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清楚の皮を被った自己中メンヘラ美少女JKの冬柳さんと僕は上手く付き合って行けるのだろうか?  作者: ムラタカ


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第57話  最終回

桜田凪咲へのイジメを夏芽華乃の行為と見せかけた擦り付け問題や久豆流創真と冬柳雫の婚約騒動から1年が過ぎ、冬柳雫と真島拓真は高校3年となり今はそれも終わろうとしている。

つまり卒業が間近に近づいた時期。

彼等は揃ってある場所へと向かっていた。

進学先の大学受験…その結果発表となる掲示板の確認だ。


昨今では大学敷地内の掲示板による合否の発表は国全体で見ても少なくなりインターネットによる発表が主立っている。

しかし久豆流グループ参加のこの大学は今も昔縁の古風なやり方に拘っており真島、冬柳等もこうして電車に揺られている。


「はあ〜緊張するね、」


「別に心配する必要はないわ、この1年と半分…貴方は本当に良く頑張ってたもの」


「冬柳さんのお陰だよ…ここまで来れたのも全部…、冬柳さんがいなかったら僕は大学受験すらして無かったかも知れないし、こうして今も電車に揺られてるのは冬柳さんのお陰だよ。」


「そんな事はないわ…私も今が夢みたいに思えるもの」


「夢?」


僕は彼女の顔を静かに覗きこむ。

彼女は何だか遠い所を見ている。

今ある景色ではなく遠い所を。

こうして改めて彼女を見ているとやはり美人だなと痛感させられる。


「昔の私は自分さえ良ければ後はどうでも良い…そう思っていたわ…他人の事なんて考える発想すら持ってなかった」


「ああ…確かに昔の冬柳さんは他人に対して壁を作ってたしね」



昔の…それこそあの告白から僕は彼女と交友関係を持った。

清楚で誰に対しても平等で優しく綺麗で美人な高嶺の花。

しかしそれは裏の…本来の彼女を隠す為の偽装で本当の彼女は狡猾で疑り深くバリバリ人を区分する人間だった。

小学生、中学生と過し彼女の人間性は構築された。

人より突出した美貌を持つ彼女は常にその人によって高見に押し上げられ担ぎ上げられる。

勝手に羨まれ、嫉妬され、妬まれ、崇拝され尊敬され尊ばれる。

男は常に彼女に絆され勝手に恋に落ち、性欲のままに彼女に群がる。

女は常に彼女に嫉妬し恨み辛みを重ねて彼女を攻撃する。


やがて彼女は人との関わりを下らないモノとして唾棄し、表の顔を作り本来の自分を奥に隠した。

そうして出来上がったのが清楚で綺麗な高嶺の花の冬柳さんだ。


「私はこの1年半…本当に人に恵まれたわ…凪咲に夏芽さん、加藤君に佐渡君…今は大事な友達だと思えるもの…」


「冬柳さんが頑張った証拠でしょ?」


「ふふ、私は別に何も頑張ってないわ…皆がいい人だから今が出来た…そう思うと痛感するわ……佐渡君には本当に酷い事をしたなって…」


「いまさらほじ繰り返す事でもないよ、佐渡はもうとっくに許してるし桜田さんと楽しそうにしてるし、謝られてもアイツも困ると思うよ?」


「そうね…」


僕等の出会いは他と比べると少々歪だ。

告白して来たのは冬柳さんの方で当時の僕はまさかあの冬柳さんから告白されるなんて夢にも思ってなかった。

学校1の美少女からの告白で舞い上がり、飛び跳ねていたらその彼女から思いもよらぬ3つの条件を提示され浮き足立っていた気持ちは奈落に叩き落された。

その条件の1つが佐渡が表向きな彼氏である事を認めると言う巫山戯た内容だった。

しかし当時の僕はこれを受け入れた。

心の何処かで偽告もあり得ると身構えていたのも大きい。

ああ、やっぱりこういう事かと落胆した物だ。

でも僕なんかが学校1の美人と付き合えるのだから贅沢は言えない。

従う事にしたのだ。

しかし彼女は佐渡よりも僕を本当に優先してくれた。

彼女の考えが当時は本当に読めなくて苦労した物だ。

それでも陰気でボッチ寄りな僕がクラスの中心にいる学校1の美人と付き合える日常を手放したいとは思えなかった。


その結果佐渡には酷い事をしたのも事実で僕等はその罪の意識を持たなくてはならない。


多分冬柳さんが桜田さんのイジメ問題に対して裏で動いたのはそう言う意識が働いたからだろう。


「私は他人が嫌いだった…どうして世界に他人なんているのかって…心底思っていたわ…」


「……」


「私の事を追い詰めて否定してくる他人なんて消えてしまえってずっと思ってたのよ、でも目を凝らしてみるものね…他人と接するのも…案外と悪いもんじゃないわ」


「冬柳さんは元々コミュ力高いんだし普通に上手くいくよ」


「全部貴方がくれた物よ…貴方が私にくれた物。」


「そんな大げさな…」


「別に大げさでも誇張でもないわ…事実貴方と付き合って無かったら今の私は無いもの…。」


「冬柳さん……。」


「私の彼氏でいてくれてありがとう…拓ちゃん」



次は〜◯◯大学前〜

次は〜◯◯大学前〜

電車のアナウンスが狭い車両内に流れる。

まもなく目的の駅だ。


「さぁ!行きましょう」


「そうだね…」


僕等は手を繋いで2人で電車から降りる。

端から見れば僕等はどう見えるだろうか?

恋人に見えるだろうか?

それとももっと別の何かに見えるだろうか?


別に構わない。

彼女が僕を認めてくれている。

好きな子が認めてくれている。

なら自信を持とう。


この先きっと沢山の困難が待ち受けているだろう。

それでも彼女が隣にいてくれるなら僕はきっと大丈夫だから。


僕等は2人で歩いて行くんだ。



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