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TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


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第22話 開会式

全日本高校選手権大会神奈川県予選の開会式当日。真凡ちゃんがトイレに行ったので、私も飲み物を買いに行ったら周りに選手が多すぎて迷子になってしまった。まだ開会式が始まるまで時間があるので、しばらく辺りを散策することにする。


……常に私の周りが「実松だ」「カノンだ」とザワザワしているので、私から探さなくても向こうが迎えに来てくれそう。


「あ、和泉大川越!」

「……何?あなた達は個人行動が推奨されているわけ?」


球場の周りを歩いていると、練習試合で戦った和泉大川越のメンバーがいたので、エースの大槻さんに声をかける。お互いに勝ち上がれば準々決勝で戦う予定だけど、別に険悪な雰囲気にはならなかった。


「さっき、9番の子が絡んで来たわよ」

「ああ……うちの伊藤が迷惑かけてすいません」


真凡ちゃんが大槻さんに宣戦布告したと聞いたので、一応謝っておこう。それにしても、真凡ちゃんは負けん気が強いね。一応あの試合で、真凡ちゃんはゴロとはいえバットに当てれていた。この3ヵ月間で、真凡ちゃんのミート力とパワーは格段に増しているし、もしかしたら良い勝負になるかもしれない。


「別に構わないわよ。それより、私としては実松さんにリベンジしたいから、負けるんじゃないよ」

「負けると思ってるの?」

「噂によれば、習志野高校相手にボロ負けしたらしいじゃない。練習試合は負け越したって、あの子は言ってたわよ」


大槻さんですら、習志野との練習試合の事は知っていたので、相当広くに習志野高校対湘東学園の練習試合の内容は知れ渡っていると考えて良いと思う。そして真凡ちゃんは、大槻さんと何を喋ったんだ。


お互いに頑張っていこうねー、と言いあって和泉大川越の面子と別れ、無事に湘東学園のグループへ合流。先ほどまで大槻さんと何を話していたのか真凡ちゃんに聞くと、大槻さんの方から真凡ちゃんに声をかけたらしい。


……大槻さん、若干性格が悪そうだし、真凡ちゃんは揶揄われたのかな。まあ、お互いに勝負するのはずっと先だ。まずは1つ1つ、目の前の壁を蹴破って行こう。


個人的に、大会中は選手として一番成長をする時期だと考えている。公式戦1試合で得られる経験値というものは、練習試合の何倍にもなるのだ。それを続けていければ、僅か半月の間に見違えるほどの成長を遂げる可能性もある。


しばらくすると入場が始まりそうだったので、チーム全員が整列をして入場準備を行なう。3番だから、入場は早い方だ。炎天下の下で他校が入場して来るのを待つのは、少し嫌だな。


念のために行進する前、智賀ちゃんと真凡ちゃんに手足が同時に出ないよう注意しておいたけど、それでも智賀ちゃんはいつの間にか手足が同時に出てしまっていた。後で録画を見た時に顔真っ赤になるんだろうなー、とか考えていたら、開会式が終わる。


……1年目の、夏の県予選が始まった。




1回戦の相手は、川崎総合高校。開会式の後、偵察をして来た久美ちゃんが相手校のデータを話す。


「川崎総合高校のエースは110キロ後半のストレートが武器で、見た感じではカーブも投げているようでした。

コントロールはそれほど良く思えなかったので、四球を選べれば大量得点も可能だと思います」

「打線の方は?」

「左バッターが2人いましたが、その2人は足が速そうでした。打撃練習では大野先輩を超える打球速度を出す選手はいなかったです。練習スペース自体が狭かったので、外野の守備力は不明です。内野陣の動きは良かったですね」


川崎総合はそこまで運動に対して力を入れてない高校だけど、相手はどんな形であれ努力をしてきている。初の公式戦ということが、1年生にどう影響を与えるかで試合の流れは決まるかな。


開会式の後は今日の試合が行われるけど、湘東学園は明後日に試合となる。やぐらの中央部分の1回戦から試合を始めているし、序盤から過密日程にならないよう大会側が考慮をしている。


その開幕試合をちょっとだけ見た後、グラウンドに戻って練習を行なう。既に最大目標を東洋大相模に合わせているから、値段の高い方のピッチングマシンは東洋大相模のエース小鳥遊さんに合わせた球になっている。


……不思議と、1回戦や2回戦で負ける気がしない。3回戦を最大目標とするなら、東洋大相模対策は10日以上行える。問題は向こうがどのぐらいうちを注目しているかだけど、選手が10人の時点で眼中にすら入って無さそう。私という存在の宣伝効果が、どれぐらいあるかによるかな。


1回戦の先発を務める予定なのは大野先輩だけど、継投では西野さんじゃ無くて智賀ちゃんを使うようだ。そして出来れば継投しなくても良い様に、大量得点を取るべきだという話になる。


伊達に県大会ベスト8級を相手に点を取って来て無いから、打撃に関しては本当に自信が付いている。打撃と守備で投手力の低さを、カバーする方針は間違ってないだろう。内野陣は監督のノックのお陰で速い打球も処理できるようになったし、エラーの回数が劇的に減った。


成長した大野先輩と西野さんが、どれぐらい通用するか。あとは、この大会期間中に久美ちゃんがイップスを克服できるかが鍵かな。

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