その36・文化は違えどカマバコ美味しい
その36・文化は違えどカマバコ美味しい
「……さて、少年。私はH……話の続き」
「はいはい」
「雑魚の王たる砂漠鮫はとっても美味しいものになる……見ていて」
(H、指を鳴らす。砂漠からわらわらとフードとマントに身を包んだ砂漠エルフたちが登場)
「え!」
「私の仲間たち……あなたが敵か味方か……そしてその勇気と度量を確かめるために私だけが姿を見せていたけど、今は大丈夫だと思ってくれているわ」
「…………光栄、でいいのかな?」
「いや、こいつら基本的に適当だから、あんまり感謝と感激とかするなよ。Hが族長をやれる集団だ、って考えると判るだろ」
「……判ります、すっごく判ります、つまりアテにしちゃ駄目なんですね?」
「少年……砂漠で砂漠エルフに当てこすりすると、今夜は男の子の秘密を香油と砂漠狐の恥骨をつかってたっぷり教育してあげることになるわ……私はH……いくらでもそういうことは好きな女……」
「えーと、意味はですね……」
「いやあの、R15の枠を越えてノクターンノベルに行ってくれと言われそうな話なのは予想がつきましたからいいです」
「あらあら……とか言ってるうちにみるみるトリプルヘッドシャークが解体されていきますねえ」
「革はなめしてマントやテント、砂上船の帆に、牙や骨は砕いた後、砂虫の体液と混ぜたら圧縮魔法で加工……建築物や砂上船、飛行船の骨組みに、内臓はバラして干して保存食に、眼球は魔法薬の元になるわ……血管や腱は軽くて丈夫なロープになる。砂漠の民はなにも無駄にしない……それが……誇り」
「はー。あれ? 身は?」
「それはこれから我々のテントの中で」
「移動ですか?」
「ここに来ている」
(※ざっぱー!)
「テント? どうみても革で出来たUボートに見えますけれど」
「砂漠エルフのテントは全てこれ。砂漠鯨と砂漠鮫の革と骨で出来た砂の中を潜るもの」
「……はー」
「ちなみに、あなたたちのいう普通のテントもあるわ……私はH、解説の孔はなるべく塞ぐ女……」
「理屈っぽいだけだろ。まー、今夜はカバマコだな」
「カバマコ?」
「細切れにした魚の白身を岩塩を混ぜてすり下ろしすり下ろし、オアシスの水で蒸し焼きにするそうです」
「……まって、それって」
「この世界ではカバマコというらしいですな」
「誰が発明したの?」
「あなたの前任者ですね。ちなみにこの人は神々の戦いから人々を守って行方不明です……」
「神々の戦いに挑んで消えちゃったひともいるの!」
「F……あなたはなぜ、私の夫のことを知っているの?」
「え?」
「私の名はF……砂漠の美しき未亡人……今から300年前、我らの部族にカバマコを伝え、砂の奥の宮殿に眠る最強の魔剣、いえ神から使われた神剣【ラグナロックEX】を持って、悪しき神々と戦って散った人……そうあなたのような美しい美少年」
「嘘つけ、俺が憶えてるのは筋骨隆々のガハハ笑いのオッサンだったぞ」
「それは神々が与えた魔法の兜のせい……あの人は月夜の夜になると本当の姿を現したの。ほっそりした美少年で、キョイーク・ジシューセンでは全員の恋人だったって……それも納得の美しさだった。私たちは愛し合ったわ……それも(※4000文字削除)という……」
「うーん……」
「あ、Bが倒れた」
「16歳の娘さんにはないようが強烈すぎましたな」
「だから私は未だに処女、そして彼の為につまみ食いはしても、自分の御大事を散らすことは……許されない……女……」
「えーと今の本当なんですか?」
「困った事にほぼ本当です」
「この世界、どういう基準で転生英雄を選んでるんですか、ホントに!」
「まあ、人格に問題がある人じゃなければ異世界には対応出来ずにホームシックでおかしくなりますよ」
「つまり僕もマトモじゃないと?」
「あー、そこまで私は言ってませんよ? まあ少なくともサイコキラーやサイコパスは選んでません」
「ほっ……」
「せいぜいソシオパスですね」
「せっかくブクマとか増えてきてくれてるのに、出版が遠くなるようなことを!」
「どーせ作者が好き放題書いている作品ですから、その辺は最初っから諦めてますって……とか言ってるうちに、えらく大きなカマボコが出来ましたよ?」
「あ……なんか懐かしいけど、潮の匂いが濃厚ですね」
「普通はすり身にする前にみじん切りにして水に晒すのを何度かして魚臭さを抜くんですよ。砂漠だからそれが省かれてるんでしょうな。それはそれで野趣があって美味しいですよ?」
「へー」
「おーい、出来たてに魚醤駆けて食うと美味いぞー!」
「私は塩だけが好みですね。出来たてはシンプルが美味しいです」
「なるほど……B、ご飯だよ、起きて」
「え……あ……きゃあ! 大丈夫?A (※214文字削除)とかされてない?」
「されてないされてない、どういう妄想なの、それ?」
「御免……最近、実践の性生活の話が酷くって変な妄想が……(汗)」
「実践が伴わないまま、知識だけが来るからねえ。どれが本当にできることでどれが嘘か判らないし、デモどれも本当は出来そうだし……やっぱり実践がない限り弄られ続けるんだろうなあ」
「(ぼそっと)あんたでもいいんだけどさ」
「なんか言った?」
「何でもない! ばかA! さっさと行くよ!」
「はいはい」
昨日は仕事のサイクルで生活が乱れたせいか、七時頃から異様な眠気に襲われ、いままで倒れてました。
今日はあと一回更新したいですねー




