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TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


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第98.5話 実況中継 

『次の試合は関東地区大会2回戦の第3試合、湘東学園対山梨学園の試合です。この試合の実況役は私、(かがみ)莉奈(りな)が、解説には京阪神ガスの元選手で監督も務めた藤原(ふじわら)万美(まみ)さんにお越しいただいております。どうぞ、よろしくお願いします』

『よろしくお願いします』

『いやぁ、それにしても湘東学園の勢いは凄いですね。部員数11人で、関東ベスト8まで来ましたよ。これはやっぱり、実松選手の存在が大きいんでしょうかねえ?』

『そうですね。間違いなく打線の軸ですし、1回戦で見せた特大ホームランなんかはチームを勢いづけますよね』


「ひじりん、今日の実況は誰?」

「実況が鑑さんで、解説は京阪神ガスの元監督だって。気になるならイヤホン片方貸すよ?」

「お。ありがとう。それにしても、関東大会まで観戦に来て学校の方は大丈夫なの?」

「推薦で湘東学園行きが決まってから、クラスだとちょっと浮いてるんだよね。そういう光月ちゃんも、浮いてるんじゃないの?」

「……まあ、周りは受験勉強ばっかりだしね。あ、始まるみたいだよ」


『今日の見どころというか、知っておくと楽しめる情報というのは何かありますか?』

『そうですね……実松選手を含めた湘東学園の重厚なクリーンアップ陣と、プロも注目しているという槙野選手の対決は楽しみですよ。両校に良い投手が揃っているので、継投タイミングも難しい問題になるでしょうね』

『なるほど。湘東学園のクリーンアップを槙野選手がどう抑えるというのかと、継投のタイミングに注目ということですね。

さて。先攻は湘東学園ということで、1番の伊藤選手が独特な小さいフォームで構えています』

『伊藤選手の県大会での打率は5割を超えていますから、小さな切り込み隊長ですね。彼女が出塁すると、湘東学園はいつも良いリズムで点を取れるんですよ。流れを生み出すことの出来る存在ですね』


「まーた解説の人が適当なこと言ってる。カノン先輩がこんな重要な試合でまともに勝負されるわけないじゃん」

「湘東学園の4番5番は1回戦でホームランを打ってたし、今日は全打席敬遠は無いんじゃない?」

「まだ、カノン先輩の敬遠を防げるほどじゃないよ。来年はどうなっているか分からないけど」

「ひじりんでも、1年生から湘東学園のスタメンは厳しいんじゃない?2人の先発投手をピッチャー専任にするなら、内野は枠が出来そうだけど」


『山梨学園の先発、槙野。大きく振りかぶって初球はストライク!今日も初球は自己最速の134キロです』

『最近の高校生は球速が速いですよねぇ。1試合目の和泉大川越の大槻選手も137キロでしたか。近年の高校野球のレベルは、一段と高くなってきてますよ』

『本当に、135キロを投げる投手というのが珍しくなくなりましたよね。さて2球目、バッターは見逃してボール。カウントはワンエンドワンとなります』

『あの球に手を出してくれないと、ピッチャーとしてはやり辛いでしょうね』


「カノン先輩が推していたのって、あの伊藤さんだよね?」

「うん。前に挨拶行った時、凄い才能を持った初心者を2人拾ったことを話してたけど、その内の1人。もう1人は、5番の人」

「江渕さんか。大きい身体って、それだけで得だよねえ」

「光月ちゃんも大きいじゃん。私から見たら、どっちもどっちだよ」


『選んでフォアボール!初回、槙野は立ち上がりに苦しんでいるようにも見えますが……』

『少し枠の外にボールが行ってますよね。続く梅村選手も左打ちなので、槙野選手にとっては辛い打順ですね』

『左打者を相手にすると四球率が高くなる槙野ですが、やっぱり左打者と右打者を相手にする時で雰囲気というのは変わりますか?』

『変わりますねえ。そして次のバッターは嫌でも意識しないといけないので、湘東学園の上位打線は本当に良く機能していますよ』


「私達が入ったら、左打ちばかりになるのかな?」

「カノン先輩は右打ちだけど……梅村さんと、伊藤さんと、私と光月ちゃんで4人が左打ちだね。久美ちゃんさんが両打ちだし、バランスは良いんじゃないかな?」

「私達以外にも声はかかってるそうだから、私達が打線に入れるかは分からないけどね」

「お?自信無いの?」

「まさか。外野の枠、絶対に奪い取るよ」


『入ったー!実松選手、これで今大会2本目のホームランです。1回戦の時と同じような速攻で、湘東学園が3点をリードしました!』

『実松選手を敬遠しても、ノーアウト満塁で本城選手を迎えるのであれば、勝負するという選択でしたが……残念な結果になりましたね。ストレートは低めの良いコースに決まっていたのですが……運がありませんでした』

『あの低めインコースのストレートをレフトスタンドへ運ぶのが、実松選手です。名前と掛け合わせてカノン砲と呼ばれるのが納得の打ちっぷりですね』

『いやぁ……身体がどうなっているのか見てみたいですね。とにかくスイングスピードが尋常じゃないですよ』


「勝負しちゃったのは悪手だよねぇ。あー、この言葉を濁さないといけない感じもカノン先輩らしいなぁ。早くあそこで、プレーしたいよ」

「今日は来て良かったね。ひじりんは最近、練習に身が入ってなかったでしょ」

「そんなことないよう。ちゃんと練習はこなしてるじゃん」

「そう?この前の壮行試合でエラーしてたじゃん」


『西野がふらっと上げた打球はショートの守備範囲内。捕ってアウトでスリーアウトチェンジです。試合は3対0で、1回裏、山梨学園の攻撃に移ります。今日の湘東学園の先発はエースの西野が…………』

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