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詩集 ~世界とわたしと、人々と~  作者: 荒野ヒロ


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186/200

故郷に関する二つの詩

 見上げる白い雲、青い空


 この遠くの空の下に


 我が故郷あり




 遠くにある思い出を


 懐かしい 空に浮かべる


 傷痕なき 古傷に


 わずかな痛みを感じながら




 故郷の思い出に


 そっと寄り添う 季節なり



 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



 故郷を離れて幾星霜


 帰郷せし我が心


 異邦人の想いなり




 懐かしい道を歩き


 まるで知らぬ土地を訪ねたかのよう


 変わらぬ道筋に


 見知らぬ建物




 子供時分に遊んだ空き地に家が建ち


 家のあった場所が空き地となる


 帰って来た我が家にも


 我を待つ人もなし










 * * * * *


 あえて固い言葉を使ってみました。

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