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清楚の皮を被った自己中メンヘラ美少女JKの冬柳さんと僕は上手く付き合って行けるのだろうか?  作者: ムラタカ


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第34話  暴走…爆走?


「皆さん、どうも始めまして!ご紹介に預かりました…久豆流創真です、以後お見知り置きお!そして皆さんにも認知しておいて頂きたい事があります!!僕は冬柳雫さんの婚約者でもあります!彼女に会う為にこうして転校して来ました!どうか2人の生末を皆さんも末永く応援してくれると嬉しいです!」


白い歯をキラッと輝かせる美形転校生、久豆流創真くずりゅうそうまはあけすけにそう言い放った。

冬柳雫は俺の婚約者だと、結婚が確約された強固な関係を持つ仲だと。

だからお前等は彼女に近づくなと。


彼は暗にそう言ったのだ。


そしてクラスメイト達の反応は…。


「うおぉぉ!!キターー!!」


「転校初日に愛の告白キターー!!」


「キャーキャー!!凄ない!?これねぇ凄ない!?」


「え?え?ちょ!?婚約者ってつまりあれだよね?」



大盛り上がりだった。

久豆流創真の見た目は抜きん出て優れている。

長身で細マッチョ。

顔もA…いや、S級といって良いほどに整っている。

素直にイケメンと言えるだろう。

オマケにおそらくは金持ちの息子。

美男美女同士の婚約者。

ゴシップ好きの若者にとってこれをはしゃがずして何をはしゃげと言うのか。

そんな賑やかさが透けて見える。

ついこの間まてイジメ問題を掲げ教師が裏で噛んでる大きな話題の渦中にあったと言うのに新たな話題に勇んで飛び込む業の深さは流石若者と言ったところか。


担任の老教師はえ〜…っとと汗をハンカチで拭き取りながらド派手な自己紹介を済ませ彼を空き席に誘導した。

そしてその流れで朝のホームルームを始めようとした所で彼はまたもや余計な事を言い放った。


「席替えを所望する、僕は婚約者である冬柳雫さんの…いや、雫さんの隣を所望する!!」


と…。


「え……?え〜と、久豆流君それは無理だよ?今は席替えの時期では無いし1生徒のワガママで席替えは出来ません…何故なら1人の生徒のワガママを聞いていては生徒全体の規律に背く事に…」


「そんな言い訳はどうでもいい!婚約者同士、もっと仲を深める必要があると僕は愚行します!よって今後雫さんとは常に隣同士の席を所望します!!」


「え…と…私の話を聞いてましたか…?」



転校初日から圧倒的に濃いキャラ印象をクラスメイト達に叩き付けこれでもかと自己をアピールするイケメン転校生。


拓真はあまりの濃いキャラの突然過ぎる登場に度肝を抜かれ何も言い出せないでいた。

しかしここに待ったをかける声が聞こえた。



「ちょっ、ちょっと待ってくれないか!?」


「うん?何だい君は?」


「俺は佐渡って言うんだけど冬柳さんには既に彼氏…お付き合いしてる男子がいる、婚約者だかなんだか知らないが2人の仲を引き裂く理由にはならないだろ?」


「ほぉ?雫さんに恋人ね?無論聞いているよ?で?雫さんの恋人とは君の事かな?」


「残念ながら僕は冬柳さんの恋人じゃ無いけど」


「ならすっこんでいたまえよ!君も中々の美男子だが外野が口出しする理由にはならないよ?」


「ぐっ…!」


「ぼ…僕が冬柳さんの彼氏だ!!」


「ほぉ?」


佐渡が言ってくれたお陰で決心が付いた。

あんな奴に佐渡がくどくどと言われて言い理由にはならない。

僕が…冬柳さんの彼氏である僕が前に出ないと。

しかし早速前に出た事を後悔していた。


目の前のイケメン転校生からこれでもかと陽キャオーラがほとばしっている。

苦手だ…こう言った手合いは。



「君がねえ?ふふ…くふふ…正直こんな事言いたい訳ではないんだよ?でもね〜君、雫さんと全く釣り合ってないじゃないか?」


「っ…」


「顔も背丈も平凡そのもの。まさか成績が学年首位レベルなのかな?それとも運動が飛び抜けて得意?悪いけどそういった特徴がある様にはみえないね?まぁまぁ平凡な男子に見えるね?」


「そ…それが何だっていうんだよ…」


「言わないとわからないのかな?はぁ…仕方ない、善意の忠告だ、感謝したまえよ?冬柳雫さんは絶世の美女だ、彼女の隣を歩くには相応しい人間である事が必要条件だ。でないと周囲の圧に耐えられないよ?君には耐えれるのかな?僕には君がそんな我を持ってそうは見えない、君にはそれだけの覚悟がある様には到底見えないね。本当は別れたいと思っているんじゃないのかな?でも彼女の様な美女と付き合える可能性なんて今後君には2度と訪れないと断言できるよ!だから彼女に縋っているのだろう?ふふ、情けない話だよ!君の様な奴に彼女を幸せに出来る筈が無い!!相応しくないんだよ!君は。」


