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恐れ知らず
子供のころは恐れを知らず
凍った池を見ると
氷の上を度胸試しに 歩いたものだ
小柄で細身だったとはいえ
ぎしぎしと音を立てる 氷の上を歩くなど
危険きわまりないことだ
子供のころのそれは
恐れ知らずというよりも
想像力のない 愚かさからくるものだと
大人になって理解する
氷が割れて 池に落ちれば
冷たい水で ずぶぬれになり
ただでは済むまい
愚かだったあのころ
けれども日々の生活は
いつも輝いていた
恐れを知らず
希望だけを胸に抱いて
わくわくと
毎日が楽しい
そう思っていたものだ




