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TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


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第305話 レギュラー争い

1年生が入ったことで、2年生の中には1年生の警戒をし始める人も出て来た。その最たる例が水江さんと、熊谷さんかな。外野手は元から高い次元でレギュラー争いをしていたから1年生が出て来ても今更だったけど、遊撃手はわりと候補が少なかった。ショートで守備が上手い人、少なかったからね。


北条さんと真っ向からショートのレギュラー争いをするのは水江さんで、サードは熊谷さんと井原さんの選択。今はサードの守備機会、私がいるから多くても2イニングだけなんだけど、夏が終わったら現3年生がスタメンのポジションも空くからね。


2年生捕手は塩野谷さんを警戒して当然だし、1年生の中にもレベルの高い子がいるのは良いことかな。そんなことを考えながら迎える春の神奈川県大会4回戦は、色々と因縁のある鎌倉学院との対戦。


スタメンは昨日に引き続き優紀ちゃんと智賀ちゃんとひじりんがいないので、色々と試している。



湘東学園 スターティングメンバー


1番 右翼手 高谷俊江

2番 中堅手 勝本光月

3番 三塁手 実松奏音

4番 左翼手 伊藤真凡

5番 一塁手 牛山恵美

6番 二塁手 関口賢美

7番 遊撃手 水江麻樹

8番 捕手  塩野谷夢未

9番 投手  宮守瑞輝



2試合連続で、ベンチスタートの詩野ちゃんはかなりの不満顔。でも捕手の怪我率って投手に負けないぐらい高いし、現に選抜では怪我をしている。今までは余裕がなかったから休ませることが出来なかったけど、選択肢が多い今は色んな事をやっておきたいし、余裕があるから休ませることも出来る。


わりと真剣に練習に打ち込んでこなかったからこそ、肩や脚の怪我がなかったと言っても良いしね。3年生の中で、一番練習時間は短かったと思う。まあ、今は塩野谷さんの実力を見よう。歓迎試合でも、1年生の中で目立っていた存在だったし。


ついでに、私を除けば選抜甲子園で打率トップだった真凡ちゃんを4番に置いた。大阪桐正や宝徳学園でも、4番を任されそうなぐらいには打率が良いというのは長所だ。選抜ではパワー不足を痛感したようだけど、あれは相手のピッチャーが良すぎたからで、普通の投手相手だと極端な前進守備を敷いた外野の頭を超すパワーはついている。木製バットで。


鎌倉学院のベンチは、何か暗い。そういえば今年、鎌倉学院の野球部に入部した1年生はほとんどいなかったとか風のうわさで聞いたかな。昨年の春の県大会で、優紀ちゃん相手にデッドボールを当て、全治1か月の怪我を負わせたことは忘れていないし、向こうも忘れていないみたい。


数年後には廃部になりそうな勢いらしいし、一度ついた悪評は拭うことが難しい。監督も変わったみたいだし、数年前の勢いは感じられない。


「あの試合、カノンは代表候補合宿でいなかったのよね。優紀に故意死球をしたの、私としては一生許せないのだけど……ベンチの雰囲気を見るに、相手も相当苦しんだようね」

「そりゃあの試合から1年が経過して、ほとんど関係のない1つ下の世代になったからね。当時もベンチに入っていた2年生の選手、2人しかいないし」

「あ、そっか。普通の高校だとベンチにいるほとんどは3年生なのよね。……あの子達も、先輩達のせいで大変ね」

「向こう側もやり辛さはあるだろうけど……正々堂々と試合をしようか」


真凡ちゃんと私が出ているのに、詩野ちゃんが出ない理由は鎌倉学院への警戒心を解いていないのもある。ぶっちゃけ捕手は投手以上に替えの効かないポジションだし、これが夏の県大会なら出していたけど……春の県大会ともなると重要度が低い。


なるようになるかなと思いつつ、1回表、湘東学園の攻撃は1番の高谷さんから。初球のストレートから積極的に振りに行って、2球目のカーブをショートの真正面へ転がす。


ちょっと詰まった当たりではあったけど、ショートは上手く捌いて1塁へ送球。結果はセーフ。あのショートの捌き方でセーフになるなら、高谷さんの左方向へのゴロは全部内野安打になりそう。足が速くなったのもあるけど、ボールを打つ瞬間にもう走っているのも大きいね。


ノーアウトランナー1塁で最近はスランプ気味の光月ちゃんが打席に。甲子園でも併殺が多かったし、幾ら守備が上手いとはいえ、そろそろ自身の置かれている立場が不味くなっていることは自覚しているはず。初球、高谷さんが盗塁をするけどアシストスイングを忘れるぐらいには自分で手一杯だねあれ。


糸留さんから糸留さんのスイングを教えてもらった当初は打撃成績が上がっていたけど、またあの子は完成させることに拘っている。何度も糸留さんのスイングをビデオで見て、それに近づけようと細かい修正をすることでスランプから脱出しようとしているけど、完全に逆効果だと思う。


高谷さんの盗塁は成功して、ノーアウトランナー2塁。光月ちゃんが引っ張って打った打球は、セカンド方向に飛ぶ。理想的な右打ちでランナーを進めたけど、次が私ということを考えたら出塁して欲しかったな。


初回、ワンナウトランナー3塁の場面で当然私は敬遠され、ワンナウトランナー1塁3塁に。私が盗塁をしてワンナウトランナー2塁3塁となると、真凡ちゃんも敬遠をし始める。……去年の秋の県大会から、打率8割オーバーの子と勝負はしたくないよね。


ワンナウトランナー満塁となって、牛山さんが打席に入る。智賀ちゃんと傾向が似ている牛山さんだけど、智賀ちゃんのように前のバッターが敬遠されたら打てるというわけじゃない。むしろ緊張して、力が入っている。


牛山さんが打ち上げた打球は、ライトに飛ぶけど普通のフライかな。ライトが捕球して、本塁へ送るけど高谷さんの足は止められずにセーフ。1点を先制することに成功する。


ツーアウト1塁3塁となって続く6番の関口さんは一二塁間に打球を飛ばすも、セカンドが追い付いてセカンドゴロに。あの騒動が起こった後も野球部に残っている面々だし、伊達に前まで強豪校呼ばわりされていたわけじゃないね。

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― 新着の感想 ―
[一言] カノンなら、打球を相手ベンチの監督直撃コースに打ち込んで、合法的に報復出来ると思うよw まあ、相手の監督辞めちゃったんだけど
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