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三人揃えば異世界成長促進剤~チート無し・スキル無し・魔法薄味~  作者: 森たん
第六章 異世界ブレインストーミング

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100話 狩りにおけるチート戦力

100話まで来ました。感慨深いものです。

新作も4万字ぐらい書いているんですが、両立できるか不安で書き溜めしてます。


 熊殺しの現場にハンター達が合流したのは三十分後だった。

 みなザワザワしている。熊がそこに横たわっているのだから。


「ひとまず処理しましょうか」


 サブさんが冷静に言い放ったが、クールな表情は引きつっているように見えた。

 とりあえず、大の男四人がかりで水場まで運び処理することになった。


 クラーク村にハンターは十人いる。その中で熊の処理の仕方を知っているのはフッチーさんだけだった。

 昔王都で一度だけ処理したことがあるらしい。


「昔過ぎて覚えてないんだがなあ……」


 ぼやきながらフッチーさんが熊を処理することになった。

 あと二人必要とのことでジャンケンで決めることになった。ジャンケンは先生が広めたらしい。

 負けた二人は残念そうだ。


――――


「さて、行こうかの」

「次は走り出さないでくれよ、へへへ」

「ふむ」


 ゼツペさんは周りを見回している。


「ははは、『探知』しましょうか?」

「『探知』じゃと?」


 先生が探知魔法の提案をした。


「ええ、私は『探知』魔法を使えるので、周囲三十メートルぐらいは確認できますよ」

「ほお……」


 ゼツペさんは俺を見た。『コイツもか?』とのことだろう。

 俺は小さく、だが表情豊かに頷き肯定する。


「ではお願いしようかの」

「わかりました」


 先生は『探知』魔法を発動する。


「……鹿だ」

「どっちじゃ?」


 先生は木々で覆われて見えない方向を指差した。


「よし、行くぞ!」


 ゼツペさんに呼応しリンクスが。リンクスに呼応しアッシュが走り出す。

 俺も用意してたのでピコと一緒に追走する。

 ほかの面々は一歩出遅れた。ゼツペさんは突然動き出すからなあ。


 走ってすぐ、鹿を二頭見つけた。俺は間近で鹿殺しが見れると思うとちょっとワクワクした。

 鹿はすぐに反応し散り散りに逃げ出した。


「リンクス! 左から行くぞ。 アッシュ右から仕留めろ!」

「ワン!」


 ゼツペリンクス組は山の斜面を登ろうとする鹿の進行方向をおさえた。

 驚いた鹿は反転し逃げようとする。


(――あ)


 狙い澄ましたように、アッシュが鹿の右側から飛びついた。

 そして鹿の長い首に噛みつく。鹿の空気が抜けるような断末魔が鳴り響いた。

 残酷だけどなんか美しかった。


 ゼツペさんとリンクスと俺はアッシュに近づいた。


「ふむ、上出来じゃの」

「すげえぜ! アッシュ!」


 アッシュは噛みついていた鹿を解き放った。


「ワンワン!」


 アッシュは嬉しそうなので撫でてあげた。

 遅れて集まってくる、ハンターの面々と先生。


「お、おい」

「ああ、鹿だ……」


 熊でも驚いていたが、鹿でも驚いている。こんな短時間で熊に続き鹿まで捕まえたら驚くのは無理ないか。


「だれか持っていってくれ」

「は、はい」


 ゼツペさんに促され、アインさんが鹿を水場まで持っていくことになった。

 これでハンターは残り六人だ。


「外傷が大きいからの、さっさと水に放りこんでしまえ」

「え?」


 アインさんが驚いている。


「鹿は傷みやすいからの。さっさと水で冷やしたほうが美味い」

「血抜きは……しないんですか?」

「そんなん後じゃ! さっさと水に突っ込んでこい!」

「は、はい!!」


 無残な鹿を背負い、アインさんは走り去っていった。


「さてどんどん行くかの」

「お、おいおい、どれだけ狩る気なんだよ」

「はっはっは、今日はすこぶる調子がええんでの! いけるとこまでいくぞい!」


――――


 そこから狩りは順調に……、順調に進み過ぎた。

 ハンター達はゼツペさんの即断即決な行動にも慣れたみたいで、しっかりついてくるようになった。


 まずはもう一匹鹿を仕留めた。アッシュは噛みつくのではなく殴打で首をへし折った。

 そして一人のハンターが水場まで持っていく。


 鹿を仕留めた場所で、何羽か鳥が飛び立った。


「アカイ! ピコを放て! ヤマドリじゃ!」

「はっはい! いけ! ピコ!」


 空に向けてピコを放ち、俺も追いかける。アッシュもついてきた。

 ピコは空中で上昇しながら旋回し一匹の鳥に突進した。

 突進された鳥は、地面に叩きつけられた。


(す、すげえ……)


