目覚めてしまったのだろうか?無意識のうちに量産されていたんだよ。
51日目 朝 宿屋 白い変人
今日は昨日のダンジョンの続きからなんだけど?朝ごはん中に女子会なの?なんかコソコソとキャーキャー言ってるけどどうしたの?でも、甲冑委員長さんはみんなに囲まれて身振り手振りしながら一生懸命にお話している、やっぱり女子はお喋り好きなんだからいっぱいお話ができてうれしいんだろう。地の底で一人ずっとそんな日を夢見ては諦めていたんだろう、だから楽しそうで良かった。笑っていて良かった。
スライムさんも朝からパンとシチューを食べて大喜びでぷよぷよしている。看板娘と尾行っ娘の2人に次々とパンを食べさせられてはぷるぷるとはしゃいでいる。こっちも楽しそうで良かったよ、きっと地の底で一人でいるよりは良いんだよ。でも滅茶食べるから食費を稼がないといけないんだよ、せっかくお腹いっぱい食べられるようになったんだから毎日お腹いっぱいにしてあげたいんだよ。
ぼちぼち他領へのお買い物ツアーも計画しなければならないし、お金は稼いでおきたいんだよ。
鎖国のままは拙いんだ、物資の流通が滞るのは辺境の経済的な衰弱死になる。
今は尾行っ子の一族が冒険者の護衛を連れて迷宮を通れるようにして有るので魔石や茸の販売や最低限の仕入れ何かは一応は続いている、だが数にも量にも限りがある。
商人が通れる様にするために偽迷宮に許可を出しても良いが、その商人たちに独占販売されるのも良くないんだよ。
流通をどうするか?
王国との交渉次第だが、ずっと待っている訳にはいかない。
だってお米が無くなってしまう!お醤油もだ!
だが他は自給できる状態まで持って行く、経済は武器だから。
鉄が欲しければ、布が欲しければと圧力をかけられる。経済戦争だ。
だから最低限の自給自足状態は必要だ、紡績、織物の機械は量産できそうだがその為の毛が採れる家畜が足りていない。
鉄鉱石は鉱脈は見付けて有るからトンネルを掘っておけば何とかしてくれるだろう。
食料は種類こそ少ないが自給レベルまで充分に届きそうだ。
そして魔石と茸は辺境の独占物資だから圧力をかけられるのは王国の方だ、あとは武力しかない。
だが軍隊では偽迷宮は突破出来ない、ならば交渉に乗るしか無いはずだ。其れまでに自給自足と不足品の補充だけはやっておきたい。
結局、豊かさは武器なんだよ?足元を見られない為には豊かである必要がある。家畜と人手だけは急には増えないのがネックなんだよ。
「おーーーい。遥くーん!お出かけするんだよー?何でぶつぶつ呟きながら桶を作ってるの?内職は夜にしてね?」
しまった!桶造りに目覚めてしまったのだろうか? 無意識のうちに桶が量産されている、まあ売れば良いんだけどお世話になっているからいる分は宿屋にあげよう。名前以外は良い宿なんだよ、何せ次々に魔物を連れ込んでも怒られないんだよ?宿代は取られてるけど。
いや。寧ろ迷宮皇さんと迷宮王さんの定宿として宣伝する?駄目だ、魔物さん達が集まって来てしまう。本当に大人気になりそうだ。
「じゃあ行こうか?って言うかスライムさんもお出かけだよー? って、看板娘は持ってきちゃ駄目なんだよ? ポイしてきなさい」
(ポヨポヨー)
うん、準備は出来たみたいだ。看板娘はポイされて涙目だ。看板娘もいるしお留守番させても安心なんだけれど連れて行こう。癒しが必要なんだよ。
「50階層より下だと迷宮王さんがいるし60階層を超えてると階層主さんもまたいるし、中層を超えると隠し部屋も有るから時間が掛かると思うんだけど、、、どうしよう?そのまま昨日のダンジョンの続きに行っちゃうのか、それとも先にもう一つのダンジョンを攻略しちゃう?」
「あ~。それなんだけど先にもう一つのダンジョンを攻略しちゃってから、昨日のダンジョンの続きは俺と甲冑委員長さんとスライムさんで行こうかと思うんだよ?他のダンジョン攻略が手が足りてないみたいだし?あのクラゲがいたダンジョンもそんなに深くは無さそうだったから少数で突破しちゃった方が速そうなんだよ。」
委員会と体育会が階層主戦組に入っているせいで他のチームが手薄過ぎるのだ、そのせいで中層から攻略速度が落ちている。
俺達だけなら速攻戦が可能だ、打たれ弱いから正面からのぶつかり合いは出来ないがばらけている魔物を突破し撃破するなら単独の方がむしろ早い。50階層から下は未踏破層だから魔物も多くなる、電撃戦か奇襲戦が出来る方が有利だろう。いや、それしか出来ないんだけどさー?さっさとやってお休みが欲しいんだよ?
