【75,000pt御礼】SS 孤児っ子ちゃんの兵隊ごっこ
75,059ptもの総合評価を頂いておりました、ありがとうございますm(_ _)m
ある日 辺境 魔の森 森の中
色彩が乱れ狂う濃緑の樹海。そこは眩しく光が散乱しながら、闇へは明かりの届かない樹木の迷路。そこでは方向感覚も距離感も失われ、時間の感覚さえ深い密林に飲み込まれていく。
「ぶらぼーから、ちゃーりー」「「「ちゃーりー、だれだっけ?」」」「こちら、すねーくぅ?」「「「ヘビさんひろってきたらダメだよー」」」「ポイしてきてねー」「はーい」「うん、行こうよ?」「えっと、何ていうんだっけ?」「いけばわかるさ?」「えっとえっと……あっ、全軍進撃!」「「「それだ!」」」
小さなお手々が握りしめるのは護身用の小さなボウガン。その小さな小さなボウガンの先端に取り付けられた大きな大きな肉切り包丁が、背後から飛び出して襲いかかってきたゴブリン達を元気いっぱいに薙ぎ払う。
「がんほーー!」「やっほーー?」「「「ひゃっはーー?」」」
魔物の潜む魔境に元気いっぱいな声が響き、木漏れ日の中をキラキラのお目目が輝いて、ボウガンの矢が森に棲む襲撃者に専守防衛で撒き散らされる。
「めいでー、めいでー?」「「「ちがうよー、目がー目がーだよ?」」」
密林に潜んでも、輝く魔物の目は子供達の目標。その濃緑の深淵から覗くものが見付けられてハリネズミにされる先取防衛殲滅襲撃訓練。
「ぽいんとかくほー」「「「おおーー!」」」
辺境は危険に溢れている。その脅威が溢れ出してからでは遅いと、前もって駆逐して、体験学習で練習する課外先制襲撃体験授業。
「こちらちゃーりー、くちくする!」「「「ちゃーりー、いたー!?」」」「がんももーくちくするー!」「ちがうよ、がんまだよー?」「ぐんまー?」「「「それいじょうはいけない!?」」」
小さな子は何でも真似して遊び、素直に学び取っていく。その冒険者を真似した動きは音を立てず、その行動は真似でも気配を抑えて森を侵略していく。
「あんまり遠くに行ったら駄目ですよー」「「「はーーい」」」「はいじゃないよ、らじゃーだよー?」「「「えー、あーるぴーじーだよ?」」」「あっ、あーるおおーじーだ」「「「それだ!?」」」
ニコニコと、その小さな体が揺れる。魔物が振り下ろす棍棒がすり抜け、無防備に晒した背後からボコる。その小さな瞳が一生懸命に見ていたもの、そのキラキラの瞳で心が思い浮かべる姿は……いつだって黒い髪の奇術師さんの姿だから。
その見様見真似な不思議な動作で、振り下ろされる棍棒をすり抜け、一瞬で姿を見失った魔物の背後から――ボコ! 似てますね!!
「よし、あんぶっしゅ!」「かもふらーじゅー、かいしー」「ああ、ぎりーすーつ良いなー!」「すてるすだー!」「はいはい、お弁当を食べながら魔物さんを待ちましょうね」「「「はーーい!」」」「おべんとーだー♪」「ゆっくりよく噛んで食べるんですよ」「「「はーーい!」」」「「「おいしいーー♪」」」
小さい子が戦うなんて……だけれど「本当に危険なのは誰で、一番身を守れなきゃいけないのって誰なの?」と言う問い掛けに私達は何も答えられなかった。
逃げる方法。それは教えようにも現実的には難しくて、実際的に子供の足では魔物から逃げるのはほぼ不可能。
――なら、どうするの? 小さな子は死ぬしか無いの?
何も答えられなかった。そんな何も言えない私達の前に置かれたものは、子供でも戦える小さな武器と、その先端に取付可能な巨大な肉切り包丁。
「うん、なんか納得させられたけど、完全に斧か鉈ですよね!?」「寧ろ戦鎚かと?」「ええーっ、ふせげば盾で?」「ふれば棍棒で」「たたきつけたら肉切り包丁で?」「うん、うったらボウガン!」「あとあと、りょうりには肉切り包丁なの!」「「「かくもべんりな肉切り包丁さんが、今ならなんとボウガンさんも付いてるのー♪」」」「「「ボウガンがおまけだった!?」」」
だから腰の重みを確認する。保母だけど、私はただの保母さんだけど……孤児院の保母さんは、この子供たちの笑顔を守るためにいるんだから!
「「「今度は絶対に私達が守りますって言ってやろうね!」」」「うん、こんな立派な剣を渡されたんだもんね」「まあ……なんか手遅れっぽいけど?」「ねらいうつぜー!」「だったらだったら、みだれうつぜー!」「「「ああーん、魔物さんがたりないよー、なにやってんのー!」」」
そしてご飯が終わるとまた都合よく適度に順番に現れる魔物さんたち。最初のうちはみんな足を怪我していて、今は腕を怪我した魔物さんたち。それはきっと過激に危ないことばっかり言ってる、超過保護な危険思想な誰かが見守ってくれている証拠。
「ちゃんと順番にね」「「「はーーい♪」」」
私達が思っていたピクニックとは随分違うけれど、子供達の避難の訓練と言うには快進撃してるけれど……でも、これで恐怖に怯え竦んで動けないなんて事はなくなったんだろう。
「ほーいせんめつじーん!」「「「わんもあせっとおぉ♪」」」
きっとこの子達は生きる術を学んでくれる。きっと……魔物が足りれば学べるはず……足りるかな?
「「「ああーん、魔物さんがぜんぜんたりないよー、なにやってんのー!」」」(強いられてる!? ちょ、半殺しだから死ぬな、しっかりしろゴブさん! うん、傷は浅めの致命傷……駄目そうだった!?)(プルプル)(いや、治療すればワンチャンで右斜め上から叩いてみる……あ、死んだ?)(ポヨポヨ!?)「「「魔物うすいよー!」」」(強いられているんだ!?)(プルプル)
そう、何処かの誰かが心配性過ぎて、魔物の気配が全然ない魔の森。なんだか頑張って強くなるよりも先に、森から魔物がいなくなっちゃうかも?
「「「「「ひゃっはああああーー♪ 巣を消滅するまでが遠足だああぁーー♪」」」」」(だから食べたら駄目なんだよ、ポイなんだよ?)(ポヨポヨ?)
うん、とってもいいお天気で。すごく平和ですね……魔物いないし?
更新が滞っているなろうで75,059ptもの総合評価を頂いておりました。本当にありがとうございますと、少しはこっちにもとお礼のSS投稿をさせて頂きましたm(_ _)m
はい、確か5万ptくらいでノクターンへ追放され、せめて沢山頂いた御感想は残したいと大幅削除したまま、2アウト製で次はアカウント停止だと言われ修正すら手が付けられないままでしたが――望外にも沢山の方のお読みいただけましたことに御礼申し上げますm(_ _)m
まあ、お礼だけっていうのもねと久々のお礼投稿でした。もし万が一何かの間違いで御気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。 五示正司




