表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
309/321

7巻出版御礼SS おっさんを大量に送りつけてくるのは宣戦布告に違いない!


ある日 王都



 それは不可解な報告、だが読めば当然の事。今、王都は大発展しているというのに、一部だが古くからの王都民が減っているという。


「つまり子供達の笑顔が忘れられんと」

「はい、誰もが夢を見たのでしょうね……あのお土産屋さんで見た幸福ものに」


 それは今も営業し大賑わいな王都随一の店。その品揃えも品質も申し分なく、また王都の商工業者と連携して国の技術レベルを上げ他国の商人に付け入る隙を与えない王国の陰の守護者。


 それでも足りないのだろう、それは誰もが感じたこと。


 あの幸せいっぱいの歓びが溢れ出すような子供たちの笑顔がない。


 あの大騒ぎな黒髪の1団の騒々しい声がない。


 今も商品は溢れ、豊かさを象徴する大人気店だというのに……何処か一抹の寂しさを感じてしまう。


「あの大騒ぎに慣れてしまうと、大賑わい程度ではな」


 だから王都の民が辺境を目指す。今までどれだけ募ろうとも、如何な政策を以ってしても誰もが恐れて赴かなかった絶望の地へと……今では移住が止まらないらしい。


「逆に王都が寂れそうな勢いです」

「そうか」


 それは当然のことだ、この王都はあの子等の笑顔どころか命すら守れなかったのだから。そして、この王都を栄えさせるには、王家が失った信頼を取り戻さねばならないという事なのだら。


 そう、見捨てられて当然。それでも二度と幼子に悲しい思いをさせぬために、この国と王都を幸せにするのが我らが役目。そうでなければ私もすぐに廃位して辺境へと駆け付けたい。


「我らはオムイの恩に何も報いれぬのに、民達が行ってくれたか」

「それが……探さないでくださいと置き手紙してシュコバサス大侯爵まで辺境に行ってしまったとか」


 おい……いや、気持ちはわかる。ましてや古傷と病で戦えなくなった王国の闘神が瞬く間に傷も病も癒され、挙げ句にシュコバサス領の僅かな果実とくさんひんと引き換えに最高級の武具まで贈られたという。


「それは、止められなかっただろうな」

「ええ、戦いしか知らぬ誇り高き男が、ずっと戦うこともできぬまま腐敗し崩れていく王国に絶望していたのでしょう。舞踏会で嗤うシュコバサス卿の顔は、ひどく懐かしくさえありました」


 怒っておったのだろう。腐敗した貴族共に、力なき為政者わたしに。そして、なのに何もできぬ自分自身に。それが、あの遥くんの怒りに触れて嗤っていた。


 誰もが心胆を寒からしめる中で、その戦場の空気に嗤い震えていた。そして子供らを庇うように弱った身体の置所を移し、その意味すら理解できぬ貴族共を病み衰えた身で威圧していた……だから茸を突っ込まれたのだろう。命の盾など要らぬと、戦うのならば死んでも勝てと。


「まあ、しばらくは見逃してやろう」

「いえ、見付けても「嫌だ嫌だ帰らない」と駄々を捏ねて迎えの騎士団を壊滅させたシュコバサス卿を囚えるなど、どれだけの軍勢が必要か」


 子供か! そして……その騎士団も戻らぬらしい。きっと今頃は笑いながら迷宮を駆け回っておるのだろう、元々シュコバサス家は政治的な策略でオムイと引き裂かれし朋友なのだから。

 

「ですが王国は教会に教敵と布告すると脅されているのです。国境から最も遠いオムイの地に戦力が割かれるのは」

「軍がこの王都から進軍しても、影すら踏めず翻弄されたのだぞ。遠い異国から挙兵した所でどうなることやら」


 王国の貴族達もだったが、辺境を裏切った各国は忘れているのだろう。皆が気付かぬ内に舐めておるのだろう……あの辺境を、魔と戦い生き抜いてきた英雄たちの末裔の街の意味を。


「それが、国境にいる第一師団からも辺境への移動要請が山程。とくに団長のバルバレラ様たちからは毎日」

「父娘すぎるだろう……」

「いえ、バルバレラ嬢達は、その……そろそろ婚期があれですので」

「そっちか」


 そう言えば朝食会で遥くんの友人達と意気投合し、あの後も訓練を付けて貰っていたとか……政略で引き込む気など無いが、邪魔するのも野暮。だが、そうなると国境を守る戦力がない。


 頭を抱えるのは変わらないが、暗い未来しか見えなかった鬱屈とした執務室が見違えるように希望に溢れ……そして仕事が溢れ、書類も溢れる!


「まだ次があるのか」「辺境まで直通の王国縦断道路ができたせいで、物流が加速し経済が好況でして」


 それは置き土産だったのか、今では見た事もないほど真っ直ぐな道が東の果てへと続く。遠き辺境までただまっすぐに。そして王国が発展していく、だから……書類も増えていく。


「次の書類きました」「急ぎの決算です」「バルバレラ嬢達が、やだやだ配置換えしてくれないと軍辞めると!」


 嗚呼……笑顔が引き攣る。ああ、私も辺境に行きたい(泣)


本日、5月25日から『ひとりぼっちの異世界攻略』の7巻が文庫とコミック同時発売となりますヽ(=´▽`=)ノ

・文庫の特典情報

http://blog.over-lap.co.jp/tokuten_bocchi7/

・コミック特典情報

http://blog.over-lap.co.jp/gardo_20210114_07/


本当に沢山の方にお買い上げ頂き7巻まで出すことが叶いました、どうもありがとうございます……だけではあれなので恒例と化したお礼投稿です。本当にありがとうございますm(_ _)m



7巻も沢山の方にご購入いただき本当にありがとうございますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6月25日にひとりぼっちの異世界攻略コミック24巻が刊行されます。 公開された書影はこちら。

i970590/


アニメ公式ページ
アニメ公式ページはこちら

オーバーラップストア購入ページ
オーバーラップストア購入ページはこちら

アマゾン購入ページ
アマゾン購入ページはこちら

既刊一覧ペタリ

i947047/
i970596/
― 新着の感想 ―
[一言] そうだ、遷都しよう!(名案
[一言] > 嗚呼……私も辺境に行きたい(泣)  そして(王都には)誰もいなくなった──からブラック卿にあとは任せます。
[良い点] 新刊発売おめでたい! 今週末に購入しに行きますね [一言] 俺も辺境に行きたい(泣) ……去年からずっと繁忙期終わらないんだよ? 医療機器メーカーあるある? ヤバイな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