表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

200/388

第181話 危惧

聖ちゃんが四球を選んだことで、ワンナウトランナー1塁2塁となって、私に打順が回る。満塁での打率が異様に良く、かつ私を敬遠した時のホームラン率が高い智賀ちゃんが後ろに居るお陰で、こういう場面でも勝負をしてくれることが増えた。


得点圏打率や満塁時の打率の良し悪しで、チャンスに強いとか満塁に弱いと決めるのはある種のオカルトだと言う人もいるけど、メンタルが重要なスポーツである以上、状況によって打率が変わるのは当然だと思う。


智賀ちゃんの満塁時の打率は、非常に良い。たぶん、6割は超えているはず。智賀ちゃんと勝負して結局カノンがホームに還るなら、私との勝負を選ぶという投手もいるということだね。


初球は、アウトコースの低めの際どい所を突かれてワンストライク。外角低めいっぱいに129キロのストレートを投げ込めるのだから、もしかしたらドラフトにかかるレベルの選手かもしれないね。


2球目のカーブはバットの届かないようなボール球で、カウントは1-1。私を相手に、まともな勝負をしてくれる長谷川さんに感謝をしつつ、3球目のフォークを引っ張って打つ。


一切落ちない弾丸ライナーは、上昇し続け、レフト側のポールに当たった。スリーランホームランとなって、湘東学園は1対3と逆転に成功する。


「……ポールに当たらなかったら、場外だったね?もしかしてわざと?」

「この前、智賀ちゃんの場外ホームラン見て危ないな、と思ったんだよ。それで場外ホームランを危惧して本気で打たないのは違うような気がしたから、ポールに当てることにした」

「カノンのパワーならその内、ポールも折るんじゃない?」

「それは大丈夫だと思いたいけど……交互にポールへ当てることにするよ」


詩野ちゃんから、場外ホームランにならないようにしたのと聞かれたので素直に危険だからと答える。この球場は硬式野球用の広い球場だけど、周囲には民家もあるし、人の行き来もあるから万が一が起こるかもしれない。年に数十回も場外ホームランを打てば、人に当たってしまう可能性は低くない。


今までも危ないかなと思っていたけど、パワーをセーブするぐらいなら、ポールに当てた方が良い事に気付いた。これなら全力で打っても場外には行かないし、一度ポールに当たった球が観客席に入っても大丈夫だと考えた。


続く智賀ちゃんは、外のスライダーを振らされて三振。奈織先輩はヒットを打つも、7番の美緒先輩がショートゴロでスリーアウト。1回の攻防が終わって、2点リードか。


「久美ちゃんがどれだけ抑えられるか、だね。島谷さんは、早目に準備した方が良いかも」

「そうやな。島谷はそろそろ肩作っとけ。場合によっては、ロングリリーフになるかもしれん」

「はい!清香さん、行くよ」

「了解です」


御影監督の指示で、ブルペンでは島谷さんが肩を作り始め、いつでもマウンドに行ける状態にして貰う。ボールを捕るのは、坂上さん。最近は島谷さんと一緒にいることが多いけど、確か同じクラスなはず。坂上さんと原田さんの第2捕手争いは、坂上さんの方がリードしている感じかな。


……県予選では20人まで選手を登録することが出来るものの、甲子園では18人だけ。2人を2軍に落とす必要があるから、そろそろ考えないといけない時期なんだよね。


投手の数が多いから、捕手の数も多い方が良い。だけどそれだと枠を圧迫し過ぎるから、ベンチ枠が18人だと捕手は2人になるのかな。


2回表の横須賀港高校の攻撃は、6番の長谷川さんから始まる。投手を7番にするぐらいならよく見かけるけど、6番ということは打撃も野手の人と遜色が無いぐらい良いということだ。警戒を強めていたらセーフティバントを仕掛けられ、聖ちゃんが素早く処理するも、1塁はセーフ。


……あれだけの球を投げられるのに、足も速いとか野球超人かな?盗塁を仕掛けて来るかと思ったけど、久美ちゃんは左投げでクイックも早いし、キャッチャーの詩野ちゃんに関しては言わずもがな状態なので走っては来なかった。


そして、送っても来ない。続くバッターがライト前へヒットを打ち、ノーアウトランナー1塁2塁のピンチ。ここで横須賀港高校が送りバントを選択し、ワンナウトランナー2塁3塁となる。


バント失敗を期待してフォークを投げるのは良いけど、普通にバントを決められたのは痛い。続く9番バッターにもスクイズを決められ、あっさりと2点目を許した。


……点差に余裕がある時、1点を犠牲にアウトカウントを優先するのは間違っていない。御影監督はどちらかと言うとこの思考で、詩野ちゃんはこの傾向が強い。特に詩野ちゃんは、リードがある時はほぼ必ずアウトカウント優先の思考になる。だけど今の1点は、非常に痛い気がする。


ツーアウトランナー3塁となり、続く1番バッターにはヒットを打たれてあっさりと同点になる。そしてバッターボックスには、先程の打席でツーベースヒットを打っている2番の高松(たかまつ)さんが入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓にランキングタグを設置しました。ポチっと押して下さると作者が喜びます。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