★先達に学ぶ④「武者小路実篤」☆
武者小路実篤(敬称略)が自分の詩を「僕の詩は、その時、その時の自分の心を慰めたり、鼓舞したりする為に書かれた場合が多い」と評したそうです。
それだけに、多くの人の共感を呼ぶような、そんな詩が多いのではないでしょうか(その詩は、創作活動をする人には共感できるものが多いと思います)。
とくに短い文で、簡潔に書かれた詩の多くは、わかりやすく、受け入れられやすい詩が多いです。
それと同時に、社会の本来あるべき形などについて語るような一面や、自己の精神的な成長や完成について歌った詩も多い。
その裏側にある、世間に対する冷笑的側面や、自己肯定と自己否定のありようもおもしろい。自信家の側面を持ちながら、客観的視点も持っているので、一人の人間から、はっきりとした二分化の精神性が感じられる。
ある意味で詩人に相応しい精神性を持った人物なのではないかな、そんなふうに思います。
最後にこの詩人の『第五十回の誕生日の朝の感想』から、最後の一文を。
「満五十歳を迎えた朝の私の 希望は之だ。
平和、仕事、愛、歓喜、自己完成、人類の完成への進軍、その為に生きることだ」




