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空想にひたる男
いつも夢見ている
天からわたしの望む女が 降ってくることを
いつも夢見ている
わたしが求めるものは 必ず現実になると
ただただ、わたしの願うとおりになるのだと
いつも夢見ている
わたしが欲しいと望めば
それは現実にならなければならないのだ
わたしが望んでいるのだから
わたしの希望が叶わない世界など
なんの価値もない
だからわたしは
ただただ、夢を見ている
* * * * *
武者小路実篤(敬称略)の詩『誕生日に際しての妄想』の一文。「汝は何時までも棚を見て、ぼたもちを欲しつつあれば、ぼたもちが口の中におちてくるだろうと思っているのだろう」や、ある種の人の言動を見て、それを詩にしたもの。
すこしは自分自身に、批判的精神を向けよう。そんな警告詩。




