かわいいあの子に
私にしては珍しい恋愛詩。
恋心を歌った詩は、海外でも多いですね。
この詩で登場する校舎はL字型だと考えて読んでください。
かわいいあの子と話したい
そんな思いで学校へ
教室も違う あの子はどこに?
あの子は いくつも離れた教室で
いまも授業を受けています
ぼくは もやもやする気持ちを落ち着けて
授業を受けながらも
休み時間にあの子の姿が見られないかと
やきもきしながら ベランダに出る
あの子の姿がちらりと見える
それだけで ぼくは幸せな気持ちになる
かわいいあの子から
冷たい言葉をかけられて
傷つき倒れてしまうくらいなら
ぼくは片思いのままでいいと
自分の気持ちに嘘をついて
臆病な自分の心から逃亡する
弱くて、ばかで、センスも、かっこよさもない
それがぼくだと知っている
そんなぼくが かわいいあの子と
つき合えるわけがないんだって
臆病なぼくの恋は
片思いのまま
卒業するんだ
そして大人になったとき
きっと こう思うだろう
告白しようとしまいと
ぼくは、だめなやつのままだったさ




