★先達に学ぶ③「宮沢賢治」☆
宮沢賢治の詩を一度見てほしい。
その詩を読んでどう感じられるのか。その感想も聞いてみたいものです。
宮沢賢治(敬称略)の詩を読みました。
すごく独特な、個性的な言葉選びと表現。あまりに独特な語彙を使うので、読みにくいだけでなく「何を言っているのか、わからない」状態に。
詩集の最後の評論にも、はっきりと「わかりにくい」と書かれているくらいです。
宮沢賢治といえば『雨ニモマケズ』『銀河鉄道の夜』が有名で、詩人としての評価はどうだったのでしょうか。
ともかくすごい独創性の詩が多く、「大勢に読んでもらうために書いてるんじゃない」のか、あるいは「共感を得たくて書いてるんじゃない」なのか。……どちらでも同じことかもしれません。
中でも「これって錬金術の内容みたいだな」と感じた『真空溶媒』という、物語みたいな部分のある詩。
錬金術の作業工程を隠喩で表現するような、読み解ける人には理解できる、「卑金属から黄金を生み出す技術」について記されている、神秘的な作業について記された文章に似ていると感じました。
「詩は文学(文章)であるならば、他人に伝わるように書くべきだ」
と言い出す人もいるでしょう。
しかし、多くの芸術家と呼ばれる人の作品が、作り手にしか理解できないようなものもあるのではないか。あるいは作り手にもよくわからない、そんな場合もあるのかもしれません。
人の心の奥深くから現れてくるものを表現しようと、形なり言葉なりで表現しようとしたものは、他人の目には異様に映る場合も少なくない。
詩が感情や思想の発露なら、それは誰しも理解できるものとは限らない。
心に沸き上がるものを言葉にする、その単純なはずの行為から、奥深い表現が立ち現れるには、いくつもの視点(ものの見方)や思考(教養とか思想とか)が必要なのだろうと考えます。