「また危ない事をするの?何ですぐ危ない事をしようとするの?何で危ないって言ってるのに言う事きかないの?何でそれで毎回何の問題も無いの?どうしてまだレベル19なのに自分でやっちゃうの?危ないんだよ、本当に。特に迷宮王さんが?危ないの?何で危ないのに危ない事して危なくしちゃうの?」
うん、昨日チラ見したけどLvはまだ上がっていなかった。Lv10の時も長かったんだよ?Lv20とか当分ならないよ?多分。
「戦うと時間かかるし危ないんだよ?だから戦えないから狩りに行くんだよ?襲撃戦だよ?弱くても電撃的に奇襲で襲撃して蹂躙しちゃうと大体死んじゃって大丈夫なんだよ?大体殺しちゃえば何とかなるもんだよ?人生経験的に?的な?」
とりま3つ目のダンジョンに行きながら計画を立てよう、まずは街を出る準備だ。委員長達が迷宮の死亡報告に行っている間に掲示板に向かう。朝のお約束なんだよ?昨日も来たらしいけど寝惚けて覚えてないんだよ?朝のジト目成分を?
「見なくても分かってるんだけど掲示板の依頼が今日もまったく変わって無いんだよー!だよっ?もうこの掲示板って永久保存版なのって言う位不変のままだよね?もうそろそろ依頼の紙が風化しちゃう危険が感じられる今日この頃だよ?何で毎日見に来てるのに以下同文?」
「また来ちゃいやがりましてらっしゃいましたか?どうして冒険者じゃ無いのに冒険者より頻繁に冒険者ギルドに来ちゃうんでしょうか?って言うか昨日なんか寝ながら来てましたよね?「依頼が変わって無い~」って寝言で言ってましたけど、目が空いていませんでしたよ?何のために来てるんでしょうか?冒険者しか依頼は受けられません!そして最近はこそこそする気が無いどころか威風堂々ですよ?掲示板の主って呼ばれてましたよ?」
ジト目で怒られながら委員長達を待つ。爽快な朝のジト目だよ、しかし掲示板の主って次は掲示板の王に昇進なの?掲示板皇までの道のりは遠そうだ。でもきっとその日まで掲示板の依頼が変わらない事の方が問題だと思うんだよ?何のための依頼掲示板なの?
「お待たせー、報告して来たしもう行けるんだよ?また依頼に文句を付けてるの?でも依頼で良い仕事が有っても迷宮行くんだから受けられないんだよ?どうしてそこまで依頼掲示板が大好きなの?欲しいの?持って帰っちゃ駄目なんだよ?怒られるんだよ?今も怒られてるみたいだけど。」
依頼掲示板に受付ジト目委員長さん装備なら欲しいけど掲示板だけなんかいらないんだよ?だって全く変わらないから依頼内容ももう暗記しちゃってるんだよ?一か月以上ほぼ毎日全く同じ内容の掲示板を見てるんだから覚えちゃったよ。マジですよ。
雑貨屋さんにより納品を済ませてお姉さんにハリセンをかましてお説教する。でも毎日帰って来たら注文が来てるから懲りていないのだろう、ハリセンでしばかれながらも一心不乱で茸弁当を食べているんだよ?禁断症状だったのだろう。
そうして販売カウンターを設置し終わった。本当に売っちゃってたよ?販売カウンターを?昨日一日木箱を積んで営業してたんだよ?何故雑貨屋さんで販売カウンターを売買してるの?
街を見て回れてスライムさんもご機嫌だ、なぜか保存食の干し肉をもの欲しそうに見ていたので買ってあげたらぽよぽよと喜んで食べていた。お気に入りになったみたいだ、買い溜めておこう。
門番さんに挨拶して外に出る。しかしあの門番さん達って迷宮皇も迷宮王も普通に通してるけど番してる意味あるの?何を止める気なんだろう?
そしてようやくダンジョンに向かう。
女子達はみんな眠たそうだ、夜中に特訓でもしていたのだろうか?お目々は線になっているが気配探知で歩けるみたいだ?
今朝の話では遂に女子は全員「気配察知」が「気配探知」に進化したんだそうだ、振動魔法もMaX続出らしい。なのに「索敵」は上がって無いんだよ?何でだろう?何を探知して振動させてるんだろう?肩こりさん?
「ねーねー?男子のあれは制服なの?朝着てたやつ?お揃いにしたの?」
「あー?あれ。一応オタ達にも莫迦達にも注文聞いてやったんだけど「頑丈で汚れが目立たなくて動き易くてポケットが沢山欲しい。」しか要望が無かったんだよ。だからなんかミリタリールックになっちゃってるんだよ。」
みんな上はカモフラのM65擬きだ下はダーク系のカーゴパンツにブーツまで履いてるもんだから軍人さんみたいなんだよ……うん、何処の傭兵部隊だよ、剣と魔法の異世界で空気読めよ!!
まあ、朝は女子達も思い思いの服で楽しそうにしていたし、華やかなのは良い事だ。そして、やはり鎧でご飯は食べにくいのだろう。男はどうでも良い、マジで。
でも直ぐに装備しちゃうからちょっとだけのお楽しみなのだろう、俺は朝から村人装備だよ?だって普通の服だし?ちょっとお直しはしてるけど相変わらずなんだよ。
「ここだよ~。三件目のダンジョンさ~ん?主に動物系魔物で数が多いんだって?魔力切れ注意って事だったよ?」
動物系魔物主体なら毒餌でも撒いたら早そうだがスライムさんが食べたら大変だから止めておこう。それに階層主戦も含めて女子達のレベル上げと戦闘訓練も重要なんだよ。甲冑委員長が一緒の間に指導を受けながら戦えば戦闘の機微や力の配分も覚えられるだろう、チート持ちだからこそ絶対的に足りない経験を学べる機会なんだよ。




