幻想世界の滅び
斜め上の詩(?)
いろいろな空想と現実。
「おお、死よ!
命の終わりに
その姿を現すものよ
汝はもっとも恐ろしき
神の力の顕現なり!」
昏い翼を広げ
世界を暗闇に押し止める
汝に一歩の歩みが死を齎す
世界に影を落とし
すべてを奈落へと導くのだ
穢れた魂を喰らう 巨悪の竜
破滅を歌う 呼び声が聞こえる
破滅の天使たちが おまえの頭上
天から降り注ぐ 極光の幕下から
古き理の歌を響かせ
世界の終末を告げる
満たせ 満たせ 満たせ
虚ろなる魂の器
巨竜は顕現せり!
滅びは訪れた
おお、破滅の竜よ
恐るべき漆黒の闇に包まれて
汝の爪が振り下ろされ
大地を二つに割り
汝の足踏みが 地上を震わせる 地震を起こし
地上を砕き 引き裂く
空は極光と 不気味なる雷雲が埋め尽くし
雷を雨のごとく 地上に打ちつける
翼が羽ばたくと 破滅の嵐が吹き荒れて
巨大な竜巻と 嵐を生み出す
汝の咆哮が あらゆる死火山すらも 甦らせ
山という山は 火を噴き上げる
破滅の竜が その息吹を吐き出す
汝の毒気は 滅びの瘴気
植物は枯れ 肉体は腐り 金属は錆つく
汝が羽ばたき 世界を 昏い翼の影に封じ込める
夜が終わりを告げても 日は昇らず
世界は押し寄せる 氷の波に押し潰されて
すべてが静寂の彼方に 消え去るのだ
なんという破滅の情景
すべてのものが滅びに飲み込まれ
死に覆われる
生物も 自然も
すべての存在は滅び去る
苦痛も 戸惑いも 嘆きも 許しも
すべてが消え去る
生命と 世界の終わりを告げると
巨竜は眠りに就き
その身体は 混沌をも焼き尽くす 世界を埋め尽くす 炎と変わり
氷に封じられた世界から
新たな息吹を 甦らせる
巨悪の竜の滅びから
再び世界は
新たな世界を
はじめるだろう




