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清楚の皮を被った自己中メンヘラ美少女JKの冬柳さんと僕は上手く付き合って行けるのだろうか?  作者: ムラタカ


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第23話  カオス

朝登校すると桜田さんは教室内にいなかった。

どうやら精神的な疲労で学校を休んでいるらしい。


そして彼女が学校を休む程に追い詰められた原因であるイジメの主犯が3人の女子生徒により明るみとなった。

…3人の女子生徒達はクラス委員長の夏芽華乃に一連の桜田イジメ事件の犯人はお前だと断定し、問い詰めている。


あの3人の女子生徒…たしか冬柳さんと桜田さんが中心にいたカーストトップグループにいた女子達だ…それに3人の中心にいるのはたしか…まだ絶対的な人気のあった頃の冬柳さんの事を男たらしのクソ女と裏で陰口を言っていた美代って女子だ。


話した事もないし何かしらの課外授業で同じ班になった事も無い。

だから冬柳さんが言っていた名前以外知らないのだ。

同じクラスでありながら苗字すら知らないのかと思われるかも知れないが知らないものは知らないのだから仕方ない。


その美代さんが犯人は夏芽さんだ、クラスの委員長なのに物を隠して壊して酷い事をしている。

人でなしだ!

とクラスメイト達に吹聴して回っている。

クラス内ではあの夏芽さんがそんな事するか?

って疑問を持つ派閥とキツイ性格だし裏では人でなしな事も平気でやるんだって信じてしまってる派閥。

そして夏芽さんがそんな事するワケないって彼女を擁護する声を出す派閥。

3派閥に別れ噂はとうとう他クラスにまで浸透する程になった。

元々事件の当事者たる夏芽さんも寡黙でクールな知的美人で人目を引く容姿をしていた事に加え冬柳さんや桜田さんといった美人が多く所属するクラスと言う事もあって噂は加速度的に広まっていく。

無論教師の耳にも噂は聞こえていて、放課後にクラス会議が開かれる事になった。


「僕…夏芽さんは悪くないってちゃんと声を出さないとって思うんだ…」


「やめとけよ…そんな無駄な事」


「無駄ってお前…薄情じゃないか!」


「逆に何でお前はそんな夏芽さんの肩を持つワケ?関係無いじゃん?」


「それは…そうだけど…」


確かに何故かと問われたら明確な答えなんて無いのかも知れない。

それでも僕は前に佐渡や桜田さんに助けて貰った事があるんだ、あの2人への恩も返したい。

僕にだって何か出来るって証明したいと思うんだ。



「とりま先生来たから席に戻れよ、今日は長くなりそうだけど変な気を起こすなよ」


「変な気って…」


「ほら、お前ら〜席に付け〜」


トボトボと加藤の席から離れ自分の席に向かう途中に担任教師が教室に入ってくる。

教師が教室に入ってきて生徒達各々に席に着く事を促す。

わらわらとそれに従い席に着く生徒達。


「さて、ホームルームに入る前にお前達に言っておかなければならない事がある、お前達も既に知っていると思うがこのクラスに遺憾ながらイジメにあっている生徒がいる、先生は既にそのイジメの首謀者が誰か知ってる、心当たりのある者は出てきなさい。」 


シーンと教室中が静まり返る。

教師のその問いかけに反応する生徒はいなかった。

まぁ当然だ、当事者だとして馬鹿正直に名乗り出る奴なんている訳がない。


「イジメなんてやってはいけない事だと誰でも解る事だ、そんな事、幼稚園の子供でも知ってることだぞ。恥ずかしい事だとは思はないのか?しかしまだ更生する余地はある、まだ間に合うんだ、正直に名乗り出て自分の罪としっかり向き合いなさい…さぁ誰だ!名乗り出て来なさい!」


ここまで場の空気を凍りつかせておきながら名乗り出る奴が本当にいると思っているのだろうか…普通ここまで出難い空気を作られて出て行けるワケが無い…我が担任教師ながらせの昭和を思わせるノリには呆れ返る…逆に賞賛を送りたくなるほどだ。

しかしこんなやり取りをしていてもラチなどあかないだろう…。

痺れを切らした教師はとうとう伝家の宝刀に手を伸ばした。


「はぁ…先生はお前達の自主性に賭けたんだがな…仕方ない。…なら、先生の方から呼ばせてもらうぞ?」


そう一先ず置くと教師はその名前を口にした。


「夏芽華乃!立ちなさい!」


「え?……わっ!?私じゃ」


「良いから立ちなさい!!」


おどおどと立ちあがる夏芽さん

彼女は何故自分が立たされているのか解らない…いや、納得いかないという顔をしている。


「桜田の私物を隠したり壊したりしたのはお前だな?」


「まっ、待ってください!!そんなの言いがかりです!!」


「お前は優秀な生徒だ…成績も常に上位だし、委員長としての仕事もちゃんと熟している…なのに何故だ、何故こんな下らない事をしたんだ!何故だ!」


「きっ…聞いて下さい!私は何もしてない!!本当なんです!信「いい加減にしろ!!」じて…あぅ…」


夏芽さんの言葉を遮り教師はまくし立てる。


「絶えず努力し、好成績を収め、他の生徒達の模範となっていたお前が何故こんな事をするんだ!!正直に罪を認めるならまだしも言い訳ばかり…どうしてこんな事になってしまったんだ」


もはや教師は夏芽さんの言葉を聞いちゃいない。

端から彼女が犯人だと決め付けてかかっている。

これは…これはあまりにもあんまりだ…。 

借りにも教師と言う立場で自分の生徒を犯人と断定するのは違うんじゃないか?


「待って下さい!!」


と、そこに割り込む男子生徒がいた。

佐渡だ。


「彼女がやったって証拠はあるんですか!?こんな一方的なのおかしいですよ先生!!」


「証拠は無いが証言なら数人の生徒から貰っている、お前はその証言を嘘だと断定するのか?」


「一方的だって言ってんですよ!!その人達の証言に証拠はあるんですか!!?片方の言葉ばかり信じて片方を犯人扱いして!!そんなの公平じゃない!もっとしっかり話し合わないと!」


「佐渡君…」


思わぬ助け舟に流石の夏芽も目元が涙ぐむ。

しかし状況の進展には至らない。


「どうして佐渡君がそいつの肩を持つの!?おかしいでしょ?」


「そ…そうよ!!もしかして佐渡君も夏芽さんとグルなの!?」


「幻滅…」


佐渡を挑発するみたいに声を上げたのは例の3人。

美代と言う名前の女子を筆頭とする女子グループだ。


「柏木…お前…」

佐渡は自分が柏木と呼んだ女子をキッっと睨みつける。

柏木…あの女子のフルネームは柏木美代と言うらしい。


「そうなのか佐渡、お前まで一連のイジメ事件に加担してたのか?どうなんだ!えぇ!?」


「なっ!?どうしてそうなるんですか!?俺はただ」


「言い訳をするなと言ってるんだ!!どうして正直に自分がやったといえない!!そんな事じゃ将来碌な大人になれないぞ!!」


結局は教師の強引な話の進め方に気圧され佐渡も流されそうになる。


もう駄目だ…これじゃラチがあかない…。

俺が名乗り出た所で変わらないかも知れない…それでも…それでも何もしないよりずっとましだ。

俺は勢い良く立ち上がり声を出そうとした直前別の声がした。


「犯人は柏木達女子3人だよ。夏芽さんじゃない」


「はあ!?」


「え…?」


「なぁ!?」



声をだしたのは意外にも俺の数少ない友人…

加藤進だった。




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