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清楚の皮を被った自己中メンヘラ美少女JKの冬柳さんと僕は上手く付き合って行けるのだろうか?  作者: ムラタカ


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第31話  冬柳家

僕達はようやく落ち着いてリビングを通り過ぎ、居間へとやって来た。

思わぬ来客、恋人である冬柳さんの母親の登場でなんとも形容しがたい空気が張り詰めている。

心なしか冬柳さんの表情も少し硬い…そんな気がした。


「適当に座ってて、麦茶でいいわよね」


「えぁ、ありがとう」


冬柳さんは冷蔵庫から麦茶入りのペットボトルを取り出しトレーにコップを2つ置いてやって来た。



「ゴメンね〜見たくも無いモノ見せちゃって」


「あ……うん」


「ふふ、そこはそんな事無いよって言う所なのに正直にうんって言われるとは思わなかったわ」


「あ…ゴメン」


「別にいいわ、そう言う所が好きだから」


冬柳さんも馬鹿正直に好き好きと軽はずみに言ってくる、まさに好きのバーゲンセールだ。


「なんだかお菓子の感想聞くって雰囲気じゃなくなっちゃったわね…本当お母さんはタイミングか悪いわ」


「その…聞いても…?」


「何?聞きたいの?」


「そりゃ聞きたいでしょ?彼女の見合い話とか現彼氏からすれば無視出来る事じゃない」


「あら意外、私の婚約話とかタクちゃん興味無いだろうな〜って思ってたのに、今日は意外な貴方が沢山見れて新鮮な1日になったわ」


「茶化すな!」


「はいはい話しますよ〜」


冬柳さんは麦茶を軽く飲んでのどを潤してから口を開いた。



「私の家、冬柳家はお察しの通り面倒くさい因習に囚われた家でね、昔は著名な実業家が財をなして有名になった家らしいけど今は没落して一般家庭レベルにまで落ち込んでる家なの」


「はぁ…成る程?」


「でも華々しい栄光に溢れた過去が忘れられ無いのか伝統とか各式とか中身の無い物にばかり縋り拘る面倒くさい連中ばかりが巣食う魔境になっちゃったの」


「……」


「お母さんはそんな面倒くさい因習の中で育った生娘でね、平成生まれのクセに大正や昭和時代の古臭い価値観に頭が支配されてるのよ」


「そんな家…本当に実在してるんだね…」


「ね?驚きだよね〜……それでなんとか家の名誉を復権させたいとあれやこれや悪足掻きして辿り着いたのが娘の縁談ってわけ」


「まぁベターだよね」



没落貴族がかつての富裕層に返り咲く手段として良く取られるのが上級貴族との繋がりを生む為の縁談…即ち婚約だ。


年若く美しい少女を生贄に上級貴族に縁談を持ちかけかつての栄華に返り咲こうともがく貴族はファンタジーラノベに一定数登場する。

もはや一種のテンプレートだ。


しかし現実世界でそんなのに出くわす可能性はいかほどだ?


「多分今回のお見合い話もそんな背景があるんでしょーね…はぁ〜嫌になるわ〜!ねぇタクちゃん知ってる?」


「何が?」


「こういう金持ち貴族みたいな恵まれた環境でぬくぬく育ったボンボンってね、カスしかいないのよ?」


「カス…」


「世間知らずで無知蒙昧…そのクセプライドは無駄に高く俺が彼氏になってやるんだから有り難く思え!そんな自己中な虚勢ばかりが透けて見える、だから私は顔が良いだけの男は嫌いなのよ」


「な…成る程…」


冬柳さんがイケメンに対して謎に反感を持ってるのにはこういう裏があった訳か…。


「あ…勘違いしてほしくないのは金持ちのボンボンイコールイケメンとは限らないわ…見るに耐えない醜悪な見た目の豚も沢山いたわ」


「そ…そうなの…」


「お金さえ出してれば見てくれを整えなくても媚びてお尻を振ってくる女ばかりて女遊びに不自由しなかったんでしょうね、そのお陰で清潔感の欠片もない薄汚いボンボンも良く見かけたわ」


「そりゃ…なんと言うか…」


「お母さんやお爺さんは私が幼い頃からそんなカス共と仲良くなる様にと強要して来たの…私からすれば良い迷惑だけどね…」


「父親…お父さんもそうなの?」


「いえ…お父さんは私の味方よ?」


「そうなの?」


「えぇ、お父さんは冬柳の婿養子としてお母さんと結婚したんだけどお父さんはとても優秀な人でね、仕事も出来るし高給取りだからお母さんもお爺さんも表立って口出し出来ないのよ…まぁお爺さんやお母さんの求める要求は頭が湧いてると思う程高いからお父さんはいつも苦労してるけどね」


「あはは…」


「今私が一人暮らし出来てるのもお父さんのお陰なの、雫は好きにすると良い、好きな男も好きな友達も好きな事も自分で選べば良いってね、私をあのクソみたいな家から逃がしてくれたのよ」


「良いお父さんなんだね」


「そうね、だから家族間で私の味方はお父さんだけね」



聞いていて思ったのはここまで面倒くさい家庭が令和の世にリアルに実在してる事につきる。

価値観やら何やらありとあらゆる物が時代錯誤だ。

こんな家で生まれ育ったなら確かに性格も歪むなと冬柳さんを見て失礼を承知で思う。

それはそうと一応ほはっきりさせておきたい事がある。


「冬柳さんは婚約とかする気ないんだよね?」


「は?当たり前でしょ?今までの話聞いてた?」


「確認しただけだよ、新手のツンデレかも知れないしね」


「デレる要素が皆無でしょ?ツンの方しかないわよ!そもそもツンなんて表現すら生温いくらいなのに」


どうも彼女がぽっとでの金持ちに持ち逃げされる展開は無いみたいだ。

安心していいのかどうなのか…。

それは今後次第と言った所なんだろう。




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