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詩集 ~世界とわたしと、人々と~  作者: 荒野ヒロ


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朧月

 恋しい想いをいだきつつ


 夜空を見上げる


 ああ、愛しいあの人を想い


 暗い空を照らす


 白く淡い光を見上げる


 朧月夜おぼろづきよの空模様


 ちょうど半月の白い光


 雲に隠れてぼんやりと


 光をはなつ




 しんしんと積み重なる 薄雲のように


 わたしの恋慕れんぼ


 重なり 厚くなる


 また明日には


 月の満ち欠けよりも大きく


 わたしの恋慕は


 月明かりよりも確かに


 はっきりと


 わたしを照らしてしまうだろう










 * * * * *


 恋心を歌った詩。

 夜にふと見上げた月の光に、胸の内にあるものを振り返ることもある。

 月と、それを隠す雲にも意味があるように受け取る、そんな感情を表しました。

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