「つっ……。」



しん…っと静まり返る教室内。

老教師は冷や汗を拭くだけの人形と化しているし佐渡も拓真を痛ましげに見ている。

それを心配そうに見る桜田。


加藤も心配そうに拓真をみている。


当の渦中にある冬柳雫は無表情に拓真をみていた。


そして拓真は……全く動じていなかった。

むしろ…。



「はは…くくく…」


心底おかしくて笑っていた。


「?何が可笑しいのかな?」


「くふふふ…はぁ〜ふふ…いや…ゴメン…でもえ…と…久豆流君だっけ?君は絶対に冬柳さんに好かれないよ、賭けてもいい。」


「はあ?」


「君みたいなタイプは冬柳さんが一番嫌うタイプだ、はぁ…安心した…冬柳さんの婚約者がどんな奴かって想像して昨日から色々不安だったんだけど君なら安心だ、絶対に盗られることは無いからね。」


「は……はぁ…?君…僕の話聞いてたのかな?君みたいな平凡な凡人が雫に釣り合うと思ってるのかな?見た目も背丈も学年も運動も何もかもが平凡そのもの!!何の取り柄も無い!君みたいな凡人が!!」


「冬柳さんは久豆流みたいな見た目や経歴にしかアイデンティティを示せない人間が一番嫌いなんだよ。…悪い事は言わないから彼女の事は諦めた方が良い。君風に言うなら善意の忠告って奴ヤツだ。」


「くく…くははは!!強がるなよ凡人!!どう言った所で君は雫に釣り合ってない!!お前が!お前みたいな凡人が彼女を幸せに出来るのか??出来ないよなぁ!?何故って?凡人だからなぁ!!?お前みたいな何の取り 「ねぇ?」 柄もな……はい?」


久豆流の勢いに任せた言葉のマシンガンは冬柳雫の"ねぇ"の一言で掻き消された。

それだけの制圧力が冬柳雫の声には含まれていた。


「まず最初に私の名前を勝手に呼び捨てにしないでくれるかしら?不愉快だわ。」


「へ…?」


「でもそれ以上に不愉快なのは私のタクちゃんをお前如きが貶めて良い訳無いって事ね。」


「………?」


「はぁ…タクちゃんも言ってるけど私は貴方みたいな成金すねかじりのボンボンが一番嫌いなの、理解してくれるかしら?親のステータスが自分のステータスに直結してると思い込んでる餓鬼をみてると虫唾が走るわ。自分では何も出来ない…何も成していないのにさも自分の成果だと吹聴している姿は滑稽よ。貴方みたいな親の庇護の元私に言いよって来た顔が良いだけの盆愚は星の数程見てきたけど貴方はその中でも群を抜いてるわよ?そこだけは凄いんじゃない?

まぁそんな事はどうでもいいの。」


どうでもいいんだ。

冬柳さんはすぅっと短く息を吸いそして一気に溜め込んだ物も同時に吐き出した。


「私がどうしても許せないのはタクちゃんをディスった事よ。

ねえ?貴方何様のつもり?婚約者?親の決めた結婚相手如きが何を有頂天になってるのかしら?そもそも貴方今日が初対面よね?私の何を知ってるのかな?

そんな乏しい間柄で良く私とタクちゃんの間に入り込もうとしたわね?まだ佐渡君の方が億倍マシよ?まぁタクちゃんに比べたら億倍下らないのだけど?そんな奴がタクちゃんより優れてる要素って何?

ねぇ何?何かしら?

お金?容姿?学力?運動神経?それって全部親からの贈り物よね?親の庇護下でしかイキれない分際で何を調子に乗ってるの?

まぁそんな事はどうでもいいのよ!

そうね、タクちゃんの良いところを聞きたいのよね?良いわ!聞かせて上げる!!!貴方よりもタクちゃんのが数兆倍優れてる所を!!まず彼は私を特別視しないのよ!!今までの男は皆私を特別視して持ち上げようとしたし私をブランド品みたいに扱うの!でも彼は私に一切の価値を見いだしてないの!!彼にとって私は路肩に転ぶ石ころ程度の価値しかないの!!

時と場合によれば彼は簡単に私の事を切り捨てる事が出来るのよ!!凄いわ!!これって凄いことなのよ!?わかる!?実際に彼にフラれた事もあったわ!!貴方さっきタクちゃんは私と別れたがってるって言ったわよね?でも私が勿体なくて実際には別れられ無いって!!ふふ…うふふふふ!!彼は私を振った事があるのよ!!この私を!!自慢じゃないけど私は誰かを振った事ならそれこそ星の数程あるけどフラれたことなんて一度も無いわ!!無かったのよ!!でも彼は簡単に私を振ったわ!佐渡君や加藤君がいなかったら私は今も彼から捨てられたままよ…あの時の私がどんな気持ちだったか分かる!?惨めさと悔しさと悲しさと怒り!苦しみ!増悪!!!それ等全て飛び超えて私は彼を愛したのよ!!!私の心を彼は支配したの!!!!

この私の心を滅茶苦茶にかき乱しグチャグチャに壊して蹂躙したの!!もうこれは心のレ◯プよ!!私の心は彼に蹂躙されりん◯んされたも同然なのよ!!はぁはぁはぁぁぁあ!!!タクちゃんはねぇ!!私の始めてを奪った唯一無二の男の子なのよぉおぉぉぉおぉぉぉ!!!」







しーーー…ん……




まるで乙女の様に頬を赤らめ語る冬柳雫。

教室が……教室の中が静寂に包まれた。


みんなフリーズしている。

真っ白に燃え尽きたような焦燥感に包まれた。

担任の老教師もフリーズしていた。


いったい俺達は…そして私達は何を聞かされたのだろうかと…。

当の拓真本人も今まで漠然としていた冬柳雫の本心を聞かされて改めてやべーっと痛感させられた。


だが一番思考停止して固まっているのは爆心地点の中心にいた久豆流本人だろう。


彼は未だ頭の中が真っ白だった。

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