3月8日 1番勝負! 双子の撮影テクニック
3月8日、天候曇り時々晴れ。
撮影に適するとされる曇りの日。
今日、この日。温泉津=ヒューバート=来夏と田中映写の2人の撮影対決の1番勝負が開かれようとしていた。
「降矢くるみです。よろしくおねがいします」
「降矢みるくです。よろしくおねがいします」
と、それぞれ2人の小学生が頭を下げていた。
2人の容姿は瓜二つ。2人の声も瓜二つ。2人の服も瓜二つ。まるで日本人形のような双子であった。
「今日はよろしくおねがいします。ねぇ、みーちゃん♪」
「今日はよろしくおねがいします。ねぇ、くーちゃん♪」
そう言いながら、来夏と映写は2人の少女を見ていた。
「第1番勝負。双子の魅力をどう引き出すか? それが今回の勝負内容でございます。……これがあなたの望む水鏡栗花落ですか?」
と、何故かこの寒い中、露出度が高いバニーガール姿の水鏡栗花落は、『ラウンド1』と書かれた看板を掲げて、そう言った。
「とまぁ、第1番勝負はこの降矢くるみさんと降矢みるくさんの撮影勝負。2人には10枚まで撮影する事を許可します。その10枚のうち、1枚を提出して貰い、2人の撮影技術を競い合います」
僕はそう説明する。すると2人は揃って顔を見合わせていた。まぁ、1番勝負からかなり難解な勝負内容だと言う事は分かっている。
降矢くるみと降矢みるく。うろな町でもこの2人をきちんと見分けられる人は少ない。この2人の違いと言えば、ネックレスくらいである。この2人の写真をどうするかが、今回の撮影技術を問う重要な問題なのだ。
どちらか片方を撮影するか? それとも2人とも撮影するか? あるいは別の方法か? 何にせよ、撮影は難しいだろう。それに今回の審査員も納得出来なければ、勝ちは来ない。
「では、2人とも撮影を開始してください」
そう言って、来夏と映写の2人はそれぞれ撮影を開始した。
うろな町撮影5番勝負、第1番。
『双子の撮影対決』の開始である。
パッセロさんより、降矢くるみと降矢みるくの2人をお借りしました。




