冒険者の意地 ③
いつもフェルパー×5、フェアリー×1のパーティでした。
フェアリーはディープ+呪文無効化を回避するためですね……
倉庫の入口には看板が置いてあり、
* キッチン *
と書かれていた。
「危うく飯にされるとこだったぜ……」
エルがぼやく。
「骨ごと食べられたら
もう蘇生は効かないわよ」
リースの言葉に誰1人として冗談を返せなかった……。
通路は良く整備されており、ここは彼等の拠点と見て間違いなさそうだ。
通路はT字路に差し掛かり、偶然通りかかった巨人がリーダーと目が合うと、食べていた肉を投げ捨て武器を身構え襲いかかってきた。
筋肉質な巨人 1
リーダーの後ろから、光速とも思える程静かで速い矢が放たれ、巨人の肩に突き刺さった!
「神経毒よ」
弓を引いたラウルフは俊敏な動きで次の攻撃に備える。
リースには彼女がとても格好良く見え、『闘う女』として憧れるのであった。
毒と矢のダメージで腕に力の入らない巨人は、武器を落としてしまい膝をつく。
その隙にリーダーは重い一撃で巨人の首を斬り落とした。
「カリンちゃん、やるぅ!」
エルがはやし立てる。
「……真面目にお願いします」
「あ、はい。すみません……」
静かに拒絶されたエルがしょんぼりとした。
メンバーに緊張感が戻る。
「随分と大きい槍だね。
こんなの持てないよ……」
巨人の持っていた槍はとても大きくて誰も持てなかった。
仕方なくその場に捨てていく……。
リーダーが二手に別れる先の気配を探る。
「右は暫く通路だ。敵の気配も無い。
左は僅かに物音が聞こえるな……。
おそらく――」
「巨人が3隊、それと僅かに酒の匂いがする。
本拠地は左ね」
カリンが鼻を利かせリーダーに助言をする。
「流石ラウルフだな、頼もしい。
よし、右から行くとするか」
通路を右へ進むと突き当たりに扉が1つ見えるだけだった。
気配を探り、中に誰も居ないことを確認し扉に手をかけるリーダー。
「カギが掛かってる」
そう言うと、リーダーはフェリーと交代した。
カギを弄くり始めたフェリー。
リースは周囲を警戒しながらも、フェリーの指先技を見て盗もうとしていた。
(寺院のカギ無くしたときに便利そうね……)
「……開いたよ。
カギの構造的に知性の高い奴が作ったみたいだ」
リーダーは静かに扉を開けると、中には宝箱が3つあり他には何も無い部屋であった。
否応にも期待の高まるメンバー達。
一番良さげな銀の宝箱から鑑定が始まった。
「猛毒ガスだね」
「猛毒ガスだ」
「猛毒ガスよ」
3人の意見が一致し、フェリーは器用に罠の解除に取りかかった。
最後の仕掛けを解き宝箱を開けると、彼等の顔は見る見るうちに笑顔に変わる。
「おいおい、マジかよ……」
宝石が着いた宝剣や金の盾が目に入った。
もはや金の匂いしかない。
お互いのニヤけ顔を元へ戻し、一先ずグレイとカリンに持たせる。
2人は袋へ入れ、喜びの重さを実感した。
もう1つも難なく解除し、中にあった現金を頂戴する。
最後の宝箱はカギが掛かっておらず、中身も紙切れが数枚あるだけだった。
「ふーん……」
「何て書いてあるんだ?」
エルが覗き込む。
「所々かすれて読めないが恐らくは、
魔術書の走り書きだな。
ほら、ここに『召喚』って……」
エルが見た限り、どうやらモンスターを召喚する魔方陣についての書物の様だ。
「何か嫌な予感がする。先へ急ごう……」
メンバー達は部屋を後にし、酒の匂いを追った。
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