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TS転生したから野球で無双する  作者: インスタント脳味噌汁大好き


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第98話 修学旅行

関東地区大会の1回戦と2回戦の間には2日間の休みがあるけど、その1日目、現2年生の奈織先輩と美織先輩、それに本城さんは本来であれば授業のある時間帯から練習を始めた。


……関東大会は10月下旬に行なわれるんだけど、この期間は湘東学園の修学旅行期間でもある。関東大会行きが決まった瞬間、鳥本姉妹と本城さんの修学旅行は無くなった。まあ、甲子園に出ることが決まれば実質修学旅行みたいなものだし、仕方のないことだと割り切るしかない。


「平日に授業が無いと、何か違和感があるよ」

「あ、今日の試合は東洋大相模が黒学院栃木を6対1で降したよ」

「休憩中にテレビで見てたんだー」


本城さんは平日に授業が無い違和感を感じているけど、本来であれば修学旅行中は休みではないので、学校に来ている間は自習をしないといけない。勝手に自主練をしてはいけないはず。


しかし野球に理解のある先生が多いからか、3人に対して自主練をしても良いよと自習の監督をする予定の先生が言ったみたい。完全に先生達の温情のお陰で、授業時間帯に練習が出来ている。


先生達も学園初の甲子園出場に向けて頑張っている私達を応援してくれているので、ありがたい話ではあるのだけど、先生として本当にそれで良いのかと問い詰めたくもなる。


そして今日の試合をテレビで見ていたらしい鳥本姉妹は、最近になってようやく奈織先輩と美織先輩の区別が付くようになった。基本的に、2人が同時に喋る時は姉の奈織先輩が先に喋ることが多いような気がする。外見的な特徴で見分けることは私には不可能だから、双子というのは恐ろしいね。


今日の関東大会の試合は、東洋大相模が黒学院栃木に6対1で勝ち、多久大光陵と市大川越の試合は4対0で多久大光陵が、明優日立と山梨学園の試合は4対3で山梨学園が勝った。ということで次の私達の相手は、山梨学園ということになる。


「次の山梨学園に勝てれば、甲子園に出られるのよね。何か、イマイチ実感が湧いて来ないわよ」

「初めての時は、こういう時に落ち着かない気持ちになるよね。試合は明後日だし、急に出来ることが増えるようにはならないから、落ち着いて力を出し切ることだけ考えよう」

「何か、私には木製バットを使わせる、みたいな話を聞いたのだけど」

「冬に入ったら、木のバットを試してみるだけだよ。重心が違うから合わない可能性も高いし。

だけど木製バットでヒットを量産できるようになれば、注目される選手にはなれると思う」


明後日は、関東大会の大きな山場だ。明後日に行なわれる4試合で、明暗がはっきりと分かれてしまう。今できることは少ないから、まずは相手投手の分析から始めようかな。


「山梨学園のエースは右の槙野(まきの)瑠璃(るり)や。2年生で、最速134キロのストレートが売りのようやで。欠点はコントロールだし、ノーコン速球派やな」

「変化球はスライダーとフォークだけだから、ストレートで力押ししてくるタイプのピッチャーだね。

……大槻さんと比較すると、どうしても大槻さんの凄さが際立つな」


山梨学園のエースはノーコン速球派と言ってしまって良いのか分からないけど、四球は多いし死球も出している。コントロールが無いのに速い球を投げる投手が相手は、チーム事情を考えると正直に言って怖い。ただ被打率は低いし、力のある速球なのだと思う。


「野手は1人知っている人がいるね。セカンドの赤石(あかいし)さんは、ガールズ時代の対戦相手にいたかも。1回戦でこの人、サヨナラスクイズを決めていたから色々と警戒はしておいた方が良いと思うよ」

「私も対戦経験がありますね。確かこの人、北海道出身のはずですよ」


1番セカンドでチームを引っ張っている存在なのは、同い年の赤石さん。走攻守に優れた選手で、ガールズ時代は主将として、チームを準決勝まで導いていた。たぶん山梨学園には、推薦で入っていると思う。内野ならどこでも守れるそうだし、足も速いから要注意だ。


「……このバッター、1打席で15球ファールを打って四球で出塁とかしているから厄介だよ。山梨県大会の準決勝と決勝しか見て無いけど、何回ファールを打ったのというぐらいファールを打ってた」

「それを言ったらうちの真凡ちゃんも似たようなものだけど……。山梨学園は元々強豪校だけど、今年の秋季県大会を勝ち抜けたのは槙野さんと赤石さんの存在が大きかったからだね」


詩野ちゃんが注目したのは、赤石さんのバットコントロール。この人だけで20球ぐらい使わせて四球で出塁というのは、ちょっとえげつないやり方だ。


湘東学園の場合は事前に分かっているから対策出来るけど、初見でやられたら凄く手こずったと思う。こういうバッターが1番だと、嫌らしいな。


今日はミーティングの後にピッチングマシンを使って速い球を打ち込む練習をして、私もバッティングピッチャーとして本城さんにストレートを打たせ続けた。


ちょうど槙野さんと私の球速が同じぐらいだから、良い練習にはなると思う。修学旅行に行けなかった分、明後日の試合に勝ちたいという気持ちは強くなっているのかな。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 鳥本姉妹と初めて会った時のカノンの感想 >顔がよく似ているので、双子かもしれない。双子のわりには、似て無い感じだな。 98話では >外見的な特徴で見分けることは私には不可能だから、双…
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