 落下地点まで行くと、まさに垂り尾の鳥がピクピクしていた。

 恐るべしストライクバード。


 捕まえてゼツペさんの元へ持っていく。また一人ハンターが処理しに水場へ向かった。

 ハンターは残り四人。


 次はイノシシを立て続けに二体仕留め、ピコは鴨を二羽仕留めた。

 最後にゼツペさん自ら鹿にヘッドロックをかけた。リンクスとアッシュが逃げ場を奪い、減速したところで飛びつき仕留めた。


「ガハハ、とんでもねえ爺だぜ」

「まったくですね……」


 ドライさんは首の締め方を真似している。やってみる気だろうか。

 しかしこれ以上動物を運べない状態になった。


「おいおい、爺! これ以上は捕まえても捌けねえぞ!」


 俺の両手には鴨、ハンター達四人は二人一組でイノシシを持っている。

 残っているのは、ゼツペさんと先生だけ。そして先生が鹿を背負った。


「しゃ~ないの、合流しようかの」


 これにて圧倒的かつ暴力的な狩りは終了した。


――――


 水場に行くと臭いがすごかった。


 熊 ×1

 鹿 ×3

 猪 ×2

 ヤマドリ ×1

 鴨 ×2


 とんでもない量の動物たちが集まっている異様な光景だった。


「お、おい、まだ増えるのかよ」


 熊の処理に悪戦苦闘するフッチーさんが天を仰いだ。


「ガハハ、これで最後だ」

「暴れたりないの~」


 まったく恐ろしい爺だ。


 俺は捕獲より処理のほうが大変なことを今日知ることになった。


――


 まずイノシシだが、革は手慣れたもので綺麗に剥がれていた。

 あとは村に持っていき、乾燥させて鞣せば完了だ。


 肉に関しては半分以上がアッシュ達のエサになった。

 猪鍋が食べれないのは残念だけど他の処理が終わらないからだ。

 残った肉は村へ持って帰ることに。干し肉にでもするそうだ。



 難航したのがやはり熊だ。

 フッチーさんがメインで熊の処理をおこなっていた。

 革は剥ぎ終わっており、仰向けになった熊のど真ん中が切り裂かれている。


 詳しくはわからないけど、臓器を取り出しているのだろう。

 俺が水場に来たときは肋骨の処理に四苦八苦しているみたいだった。

 

「ノコギリは流石に無いか」

「そうですね、熊を捕まえるのは予想外でしたので……」


 ゼツペさんがフッチーさんのフォローに向かった。

 風神道と剛拳道の共同作業だ。


「ちょっと貸してみろ」

「は、はあ」


 本当は肋骨の付け根部分をノコギリとかで切り出し臓器を摘出するらしい。

 ゼツペさんは、慎重に肋骨部分を裏側に左手を入れた。

 そして右手はデコピンの構えた。表側の肋骨部分に狙いを定める。


「なにを……」

「っし!」


 肋骨の中心部をデコピンで破壊した。見ていた面々は驚きで声が出ない。


「はっはっは、力の一点集中は風神道の十八番じゃからの」


 相変わらず無茶苦茶である。


――


 ちなみにハンター五人は先に鹿を持って下山した。

 鹿は早めに水に突っ込んだから山で捌かなくても大丈夫とのことだ。

 村でやったほうが肉の処理はしやすいし、村の人達に手伝ってもらえる。


 さて俺は何をしているかというと、毛を毟っていた。

 先生と一緒にヤマドリと鴨の毛をひたすら毟り続ける。

 結構サクサク抜けるんだけど、なかなか抜けない部分もあり結構大変だ。


「鳥ってのは、小さい割に手間だな」

「そうですね~」


 コツコツ毟る。毛が少ないと書いて『毟る』。残酷な言葉だ。

 毟り終わるごとにリーダーに渡した。綺麗に臓器を取り出してくれた。


「この部分を傷つけると肉がまずくなっちまうんだ、へへへ」


 なんか丸い球みたいな臓器を見せてくれた。わからないけど肝臓か膵臓かな。

 鳥が、鶏肉らしくなったので最後は火にかける。

 火にかけるといっても、焼き鳥にするわけじゃない。産毛や残った毛を燃やしてしまうのだ。

 久々に『着火』が役に立った。


 結局下山する頃には夜になっていた。

 遠足は帰るまでだが、狩りは動物の処理が終わるまで終わらない。


 リンクスとアッシュは気持ちよさそうに寝ていた。

 狩りって大変なんですね。


読んでくださりありがとうございます!

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