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TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


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第14話 合宿の仕上げ

GWを利用した合宿は、3日目も全員がぐったりするほどの練習量で1日を終えた。何気に、部員間で体力差があるのに全員が同じ感じの死に体なのは、個人個人の練習量を矢城先生がしっかりと調整しているからで……これからは、ちゃんと監督と呼ぼうか。


最終日の今日は2校と練習試合をするスケジュールだけど、1試合目は去年の東東京代表の都立城西高校だ。……何でそんな高校と練習試合が成立するのか、これがわからない。本当に、私という存在だけで強豪校が釣れるのかは怪しい。


城西高校の面子は2年生が中心とは言え、間違いなく来年の主力組だろう。まともな試合にするのも難しそうだ。野球推薦枠が毎年4枠もある高校だから、2年生中心でも間違いなく強い。


過去20年間で激戦区東東京を3度勝ち上がり、甲子園にも行っている。今年は2年生が強いという事まで伝えられて、矢城監督からオーダーを言い渡された。1試合目のスターティングメンバーは、和泉大川越の時と同じか。


先発の大野先輩は、合宿の成果か変化量が若干上がったように思える。球速は上がったかわからないけど、コントロールも良くなったかな?確実に、成長はしている。


しかし、相手は強豪校。流石に初回から連打を浴びることは無かったが、2回に4番からホームランを打たれ、4回には同じ4番の人に2ランホームランを打たれた。相手の4番は、2年生の白木(しらき) 加代子(かよこ)さんか。プロ注目の選手らしいし、憶えておこう。


その後は5回に連打を浴びたこともあり、大野先輩は5回までで6失点。なお、こちらのチームは6回までで7得点なので現時点では勝っている。私が初回に満塁という状況から走者一掃のタイムリーツーベースを打って、3回には2ランホームランを打ったからだ。


今日は5打点だけど、5回はレフトライナーだったので10割記録は途絶えた。練習試合と言えども、今までは10割を維持出来ていたのでちょっと悔しい。まあ、私抜きでも2点を取っているから打撃はまずまずのチームだろう。


相手の投手はそんなに調子が良くないみたいだし、私と勝負をしてくれたからこその7得点だな。実際問題、公式戦だと私は敬遠が多い。公式戦でまともに勝負をしてくれるのは、一部の物好きだけだ。


だからこそ中学時代は、勝っている時にホームランを打つのは禁止、とかいうわけのわからない決まりがあった。たぶん制限が無かったら、打率と長打率は大きく上がっていたはず。敬遠も、その分増えただろうけど。


6回裏のマウンドには、私が登る。大野先輩の課題は、5回でスタミナが切れるところかな。何と言うか、5回に疲れてくるのか失点が多い。練習では結構な数を投げ込んでいるのだけど、やっぱり実戦は別と言うことか。


私がマウンドに登ったことで、当然相手は動揺する。そりゃ、中学の時に登板した経験は無いから騒ぐのも分かる。そもそも、投手歴自体が4日だ。知っている方がおかしい。


ちなみに大野先輩は、私が守っていたセンターに入った。まだ初心者組に、センターを任せるのは怖いから仕方のない措置だ。


6回の裏は、城西の3番からの攻撃。幸先良く三振に抑えて、4番の白木さんと対戦となる。




(くそっ、普通にはえぇな。最速で、120キロ台後半か?これでまだ1年とか嘘だろ?)


城西高校の将来を期待されている4番の白木は、既に1軍の選手だ。この時期、城西高校では各学年ごとに練習試合を行なっている。なので2年生中心のチームとはいえ、2軍の選手というわけでは無い。


と言っても、2年生で城西高校のレギュラーになっているのは白木だけだ。その白木も、1軍では6番を打っている。


「ボォゥル!」


2球続けて白木は見送り、カウントは1-1。次はストライクが来るだろうと白木は考え、ストレートに絞って当てに行く。


(なっ!?曲がっ、た)


しかし、奏音が投げたのはツーシームだった。昨日の練習で初めて投げた変化球を、実戦の勝負所で投げられる奏音の度胸と、梅村の読みが勝った結果だ。


ボテボテのサードゴロを、西野はしっかりと掴んでファーストに送球する。西野はサードにコンバートされてからまだ1ヵ月も経っていないが、普通のゴロを安定してアウトにすることは出来るようになった。


これでツーアウトとなり、城西高校のベンチでは負けの雰囲気が漂って来る。それを打ち消すような力は白木以外の2年生に持ち合わせておらず、試合は7対6で湘東学園が勝った。


湘東学園はこれが練習試合で、初の勝利にもなる。




白木さんとの対戦では、ツーシームを投げた結果がサードゴロ。微妙に曲がっていると梅村さんには言われたので、一応使える武器にはなっている模様。私の感覚としてはいつものストレートと握り方を変えるだけで、投げ方自体は変わってないから凄く楽な変化球だ。


それでもストレートとツーシームしか無いから、色々と不安ではある。今日の試合では白木さん以降、早打ちになったから助かったけど、スタミナ問題は解決していない。6回から投げるのは、ちょっと怖いかな。実戦での全力投球はたぶん、30球ぐらいしか持たないと思う。


続いてやってきた静岡の三島東高校には、西野さんと智賀ちゃんが投げる。相手は、普通に1軍を繰り出して来た。静岡も野球のレベルは高く、今年は静岡の4強に入っている三島東高校。


……流石に、西野さんと智賀ちゃんが県トップクラスの高校を相手に投げてまともな試合になるはずも無く、湘東学園はとうとう17対6という惨敗をすることになった。


この試合で真凡ちゃんは初ヒットを打ったけど、内容はボテボテの三遊間のゴロをショートが上手く捌ききれずに内野安打という、素直には喜べないヒットだ。智賀ちゃんも、バットには当たったけど平凡な外野フライ。


そろそろ、考え出す頃かな?明日、真凡ちゃんと智賀ちゃんに何か感じたか聞いてみようか。

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