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清楚の皮を被った自己中メンヘラ美少女JKの冬柳さんと僕は上手く付き合って行けるのだろうか?  作者: ムラタカ


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第44話  冬柳澪子の事情

俺は娘を彼女が一人暮らししている家に送り届けるとそのまま自分達の家に帰った。


暫くするとガチャっと玄関から音がする。

どうやら高級レストランから妻が帰ってきた様だ。

居間にやって来た妻は……そりゃもう凄い顔をしていた。

彼女は基本的に化粧を余りしない。

元が整い過ぎてる事もあり、顔を飾る必要性が無いのだ…たから化粧は必要最低限にしているのだご今回は違う。

彼女にとっての決戦の場だったであろう超大物との見合い話、何としても成功させたい。

そんな意気込みご不必要に施された化粧からも見て取れた。

しかしそれも涙のあとで流れでしまってまるで黒い油の涙を流したみたいになっている。

雰囲気も全体的にどんよりと沈んでいて朝方娘と高級レストランに行く時とまるで違っていた。


娘は今朝方今の妻の様などんよりとしたオーラを纏っていたが今は同じ様な雰囲気を妻が纏っている。 何とも親子なんだなとほんわかした気持ちになる。


「何笑ってるのよ…」


「え…?」


「何笑ってるっていってるのよぉぉ!!!」


妻が突然キレだした。

大声て癇癪を上げ怒鳴り散らす。

普段の彼女からは……良くある事なのだ。

清楚でお淑やかで気品溢れる令嬢の如く雰囲気はあくまで余所行きの仮の姿。

本来の彼女は短気で怒りっぽく人を下に見るどうしょうもない人間だ。


「あの子のせいで!あの子のせいで!!私恥かいたのよ?あの子のせいで私が大恥かいたの!!ねぇ!なんで!?なんでなのよぉ!!?」


「まあまあ、アイツには俺が後からフォロー入れておくよ」


「そんなので済む訳無いでしょ!!?私が恥をかいたのは百歩譲って良いわよ!でも向こうの息子にまで大恥かかせたのよ!!?久豆流が報復とかして来たらどうするの!!?貴方責任とれるの!?」



俺が企てた事とはいえ、婚約を強行したのは彼女だ、それでこの言い様は中々の業の深さだがこんなのは彼女を知る人間からしてみればまだまだ序の口だ。


「アイツ…正典には俺から詫びておくよ…大丈夫だから心配しないで」


因みに正典とは久豆流息子君の父親の名だ。


「それで私が納得するとでも思ってるの!そもぞもどうしで貴方は会食に参加しなかったのよぉ!!?」


「前も言ったけど俺は取引先との大事な話合いがあって参加出来ないって言っただろ?君が俺に話を振らず娘の見合い話を強行した結果がコレだよ…。

それにこれは君が今日参加した会食の主催でもある久豆流社にとっても大事な取引だったんだ、話は社長の正典にも通してあるから俺が参加出来ないのは仕方の無い事だって話したろ?」


「ゔゔぅぅぅ!!ゔゔゔぅぅ゙!!」


ああ言えばこう言う状態で何を言っても言い返される事に溜飲が収まらずより怒りのボルテージを上げる妻、澪子。

本来なら人を惹きつけて余りある美しい顔は般若の様に怒りに染まりなまじ整い過ぎた美顔であるが故に表情はとても鬼気迫る恐ろしい形相となっている。

赤ちゃんとかがみたらギャン泣きしてるのはほぼ間違いなし。

それ程の迫力だった。


「まぁ結果はどうあれ娘の意思を無視して行う見合い話なんて良い方向に向う筈がない、実家の建て直しはまた別の方法を考えよう」


「な………そ…」


「え…?」


「……なによそれぇえ!!!」


妻はとうとう怒りの許容量を越えたみたいだ。


「私にとって実家の建て直しは何にも勝る最優先事項なの!!あなたには口ずっぱく説明したわよね!!?それを別の方法!!?そんな都合の良い方法がある訳無いでしょ!!?バカなの!?娘を久豆流に差し出してその恩恵を得るしか無かったのよ!!?娘が犠牲になれば私の!冬柳の悲願は達成されたと言っても過言では無かったのに!!それをあの馬鹿が!!あの馬鹿のせいで何もかもおじゃんよぉ!!娘は親の言う通りに動くのが常識でしょ?それを何処の馬の骨とも知れない貧相な餓鬼を好きになったとかそんなの知らないわよ!!別れろよ!!私の為に別れろよぉ!!!」


「つまり君は何かい?娘の幸せなんて興味がない、全て自分が実家の冬柳の目的が達成出来るなら娘なんてどうなろうと構わないと?」


「当たり前でしょ!?私はその為に貴方と結婚して辛くて痛い思いして子供を産んだのよ?それ以外に何があるの?」


「君は娘を愛して無いのかい?俺と君の2人で生み出した娘を愛して無いのかい?」


「愛?愛してるわよ?だから久豆流に嫁がせてもっと幸せにしてあげようとしたんじゃない?子の幸せは親が決めるのよ?子供は善悪の区別もつかない馬鹿だから親である私が道を示してあげないと駄目なの?ホンっト!あの子は馬鹿でクズで品性の欠片もない…どうしであんな低脳に育ったのかしら…もう駄目ね…勘当してやろうかと思ってたけどいっそ家に連れ戻して学校も辞めさせて選任の家庭教師でも雇ってガチガチに固めてやろうかしら?ええ!!それがいいわ!!バカにはきついお仕置きが必要ね!、相手が馬鹿ならそ「少し黙れ」れに見合った…………え?」


