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詩集 ~世界とわたしと、人々と~  作者: 荒野ヒロ


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火山の息吹

 火山が憤りをあらわにす


 その怒り


 いったい何が不満だというのか


 ああ、どうか


 その怒りをしずめてくれ


 もしくはその憤激の理由を教えてくれ


 おまえの怒りはわたしには


 つらく、厳しいのだ


 あらゆるものを噴煙で 押し潰してしまう




 やめてくれ、そんな力を振りかざすのは


 おまえの力をあなどるものか


 おお、偉大なる自然の憤怒


 どうか小さなものに寛容であってくれ


 あまりに苛烈な その怒りの炎


 険しい、ああ、あまりに険しいのだ


 その炎、噴煙、噴石


 そのどれもが、激烈なものだ


 ひとかけらの岩だって


 おまえの腕力にかかっては


 大投手の膂力りょりょくもかなわない




 すさまじき力の奔流ほんりゅうが大地から解放され


 その下にあるものをすべて飲み込む


 あまりに冷酷無情


 夜闇に光る灼熱の溶岩を噴き上げて


 炎の川が流れゆく


 真っ赤に燃える川となり


 大地を焼き尽くそうとする


 おまえの怒りのわけを


 わたしにそっと教えてくれ


 大地の理を、そっとわたしに

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