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清楚の皮を被った自己中メンヘラ美少女JKの冬柳さんと僕は上手く付き合って行けるのだろうか?  作者: ムラタカ


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第43話  真実。

自身の娘、冬柳雫が勝手に帰った後、高級レストラン内は阿鼻叫喚の地獄絵図だった。



「申し訳ありません!申し訳ありません!」


「いえいえ…そんなにかしこまらないで下さい」


「いえそんな!どう落とし前をつければ!息子さんに大変な恥をかかせてしまい…本当に…本当にっ!申し訳ありませんでした!申し訳ありませんでしたぁ!!!」



冬柳母の猛烈な勢いの謝罪に怒る気も失せたじろぐ久豆流創真の父。


「雫が!雫があ!!あの子…あのこぉ!!良くも良くもぉ!!私に恥をぉお!!子供のクセに!!親に楯突いてさからってぇ!!うぅ…うぅうぅぅ゙ぅ゙」


久豆流創真の父と母はドン引きしていた。

これまで彼女とは何度か顔を合わせて接して来た。

しかしこれ程までに取り乱した彼女は見たことが無かった。

造り物めいた美しい顔を醜悪に歪め悪鬼の如く…或いは般若の如く怒りで彩ったその顔はまさに鬼そのモノだった。


(ぐぅ…恨むぞ…兼政君…君の奥さんはとんでもない地雷じゃないか…)



そう、なんと今回の件…裏で手を引いていたのは冬柳雫の父親、冬柳兼政その人であったりする。

航空機開発で大きな売上をたたき出す久豆流社の傘下にある会社の1つに鷹野がある。

久豆流と鷹野は昔からそこそこに大きな繋がりがあり久豆流創真の父親と冬柳兼政は上司と部下、そして兄弟の様な友人関係を結ぶ仲だったりする。


2人は問題だらけの自分達の子供の事で良く相談し合っていた。


久豆流父側は自身の息子の事で兼政に相談していた。

甘やかして育て過ぎたせいで天狗になり、少々妄想癖紛いの言動が目立つ痛い子供になってしまった。

厳しく接したいが自分では甘さを殺しきれずこのままでは碌な大人に育たないと兼ねてから懸念していた。


一方で兼政もまた自身の娘の事を相談していた。

なまじ母親の美貌を引き継いだせいで幼少の頃から人の闇に触れ過ぎた為にやや拗らせた人間に育ってしまった事。


2人はよく自身の子供の育ち方に不安を覚えると言う内容で話し合っていたのだ。


この様に2人は自分達の子供の話をし合う程には互いを信頼していたし信用していた。


しかしここで思わぬ横槍が入る。

冬柳澪子…冬柳雫の母親で兼政の妻である。


夫の友人には自分の娘と同い年の男の子供がある。

夫の友人は大金持ちである。

冬柳家の悲願は大金持ちに返り咲く事。

夫の友人の金持ち息子と私の娘をくっつければまるっと解決じゃね?



そんな脳内会議を1人で済ませた澪子はあれよあれよと勝手に動き勝手に婚約話を立ち上げ唯我独尊に突き進んだのである。


この暴走一歩手前…いや、暴走そのままの行動の結果を後から知った男2人はそりゃもう大きく慌てた。

何がどーなってんだよと?


しかしここで兼政は逆にこれは使えるんじゃね?

と、そう考えたのだ。


「使えるってお前…どうするんだよ?」


「ウチの娘には既に懇意にしている相手がいる…妻に似て中々に偏屈な娘でね、まぁ間違い無く断ると思うんだよ」


「え?話しが見えないが…それはウチの息子を振るってことかい?まぁウチの馬鹿息子は振られても仕方ないがそれでも顔は良い方だし自分で言うのもあれだが金持ちの息子だぞ?年頃の女の子には魅力的に映るんじゃないのか?」


「いやいや、何度も言ってるけどウチの娘はとても偏屈で屈折した価値観をもってる…あと少々…うん、少々拗らせてるから一般的な価値観や基準は適用されない…まぁ間違い無く振るよ…それも相手の自信とか尊厳とか人格を全否定して余りあるレベルの振り方をね。」


「……お前の魂胆が見えて来たよ…つまり娘さんと俺の息子をあえて婚約させて息子を上げるだけ上げた後に地獄に叩き落とす…と…そういう訳か?」


「あぁ、息子さんの伸び切った鼻を叩き折りたいのならウチの娘は間違い無く適任だ…どうだ?嫌なら否定してくれて構わないけど?」


「いや、乗らせてもらうよ、少々荒療治だろうがお前の娘さんみたいな異次元の美人からこっ酷く振られたらアイツもちょっとは現実を見てくれるだろう…」




と、そんなやり取りがあった。


勿論この話は2人とこっそり久豆流母を交えた3人だけの秘密。


知らないのは事の渦中にいる娘と息子…そして。


「申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ぇえ!申し訳ありまっ!申し訳ぇえぇええぇ!!!!!」


今も凄い勢いと形相で土下座を続ける冬柳澪子だけだった。





「はぁ…疲れた…」


「貴方お疲れ様…」



食事会を終わらせ、久豆流の夫妻は自宅に帰っていた。

まさかあの冬柳の美人妻があそこ迄の地雷だったとは…。

兼政め…。

図りやがったな…。

大々的には息子と娘の矯正を目的としながら実際はあの美人妻を"わからせる"事が最大の目的だったのだ。


あの暴走と言って良い行動力も見越してのものなら恐ろしいものだ。

アイツはいつも飄々としながら小癪な所のある奴だ。

自分の娘をつかって友人の息子を矯正しようとか言って来た時はまたコイツのアレが始まったなと思っていたが…いやはや本命は奥さんの方だったか…。



「本当に今日は疲れた…」


「はぁ…でも凄いひとでしたね…欲望を隠そうともしませんでしたよ…」


「俺なら呑み込まれてるよ…アイツにしかあの女性の相手はできんな…はぁ…」


そうやって疲れたねーと夫婦で話していたら夫婦の寝室がドン!!と開かれた。



「お父さん!お母さん!!」


「うわぁ!?何だ何だ!?」


「あら詩織どうしたの?」


部屋に突然入ってきたのは愛すべき天才娘の久豆流詩織だった。


彼女は端的にこう言った。



「私っ!雫さんとお友達になりたいわ!!」



と。

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