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詩集 ~世界とわたしと、人々と~  作者: 荒野ヒロ


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地獄

「地獄とは他人」と言った人がいたとか……

 移ろいやすく 光にも 闇にもなる


 あらゆるものが 相対的に 存在する世界


 虚空の中にある星空 闇が広がる宇宙に 光あり


 それゆえ形あるものには 影が生まれる


 太陽 月 星 光 闇 物質


 世界に潜むもの


 虚偽にある真実


 なぜ神は 知性を人に与えるのを拒んだのか


 知性によりわたしたちは


 神の光より遠ざかり


 自然の無秩序にあらがい 暗い人の世の暗鬱あんうつ


 心むしばまれ、争い、憎みあう


 醜い否定と 拒絶を繰り返し


 火に火をもって 争い戦う


 すべてを焼き尽くす炎を放ち


 自らの住む土地をも 火の海に沈めて




 悪意や敵意を燃え上がらせ


 その炎に自らの魂を焼かれる


 地獄 永遠の地獄


 その口は 地獄への門


 開かれたまま 閉じられることもなく


 火に飛び込む虫のように


 悪意は悪意によって取り込まれ


 敵意は敵意を求めて彷徨さまよ


 一個の集合体


 個性などない 個人ですらない


 ただの悪夢


 移ろう世の日陰者


 自ら闇の中に落ち込んで


 抑えがたい衝動に身を焦がし


 おのれの不幸を嘆いては


 他人におのれの不幸を押しつける




 それこそ地獄


 おまえは地獄の中にいる




 生きる喜びを知るものの言葉は


 地獄の亡者には届かない、聞こえない


 亡者には亡者の言葉しか 耳にできないのだ

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