫で下ろす。そして、声の方へ向かうと、


「おまえなにやってんだ。」


「翔馬、助けてくれ…」


何故か世良は川の岩の上で横になっていて、よく見るとジャージにトゲのある草が引っ掛かり、足元には釣糸が絡まって服はびっしょり濡らし、その釣糸を一生懸命例の貴幸さんがほどこうとしてくれていた。とうの本人は一生懸命トゲトゲをとろうと手を伸ばして、全然届いていない。


「いや、マジでなにやってんだ。どうやったらそんなことになるんだよ…」


「いいから、早くどうにかしてくれよ!」


「…上手く、ほどけない…。」


そんな話をしていると、リサと孝輔も追い付く。そしてリサが状況を見てアーミーナイフ(缶切りとかドライバーとかついたヤツ)を取りだし、パッパと釣糸と草を切る。釣りをしたらゴミは持ち帰ろう!ポイ捨てばらまきダメ絶対。


そうして、謎の封印から解放された世良は「ありがとう」と一言言って体を起こす。


「ちょっと、ロリチビあんた何してんのよ!人がどれだけ心配したと思ってるの!?」


急に怒り出すリサに世良は「おぉ…」と体をのけぞり、


「す、すみませんでした」


と驚きながら謝った。すると、今度は孝輔が


「無事で良かった」


と言ってとホッとしたような表情で笑う。くそイケメンに見える。てかイケメン。濡れて髪のセットがくずれてもそれが味を出すってどういうことなの?神は二物を、あたえすぎじゃないの?

ほら見て、世良どころかリサもちょっと見とれてるような気がする!!俺はそんな嫉妬心を圧し殺し、ちょっと意識して柔らかく笑顔で言ってみる事にする


「ああ、本当にな…」


誰も見てない。もう絶対やんない。なんだこれ。


「茶番かっ!!」


「は?」


「え?」


「ん?」


「えっと…?」


急な俺の突っ込みに一同、理解不能といった様子である。だろうね。そうなるよね。なっちゃうね、俺もなるもの。急にあんな言われたら…表情にでていたらしく、孝輔に「大丈夫か?」と心配されてしまう。


それから、俺達は一度お店に戻ることにする。みんなびっしょり濡れているし、何より腹が減った。店に戻ると、ドアにはclose(閉店)の文字が書かれた札が下ろされている。が、灯りはついているため入ってみると、お姉さんは驚いて人数分タオルを渡してくれた。


「ちょっ…!大丈夫ですか!?びしょびしょじゃないですか!!」


そして、渡されたタオルで頭をふいているときにまわりをなんとなく見て気づいたのだが、女性陣、リサは白いTシャツと、世良はジャージの下は白のタンクトップだった為か透けっ透けである。これは見えすぎてると言うくらい、透けてる。てか気づいてないのか二人とも…俺は、リサに耳打ちする。


「(おい、リサ…下着透けて見えてるぞ)」


「(だからなによ?)」


「(いや、だからなにって…家じゃねぇんだから…)」


「(いいのよ、別に減るものじゃないし。…まさか翔馬、アナタ…)」


「(いや、孝輔や貴幸さんもいるから、つつしみなさいっていってんの。あと黒は目立つ…あれ?貴幸さんは?)」


いつまにかいなくなっている…そんな事は気にしないと言う様子で、リサは


「はいはい、わかったわよ。ほらロリチビ行くわよ」


と言って世良の腕をつかむ。急に腕を引かれた世良は


「うわっ!なんだよ!どこ行くんだ!?」


「アナタも私も透け透けなのよ」


そう言われて、世良は自分の胸元を見て、頬から耳まで赤くする。そして何故かキッ!と、俺を(にら)


「ちょっ…見んなよ!!」


と言って、おれだけ持ってたタオルを投げつけられる。


「いや、なんでだ。」


おまえも絶対リサと同じで、気にしないタイプだと思ってたわ。いや、勝手な思い込みだけどさ、そう言うとこは気にすんだな…。


そして、体をふきおえ、着替えようとしたいたらお姉さんがいつのまにやら準備していたスープを渡してくれる。そして


「みなさん、今日はどこかお泊まりするところはお決まりですか?」


と声をかけてくれたので


「いや、まだですね」と言うと、両手を軽く胸の前に合わせて、笑顔で


「それでしたら、うちの両親がしているペンションがちかくにありますので、そこへお泊まりしたら、どうでしょう?」


と言ってきた。でも、お高いんでしょう?と俺が聞くより前に、

お姉さんが


「お代は大丈夫です!ただ、ご相談がありまして…」


とお姉さんは言う。なので俺はその相談とやらを聞いて決めることにした。


「相談とは…?」


「ええと、実話うちのペンションの屋根が少し壊れてまして…それの補強をお願いしたいのですが…なにせ、父はヘルニアで体をかがませての作業はちょっと…母は高所恐怖症で、私もあまり得意ではなくて…」


「え?屋根なおせばタダなんですか?」


「あ、はい。人里離れているのでなかなか頼めないし、大工さんよぶほどでもないですしね、それにみなさん、荷物から旅人さんのようでしたので…あっ!もちろん今日ではなくて明日で全然構わないので、お願いできないでしょうか?」


俺はお姉さんに少し待ってもらいみんなに意見聞いて見ることにする。


「だって、どうする?」


「いいじゃない。私は賛成よ」


「あたしもだな、疲れたし」


「俺も構わないぞ」


「じゃあ、お言葉に甘えるか」


と言うことでまとまり、お姉さんに伝える。


「あの…お言葉に甘えてもいいですか?」


「はい!もちろん!雨もふっていますし、すぐに車用意するので、バイクは裏に回してもらって良いですか?」


「あ、わかりました。リサ、バイクは裏に回せって!」


「わかったわ」



こうして、俺達はお姉さんの両親が営むペンションへと行くことになるのだった――。



【日本一周の旅にでたら、家出少女ひろった!!】








※キャラクター紹介


【名前】:四月(わた)一日(ぬき) 孝輔(こうすけ)


【身長】:188cm


【体重】:72kg


【性格】:落ち着いているタイプ。たまにアホ


【好きな食べ物】:オムライス、コーンポタージュ、筑前煮、おっぱい


【特技】:スマホアプリ活用、ギター



またみてね❗(´・ω・`)✨きゅぴーん


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