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詩集 ~世界とわたしと、人々と~  作者: 荒野ヒロ


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痛みに理由を求めては

 自分の存在が希薄になっていく


 わたしはそのたびに


 手首を傷つける


 痛み、傷、死の恐怖


 生きたいのか、死にたいのか


 それすらも曖昧あいまい


 でも刃物の冷たさは


 わたしを正気に戻してくれる




 わたしには勇気がないのだ


 手首を傷つけ


 その一瞬の感覚や感情に 溺れているだけ


 もしわたしが


 人に優しくできるなら


 わたしの人生は一瞬で


 華やかになるのかしら?


 そんな想像もしてみるけれど


 自分を変えられるほど


 わたしは強くないのだと悟るだけ




 そしてまた


 わたしは わたしを傷つける──

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