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TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


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第60話 温泉

合宿最終日は、練習を18時で切り上げる。最後の方はやけくそ気味に目標に向けて与えられた練習を消化していただけだけど、それでも丁寧に数だけはこなしてくれた。明後日の練習試合で、この合宿の成果を見せつけよう。


そしてその練習試合の前日に、野球部のみんなと温泉もプールもあるモンドスパへ向かう。休養日という名の、追加トレーニングだ。現地集合なので私は詩野ちゃんと供に、現地まで向かう。


「せっかくの夏休みだし、みんな泳ぎたいよね」

「……昨日はよく寝れたけど、それでも身体が重いんだけど」

「その身体をもっと重くしてから、練習試合に臨むよ。まあ、本当にヤバかったら温泉に浸かって疲労回復するだけで良いから」

「んー、でもたぶん、みんな泳ぐよね」


高校球児に、休みの日など無い。特に甲子園を目指しているような高校で練習量が多いところは、週休二日制どころか年休二日制だ。流石に年末年始も練習を続けるようなところは稀だけど、それでも大晦日と元日しか休みが無いという高校も存在する。


今から向かうところは、基本的に遊びで行くところだ。でも泳ぐことは普段使わない部分の筋肉にも負荷をかけられるし、体力は消耗する。ただ単に、私が泳ぎたかっただけでもあるけど。


「お金は本当に大丈夫なんですか?」

「大丈夫大丈夫。割引券もあるし、気にせず楽しもう」


智賀ちゃんがお金の心配をしてくれたけど、私の奢りだ。お金のことなら本当に心配しなくても良いので、1日滞在し放題だと考えればかなり安めの入場料をまとめて払って、早速プールがあるフロアへ向かう。普段の着替えでは意識してなかったけど、胸の大きさは智賀ちゃんが1番かな?


野球部のみんなが全員水着になると、中々に爽快な景色だ。鳥本姉妹はちゃんと見分けが出来るように配慮してくれたのか、奈織先輩が黒色のタンクトップ水着で美織先輩は白色のタンクトップ水着を着ている。野球部でも特に可愛いらしい2人が白黒の水着を着ていると、天使と悪魔みたいなイメージが湧いた。


そして智賀ちゃんは、中学生の時に買ったという水着を着ているからか、ビキニの胸の部分がはち切れそうになっている。いっぽうで真凡ちゃんは、白色のフリルのついた水着だからお人形さんみたいだ。


「……牛乳は、飲んでるんだけどな」

「あはは。胸の発育なんて人それぞれだし、詩野ちゃんも決して小さくは無いよ」

「そういうカノンも、結構大きいじゃん」


詩野ちゃんは露出の少ない、黒のワンピースを着ていた。部内では真凡ちゃんの背が1番低いけど、詩野ちゃんもかなり背の低い部類に入るので、黒のワンピースなのに凄く子供っぽく見える。ビキニ組は、私と智賀ちゃんと久美ちゃん。それと本城さんか。


……胸が大きい人ほど、ビキニを着ているのは何でだろう?あと、思っていた以上にみんなの水着が黒か白かの2択になっているので、傍から見ればオセロだ。全員の準備が終わったら、早速流れるプールへ泳ぎに行く。


「全員、ちゃんと泳げるのは意外だったよ。特に智賀ちゃんとか、泳げ無さそうなイメージがあったけど、普通に泳げているし」

「昔は水泳教室にも通っていたので、泳ぐことは得意なんです。小学校を卒業と同時に、止めてしまいましたけど」

「んー、止めた理由を聞いても良い?」

「えっと、中学校に入る前に引っ越したのでその時に止めてしまいました。その中学校では文芸部に入って、そこで真凡ちゃんと出会って、好きなゲームが一緒で……いつも一緒にいるようになったんです」


泳げない人がいるかもしれないと思ったけど、全員泳げるようなので意外と周回ペースが早い。途中からは中央にある浅瀬の場所でビーチボールを使ったキャッチボールもする。野球以外でこうやって身体を動かすのも、やっぱり楽しいな。


お昼ご飯は食べ放題のところへ行って、元を取るべく大量に食べる。夏の大会前ぐらいからか、みんなかなりの量を食べられるようになった。食事を詰め込める身体になって無かったら、夏合宿で一瞬で痩せ細ってしまっていた可能性もあるから食事はやっぱり大事だ。


午後は温泉巡りを始めて、サウナで汗を流したり冷水に浸かって叫び声を上げたりした。叫び声を上げていたのは主に真凡ちゃんだけど、たぶん真凡ちゃんが1番楽しんでいる。昨日まで全身が悲鳴を上げていたから、素直に温かい温泉が気持ち良い。


しばらく温泉を堪能して、休憩室でうつ伏せになっていると、久美ちゃんがマッサージをしてくれるというのでお互いにマッサージをする。2人ともマッサージの心得があるので、こういう時に交互にすることが出来るのは助かる。


「……久美ちゃーん?」

「完全にトリップした顔で寝ているわね……。

私にも、お願い出来る?」

「うん、いいよ」


午後にもうひと泳ぎして身体を使って欲しかったけど、真凡ちゃんや久美ちゃんはそういう雰囲気にならなかったので純粋に疲れを癒す日になった。智賀ちゃんと優紀ちゃんと鳥本姉妹に本城さんは、流れるプールの方に行ったのでまだ泳いでいるかな。


詩野ちゃんは一緒に温泉に入っていたと思ったら、いつの間にか消えてアイスを食べていたり、ふらっとゲームセンターの方に行ったと思ったら、隣で寝ている。詩野ちゃんも疲れているし、そっとしておこう。

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