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TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


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第56話 夏合宿初日

8月1日から、合宿を始める。全員参加してくれるので、濃密な練習が出来るはず。まずは、今日から練習に参加することとなった本城さんが自己紹介をする。


「初めましての人は初めましてかな?僕の名前は本城(ほんじょう) 友樹(ともき)で、ポジションはファーストになると思う。一応、昨年の夏は城西高校のベンチ入りメンバーだったよ。リリーフで投げたこともあるけど……たぶん、高校の間は投手を出来ないと思う。これから1年間、また野球に打ち込むつもりだよ」

「キャプテンの実松奏音です。頼りにして、良いんですね?」

「もちろん!みんな、よろしくね」


本城先輩は気さくな人で、智賀ちゃん並みに大きな身体だ。4月から更に大きくなった智賀ちゃんと同じぐらいの背の高さで、智賀ちゃん以上に身体の厚みが凄い。残念ながら、甲子園のベンチ入り枠からは漏れたみたいで、甲子園で投げたことはないみたいだけど、スタンドで応援をしていたそうだ。


問題は甲子園で敗退後、夏休みを終えた9月の試合で起こった。本城さんは投球中に、肩に違和感を覚えたらしい。その後、外野の守備中に右肩腱板部分が損傷。一度は治りかけたけど、再発をして10月中には転校するに至ったみたい。


3ヵ月に渡る治療と、そこからのリハビリを経て今はキャッチボールが可能なレベルにまで回復している。打撃の方はかなり期待できるみたいだけど、投手としては絶望的だとか。まあ、無理はして欲しくないので守備はファーストに固定。送球は、軽くを心がけさせる。彼女自身が、怪我については1番分かっていると思うけど。


「さて。今日から合宿が始まるわけだけど……個人個人の能力に合わせた練習をするよ。合宿の前半と後半でも練習の内容を変えるから、栞には目を通しておいてね」

「……練習が夜19時までなら、GWの時より短いわね。朝5時起床だから、それでも練習時間は長いけど」

「夜は勉強時間だよ。集中力を上げるためにも、頭の回転を早くするためにも、夏休みの宿題にプラスアルファの勉強はしていくから、優紀ちゃんは覚悟するように」


夏合宿中は、真凡ちゃんが指摘した通り朝の5時に起きて5時半から練習を開始する。夜の19時まで練習をして、片付けや着替えを含めると19時半上がりになる。


強豪校だと夜の21時まで練習しているところもあるので、練習時間は短い方だろう。その分、緩い練習を無くして身体を1から作り上げるような練習メニューにした。矢城監督からも許可が下りたので、たぶん常識的な練習量になる。


あと、流石に夏合宿中に勉強時間を用意しないのは認められないし、個人的にもよろしくない状態だと思ったので、勉強時間は別枠で用意した。優紀ちゃんに至っては、夏休みの宿題が終わらないという可能性があったので、宿題をする時間を確保するためにも早めに練習は切り上げる。


「練習後に勉強って、眠くならないかな?」

「眠ったら起こすから大丈夫。もう優紀ちゃんは、この合宿中に夏休みの宿題を終わらせる勢いで頑張って」

「2時間×10日で終わる量じゃないんですけど」

「私はもう終わったから、付きっ切りで教えるよ」


勉強時間は夜の20時から夜の22時までで、就寝時間は23時となる。今日は今から柔軟をして、軽く身体を温めた後はベースランニングを50本走って、昼までは打撃練習だ。真凡ちゃんは合宿前半で打撃練習を集中的に行なうから、1人だけ別メニューに入る。


「……私だけ、隅の方でバッティング練習するの?」

「そうだよ。今日から5日間、午前中は真凡ちゃんだけ特別メニュー。

個人に合わせた合宿の特別メニューは全員分あるから、真凡ちゃんは気にしなくても良いよ」


ベースランニングをして息を切らした真凡ちゃんと、隅の方でバッティング練習を行なう。ピッチングマシンの後ろはもうフェンスという位置だから、本当に隅っこだ。


そこに新型のピッチングマシンを持って来て、最速の150キロにセットする。その後、ネットのある部分にバツ印の大きなシールを貼った。ちょっと、高い位置に張り付けるのは難しいな。よじ登れるけど。


「もしかして、それを狙うの?」

「ビンゴ。左右交互にバツ印を狙って打ってね。出来れば、バツ印以上の高さまで打球を上げること。

バツ印の角度に打つと、右が一二塁間で左が三遊間を抜く打球になるよ」

「出来ればってことは、高さはそこまで求めてないの?」

「うーん、出来れば高さも狙っては欲しいかな。ちょうどバツ印の高さなら、間違いなくヒット性の打球だしね」


真凡ちゃんには、速い球を一二塁間、三遊間と交互に打つ訓練をして貰う。今の真凡ちゃんは速球に力負けしてしまうから、強い打球を打てるようにしたかったけど……筋トレをして力を付けるのは時間がかかるし、力負けした状態でもヒットコースに運ぶ技術を身に付けて貰いたい。


そうすればヒット率は格段に上がるだろうし、ピッチャーにとっては嫌なバッターになると思う。流し打ち方向だけに打つ癖がついても困るから、引っ張り方向に打たせるためにバツ印は2ヵ所にした。


まず1球目、マシンにボールをセットして投げさせると真凡ちゃんの打球は正面へのゴロになった。……やっぱり、バットには当てられるよね。速い球をヒットコースへ運ぶという技術を身に付けさせれば、真凡ちゃんが1番になっても誰も文句は言わない。


「とりあえず、200球以上は打たせるから覚悟してね」

「えっ」


あと199球は打って貰いたいので、真凡ちゃんが休憩出来るのは30分後になりそうかな。短いペースで噴出されるボールに、真凡ちゃんは必死に食らいつく。目が良いから、当てるだけなら何とかなりそうかな。バツ印の角度を狙うのは難しいし、ライナーで打つのはもっと難しいけど。


「バットに当たらなかったら、追加で投げるからね」


秋の県予選までに、才能がある真凡ちゃんと智賀ちゃんは他の強豪校の上位に居てもおかしくない存在にまでしたい。化ける子は一瞬で化けるし、この合宿中は覚醒させるための下地だけでも作りたいな。

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