表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第二十二章 誠の実家

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/200

第91話 久しぶりの実家への道

「しかし混むなあ、高速じゃねえよ。これ低速だよ」 


「そんな誰でも考え付くようなことを言って楽しいか?」 


 かなめの言葉に運転中のカウラが突っ込みを入れた。


 誠の実家は東都の東側、東都東区浅草寺界隈である。東都の東に広がる台地にある都市、豊川市にある司法局実働部隊の寮からでは東都の都心に向かわなければならない。


 まだ朝早いというのに都心部に入ってからはほとんど車はつながった状態で、さらに高速道路の出口があと3キロというところにきて車の動きは完全に止まった。


「すいませんねえ……ええ、たぶんあと一時間くらいかかりそうなんです」 


 携帯端末で母の薫とアメリアが話しているのをちらりと見ながら、助手席で誠は伸びをしつつじっと目の前のタンクローリーの内容物を見ていた。危険物積載の表示が見えた。誠はそれを見ながら少しばかり心配しながらじっとしていた。


「あんだけ朝早く出てもこの時間。サラ達は今頃仕事か……と言っても、昨日神前が描いてたゲームの原画の修正作業なんだけどな。こんなことなら出勤のほうが楽だわ。それで一日中『武悪』とか『方天画戟』とかの超兵器の観察日記でもつけてた方が百倍マシだ」 


 かなめがそう言ってようやく話を終えて端末を閉じたアメリアをにらみつけた。


「なによ。このくらいの時間につくのは私の予定通りよ。かなめちゃん何か文句でもあるの?」 


 アメリアに言われてかなめは口笛を吹いてごまかした。


 そんなカウラのつぶやきにアメリアは現実に引き戻されて不快感に顔をしかめた。そして大きく一つため息をつくと緊張した面持ちでカウラに食って掛かた。


「駄目よ!もっと笑顔を浮かべて運転して!カウラちゃん。私達はオフなの、休日なの、バカンスなの。楽しまなきゃ駄目よ。笑顔を作ればつまらない渋滞も楽しいひと時に早変わりよ!笑顔、笑顔!」 


 アメリアは相変わらずハイテンションに真面目な表情で運転を続けるカウラに向ってそう言った。


「バカンス?馬鹿も休み休み言えよ……あれ?バカがかぶって面白いギャグが言えそう……えーと」 


「かなめちゃんは黙って!」 


 駄洒落を考えていたかなめをアメリアは思い切り怒鳴りつけた。その気合の入り方にカウラも少しばかりおとなしくアメリアの言うことを聞くつもりのようにちらりと振り向いた。


「要するに仕事の話はするな。そう言いたい訳だろ?分かった。仕事の話はしない」 


 なだめるようにカウラがそう言うとアメリアは納得したように頷いた。


「そう、わかっているならちゃんと運転する!前!動いたわよ」 


 タンクローリーが動き出したのを見てのアメリアの一言。仕方なくカウラは車を動かした。


 周りを見ると都心部のオフィスビルは姿を消し、中小の町工場やマンションが立ち並ぶ街が見えた。


「あとどんだけかかる?」 


 明らかにかなめがいらだっているのを見て誠は心配になってナビを見てみた。


「ああ、この先100メートルの事故が原因の渋滞ですから。そこを抜ければすぐですよ」 


 そんな誠の言葉通り、東都警察のパトカーのランプが回転しているのが目に入った。


「なるほどねえ、安全運転で行きましょうか。ここで事故を起こしてもつまらないだけですし」 


 誠は潰れた事故車のボンネットを見ながらそう言った。窓に張り付いているかなめに大きくため息をつくと、カウラはそのまま事故車両と道路整理のためのパトロールカーの脇を抜け目の前に見える高速道路の出口に向けて車を進めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