「君は自分が腹を痛めて産んだ子供を馬鹿呼ばわりして何とも思わないのか?」


「は?馬鹿を馬鹿と呼んで何がいけないの?」


「例えそう思っていたとしても口に出さないのが親としての最低限のマナーだ…それに雫は何も間違った事はしていない、彼女は彼女で親に自分の意思を示した、これは誇ってあげなくてどうする?それを馬鹿と軽んじて言い訳ないだろ?君は間違っている!」


「何よ!何よ何よ何よぉ!!娘は親の言う事を聞くものなのぉ!!親は絶対なのぉ!!そうじゃなきゃ駄目なの【ガシッィ゙】ふごぉ!!?」


余りに滅茶苦茶な事を言う妻、澪子にとうとう堪忍袋の緒が切れれてしまった兼政は彼女の顔、特に口元を片手でわし掴みにし、両頬を捻り上げる様に持ち上げる。


図らずも澪子はつま先立ちを強要される形となる。


「ふごお?ごふっ!?はご!」


「お前は自分の娘を何だと思っている」


普段温厚で怒らない冬柳兼政がこの場においては明確な怒気をはらんだ声を出した。

より手に力が込められ澪子の頬もそれに習って滑稽に、より醜悪に歪んでいく。


「娘はお前の奴隷では無い、娘は冬柳再建の道具ではない、何故それをわからない」


「ふごぉ!?ばにいっでる!娘は親のぎぎなり!」


「まだ言うか!!」


「ふごぉ!!?ぎやぁ!?」


片手で頬を掴んだまま彼女をソファに突き飛ばしそのまま彼女に覆いかぶさり頭、厳密にはおでこ辺りを掴まれる。

きしくもアイアンクローのような形となる。


ギリギリと締め上げられ痛みに支配される澪子。


「親とは確かに子を導く存在だ!だけど自由を奪い、奴隷の様に酷使する存在じゃない!!愛をもって、真心をもって導く物だ、それを君は!!我が子を何だと思っている!!冬柳の再建!それは俺達が個人的に成す物だ!!俺達が俺達の力で成す責務だ、雫に背負わずな!!子を巻き込むなぁ!!!」



みシミ゙シみシミシみし!!

成人男性が本気のアイアンクロー。

頭から嫌な音がする。

涙を流し鼻水を流しヨダレを流し澪子の綺麗な顔は溶けて剥がれ落ちた化粧も相まって醜悪を極めていた。



しかし彼女は感じた事の無いエクスタシーを感じていた。


痛い…痛い…何これ痛い…

あの人が…あの、兼政が怒っている。

兼政はいつも笑顔でヘラヘラしてるだけのつまらない男。

沢山いるつまらない男の1人。

結婚したのは彼の実家、鷹野家が太かったから。

籠絡して冬柳再建の足がかりにしてやろうと思った。

でもいざ結婚してみれば思った程の恩恵はうけれなかった…所詮はその程度。

何処にでもいる、烏合の衆。

つまらない男の1人。


私は今、そのつまらない男に組み伏せられ自由を奪われて痛めつけられている。

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。


この私が?

男はすべからく私の下僕。

その代表である兼政がわたしに痛みを与えている?


痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。


ギリギリとしなる頭の痛み。

この痛みを旦那が…兼政が私に与えている。


思い出すのは彼から最初に与えられた痛み。

子供…雫を授かるために最初にやった儀式。

互いに裸になって抱きあって…何の生産性もない行為。

いや、子供を産めば冬柳再建につながる。

だから生産性が無いわけではない。

これは必要な行為。

だから彼を受け入れた。

その時に感じた痛み。


とても痛かった。

痛かった…筈なのに…わたしは快楽を感じていた。


気持ち良いと思った。

それを思い出した。


頭を鷲掴みにされギシギシとしなる痛み。

本気で私を増悪する兼政の表情。


なんだ…このきもちは…?

心臓が痛い。

頭の痛みより体の謎の痛の方が五月蝿い。


熱い…体が熱い…いや…極一部が特に…?


彼の目が怒気を孕んで私を見る。

睨みつけられる。


なにこれ…兼政の怒った顔をみてると動機が早くなる。


心臓が五月蝿い…ドキドキと早鐘を打つ。

五月蝿い五月蝿い!!


どうなってるんだ…私は…?


いつか兼政から解放され私は床に膝を付いて息を切らしていた。


「ハァハァハァ…」


「……済まない…すこし大人気なかった…でも君も考え直して欲しい」


そう言うと彼は居間から出て行った。


ようやく解放されたが彼女の頭の中は謎の快感でいっぱいだった。

今もじんじんと痛む頭。

兼政に鷲掴みにされ締め上げられた頭。

痛い…痛かった…筈だ…。


でも…、


体が熱い。

茹だるように熱い。


汗でびしょびしょだ。

でも体の極一部は特にびしょびしょだった。


「どうしちゃったの……私…」


澪子は自分の体に突如起こった謎の感覚に戸惑うしかなかった。

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